ずっと実家には帰っていません。申し訳なくて、母には電話もできない感じです。
母にしてみれば、来なくていいから、電話くらいしたらどうだ、というところでしょうが、ついついサボってしまっています。
そんな言い訳よりも、まず行動ですから、明日の夕方でも電話してみましょう。
今日も、昨日も、疲れてて、電話するチャンスを逃しました。母は冷暖房はムダなので、お風呂から上がったら、すぐに身支度してフトンの中にもぐり込むので、お風呂上がりの時間を逃したら、もう電話してはダメなんです。
まあ、枕元にケータイ電話は置いてあるはずだから、電話したら出るだろうけど、そこまでして電話することもなくて、ついついチャンスを見逃してしまっています。
母には二週続けてタケノコを送りました。タケノコが好物で、二週続けてあれこれ料理したんでしょう。
「近所の人にも上げなさい」と言ったんですけど、母のことですから、あげなかったかもしれないな。オバチャン同士で連帯すればいいのに、今でも変な気持ちの張り合いがあるんだろうか。もう、そんな年ではないと思うんだけど、相変らずナマグサイところもありますね。
自然な付き合いをしろよ、と息子は思うけれど、そんな息子のアイデアなんて一蹴されてしまう。母は至ってマイペースで、朝だけは近所に散歩に行き、昼間はじっとしているんでしょう。マスクだってしてるのかな。
大阪のこと、ふりかえろうと昔の写真を探してみると、毎月のように実家に帰っていたのが記録として出てきます。たいした写真は撮れてないけど、つまらないことしか書いてないけど、私は母の顔を見に電車に乗って、大阪に行っていました。
残念ながら、大阪には友だちはいなくて、実家に帰って母に会い、弟家族に会い、お酒を飲み、古本屋に行き、そして三重に帰っていました。
大阪に知る人は家族だけになっていました。実は、実家の近辺にも中学の頃の同級生は今も住んでいるし、道を歩いてて、ひょっとして知り合い? という人もいたんですけど、あまりにこちらも古びていて、関係もサビサビで、誰とも今に続く関係を作れていなかったのです。
そのふるさとは、今メチャメチャにされてしまいました。誰が悪いというのではなくて、もちろん公務員たたきを面白がっていた大阪の皆さんも、少しは気づいたと思うんだけど、公務員たちを敵にして、公務員を減らすことが大阪
がヨくなることなのだという号令の下で、ズサンで、無責任で、だれにも頼れない地域を作ってしまって、ピンチの時にはこのありさまです。
あの人たちは、記者会見だけはエンジンかけて派手なパフォーマンスはするでしょうけど、肝心な時は、政府に要請で、それで乗り切ろうとしているみたいです。
大阪でワクチンを開発しますとか、みんなが感染した方がいいんですとか、もうあの人のことばの何が信じられるのでしょう。
私のふるさと、大阪は嵐が吹き荒れています。もう少し堅実に、地道に、目立たないことをコツコツやっていき、ムダに見えることに備え、すべての蓄積は人々の平安のためみたいな、そんな浮かばれない仕事を切り捨ててきたんでしょうね。
母たちは、嵐の吹き荒れる大阪で、生きていかなきゃいけない。もちろんワクチンなんて届かないでしょう。いつかは来るだろうけど、ワクチンも万能ではないし、何ものも信じずに、スモールワールドでささやかに生きていくしかないのか。
そのうち、遊びに行きたいのだけれど、今週末は雨だというし、自分もゆとりがないし、何だかつまらない毎日です。
そう、せめて明日は電話しよう。そして、なかなか甥っ子は来てくれないみたいだけど、ダメな息子のつまらない話を聞かせよう。
でも、私も変わったことはないしな。何も変わらず、どんどんくたびれてるだけみたいな感じです。いや、母はダメ息子にいつもの説教するので、元気になれるのかもしれないし、せいぜい説教してもらおう。
お酒は飲みすぎるな。お仕事は頑張るな。安全運転しろ。家族を大事にしろ。……他には何かあったかな。たぶん、何か見つけると思うけど、すぐに私は忘れてしまうんです。困ったなあ。