甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

セミころん哄笑詩人の早世

2022年08月06日 08時56分50秒 | 草にうずもれて

 いい加減なことではダメだと、竹内浩三さんの作品集をあちらこちら見てみましたが、そういう事実はありませんでした。

 たぶん、テレビの特別番組で、竹内浩三さんが、セミがコロッと死んでしまっているのを、「これが、セミコロンだよね。おもしろいね」と無邪気に笑った、というのを見たのだと思います。それは、誰の証言によるのか、誰かの創作なのか、浩三さんらしいエピソードをお姉さんが語ったのか、とにかく、そういう場面を私は見たような記憶がありました。

 もうウソでも何でもいいから、詩人は、何かを発見したら、思わずニヤリと笑って、その発見を語るのか、どこかにメモしておくのか、そんなことをするのだと思われます。それが何の役に立つのか、もちろん、何の役にも立たないけれど、そういうおかしな人がいたというエピソードが、私たちの気分を軽くしてくれます。

 また、どこかでそういうエピソードをちゃんと確認しておこうと思います。



 竹内浩三さんは、1921年生まれで、1945年にフィリピンで戦死しています。「骨のうたう」という詩が発見されて、少しだけ名前を知られるようになりました。

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ

 こういう歌い出しで、骨になって帰ってみたら、ふるさとはどんなになっていたのかというと、

故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった

ということでした。ふるさとは、戦死者なんてしのぶゆとりはなかったのでした。
 [浩三さんは、自分が戦死するのを自覚していて、戦争が終わった後、自分の故郷はどんなになっているのか、ちゃんと想像できて、自分たちの死なんか知らぬげて、ヌクヌクと自分の利益ばかり考えてるヤツ、そういうのが見えたんでしょうね。そして、他の人たちもその流れに乗ってしまう。そういうのが予見できた人でしたか……。

 私には何か未来が見えますか? 私には何も見えないです。ただ、没落していく姿しか見えない。いかに上手に没落するかなのに、右肩上がり的発想で未来を規定するから、未来はどんどん見えなくなりますね。私はもちろん何も見えてないけど……]



 それから77年、ふるさとは今も「発展」を追い求めているようです。それが当たり前だし、みんなが望んでるものだという価値観でしょうか。

 こういう価値観をもう百数十年抱えているんだから、ここから価値観を変えるには、よほどのことがなければできませんけど、いつかは新たな価値観をみんなで共有しないといけないのは確かです。

 中国が軍事演習、ミサイル発射、そんなことでカリカリしていても、何も始まらない。おかしいのであれば、それを大使を呼びつけるのではなく、ちゃんと話し合う空気を作って、しっかり話し合わなくてはいけない。いつまで同じことをやってるんだろう。

 中国とは50年付き合ってることになるんですよ。どうして深いつながりが持てないんだろう。上から目線でものを言い、いつもサポートしてあげているんだという気分が消えないんでしょう。それは何年前の話なんだろう。

 中国との関係性も、向こうのふてぶてしいところばかり取り上げるのではなくて、しっかりとつながっている部分を取り上げないことには、関係性は深まりません。ニュースでは怖いことばかりで、1972年以前の共産党中国みたいにしか見えないけれど、すでに経済では切っても切れない仲になっているんですよ。どうしてケンカ腰なんだよ。相手がそう見えたとしても、実は違うんだよ、というのをしっかり外交関係者はつかみ、それを発信してもらわなくちゃ。そういうこと、外務省はやってないですね。ただ事務的に仕事をしているんでしょうか。


 セミころん、を書こうと思い、いつもの下手くそなペイント絵を描いたきっかけは、昨日の庭仕事でした。

 チョキチョキ要らないだろうと思う枝を切っていました。変てこなミノムシが住んでいるアボカドの横に伸びた枝も切ったり、伸び放題のプリペットを切ったり、あれこれしていました。

 プリペットの下の方に、セミの抜け殻があって、その上に大きな黒々としたセミがいました。鳴いているのもいたけれど、動かないのもいた。つついてみたら、もうそのセミは死んでいるみたいでした。

 抜け殻の上に亡骸(なきがら)があるわ! と、つまらないことに感心した私は、詩人ではありませんけど、ヘボ俳人ではあるので、三句。

1 ぬけがらになきがらのあるプリペット

2 空蝉になきがら重なる盛夏かな

3 ぬけがらとなきがらのある原爆忌

 つまらない句をいくつかひねったんです。皆さま、暑中お見舞い申し上げます。お盆はどう過ごしましょうかねえ。とりあえず弾丸で実家に往復すると思います。コロナにも気を付けてくださいませ!!

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