甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

あめのいわや お話を楽しむ!

2016年01月17日 07時18分22秒 | 三重の文学コレクション
 インターネットで検索して、やっと本文らしきものを見つけました。

 私は、何の感慨もないのですが、ある年代の方たちはものすごく五十鈴川の流れやら、伊勢神宮をありがたがっていて、どうしてなんだろうとずっと思っていました。きっとどこかですり込まれたものなんだろう。たぶん、コクゴの教科書にあったんだろうと目星をつけたら、それらしきものがあったんですね。



国民学校国語教科書『初等科國語一』(本文)

『初等科國語 一』

もくろく
一   天の岩屋
二   參宮だより
三   光は空から
四   支那の春
五   おたまじゃくし
六   八岐のをろち
七   かひこ

十一  少彦名神
十二  田植

二十  ににぎのみこと
二十一 月と雲
二十二 軍犬利根
二十三 秋
二十四 つりばりの行くへ
 




 目次らしきものです。天の岩屋にアマテラスさまが隠れられた。その真ん前でお祭り騒ぎをして、アマテラスさまが何だろうと戸を少し開かれたところを、サッと押し開いてお迎えしたというお話です。

 六は「八岐のをろち(やまたのおろち)」ですね。スサノオさん(テマテラスさんの弟さん)のお話。スクナヒコナさん、天孫降臨の話など、一通りの神話の世界を学習するわけです。

 昔は、こうした神話の世界をウソ八百の、デタラメ世界だと思っていました。けれども、自分もジイさんになってみて、神話世界を学ぶというか、自分のバックボーンとして持つというか、そうしたお話を持つのは自然なことなのだと思われます。

 アメリカのことは知りません。とにかく世界中で、自分たちはどこから来て、どこへ行くのか、小さい頃からお話として受け止められているようです。というか、お話が求められている。というわけで、私たちもウソっぽいなと思いつつ味わっていけばいいのだと思うようになりました。



 一 天(あめ)の岩屋

 天照大神(あまてらすおほみかみ)は、天の岩屋へおはいりになって、岩戸をおしめになりました。明かるかった世の中が、急にまっくらになりました。

 大勢の神樣が、お集りになって、
「どうしたら、よからうか。」
と、ごさうだんなさいました。

 思ひかねの神といふちゑのある神樣が、たいそうよいことをお考へになりました。それによって、神樣がたは、いろいろなことを、なさることになりました。

 まづたくさんの鷄(ニワトリ)を集めて、しきりにお鳴かせになりました。
 ある神樣は、大きな鏡をお作りになりました。ある神樣は、きれいな玉をたくさん作って、首かざりのやうに、ひもをお通しになりました。またある神樣は、山へ行って、さか木を、根のついたままほって、持っていらっしゃいました。

 太玉のみことは、このさか木に、鏡と玉をかざって、岩屋の前にお立てになりました。

 天のこやねのみことは、岩屋の前へ進んで、のりとをおよみになりました。

 天のうずめのみことは、まひをおまひになりました。かづらをたすきにかけ、ささの葉を手に持って、ふせたをけをだいにして、とんとんふみ鳴らしながら、おもしろくおまひになりました。

 大勢の神樣は、どっとお笑ひになりました。

 あまりおもしろさうなので、天照大神は、少しばかり岩戸をおあけになって、おのぞきになりました。神樣がたは、さか木を、ずっと前へお出しになって、鏡を大神に見せておあげになりました。大神はふしぎにお思ひになって、少し戸の外へ出ようとなさいました。

 岩戸のそばにいらっしゃった天手力男(あめのたぢからをの)神は、この時とばかり、さっと岩戸をおあけになりました。

 天照大神が外へお出ましになると、世の中が、もとのやうに明かるくなりました。

 大勢の神樣は、手をうってお喜びになりました。




 めでたし、めでたしです。アマテラスさまが少しだけ外をのぞこうとしたとき、そこにすかさず鏡を用意していたって、なかなか賢いですね。外はまっくらのはずなのに、鏡の反射で外が明るく見えた。そうするとアマテラスさまは「こりゃ、おかしいぞ」とお思いになって、もう少し戸を開く。そうしたところでガラリと戸を開けたということです。

 いゃあ、神様の世界も天真爛漫ではなくて、時に策略、時には嫉妬、時には反発、ああ、まるで人間世界と同じではないですか。というのか、神様に似せて人間世界はできている、というのが人間たちの理屈ですね。



 さて、日曜日、夜には雨が降り出すということですが、せっかくのお休みだから、ブログばかりしていないで、たまには遠くへ出て行きたいですね。どうなることでしょうね。
 


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