友だちの話のつづきです。今日は、いい友だちです。
私は、自分と一緒にいてくれる人だったら、みんな友だちに認定したいですし、友だちのランキングをつけるなんて、あまりしたくはありません。でも、心のどこかでしているのかもしれないな。
ジャイアンみたいに、手あたり次第「心の友」にしてしまうやり方、これは意外と尊いやり方なのかもしれません。みんな友だちであり、敵なんていない。相手に嫌がられようとも、友だちと呼べたら、それはもうすごい人です。
よき友、三つあり。
一つには、物くるる友。
二つには(e )師(くすし)。
三つには、智恵ある友。 〈117段〉
★ e・「くすし」は薬剤師ではありません。現代ではどんな人ですか? 空欄に漢字一字をどうぞ!
よい友には、次の三つがある。
第一には、物をくれる友。そんな人がいたら、誰でもみんなが歓迎します。お金のやり取りもなしでホイホイものをくれる人って、いるんだろうか。鎌倉時代末期にはいたんだろうか。それとも、兼好さんがよほど人間関係に恵まれていたのかどうか。
第二には、医者。こういう人が友だちとしていたら、それは心強いですね。いろんな健康相談でもできちゃうかな。いや、友だちだったら、逆に相談できなくなるのではないか? 言うのは簡単ですが、簡単にそういう友だちは見つからない。
第三には、智恵のある友。そりゃ、そういう友だちがいればいいですけど、そういう人は、自らの友の条件のハードルが高い気がする。それで、知恵のある人は、アホウを友だちにしないの? いや、きっと知恵のある人は、逆にアホウや、バカ正直を尊いと見てくれることもあるでしょう。どれだけ人に誠実であるのか、それが問われているんですね。
☆ 相手に対していつも気を使わねばならない関係は、なかなか友とは呼べない。もっと 素直に話し合えなければいけない。
若い人は、つい前ばかり見て足元がおろそかになり、他人と歩調・波長を合わせるのが難しい。また、彼ら自身の波長も変化しやすい。
元気な人は、元気じゃない人の気持ちを理解できない。思いやりはあっても、理解できないというのは、 決定的な断絶になります。
酒を欲しがる人。物を欲しがる人。うそをつく人は何か策略を持っていて信用できない。やたら強がる武士は手に負えない。
友にできない人は多いけれど、それでもあきらめずに見付けていくしかない。
そうした友だち探しの中で、自分に何らかの利益・刺激を与えてくれる人は、大事にしなくてはいけないと思います。呼称にこだわることはありません。一緒にいてくれたら、それはもう友だちということにしましょう!
★ 答え e・医師(くすし)