今日、たまたまチラッと見た15分間の番組です。「空港ピアノ」(BS1 BS4Kでも、違う流れでオンエアしているみたいです)という番組でした。駅のピアノは見たことがあったけれど、空港にもピアノを置いてみたようです。
そうしたら、たくさんの腕自慢の人たちが、「どれ、待ち時間の間に一曲だけ弾いてみよう」となるようです。まあ、たくさんの取材した時間の中から、インタビューもさせてくれて、お話を聞かせてくれた人の分だけをピックアップして流しているんでしょう。そういうので番組を作ってみたようです。
シチリア島から世界につながる空港はパレルモ空港というのがあるみたいです。世界の78の都市とつながっているということでした。ヨーロッパの主要都市とつながり、ロシアや北米にも通じているし、アフリカの都市ともつながっているんでしょう。
空港の手前の大きな岩山が印象的な空港のようです。ここの待合室、ここで飛行機を待つ間の時間にピアノを弾いてもらおうという作戦のようです。お迎えに来た人とか、お土産を買いに来た人とか、空港見学の人などはピアノに手を触れられないようです。
搭乗手続きをして、さて、あとしばらく、飛行機が出るまでには時間があるし、ピアノがど真ん中に据えてあるし、弾いてみようという人たちもいるようでした。
みんな、まわりの人がいるわけだから、それなりにキャリアを積んだ人たちがピアノの前に座るみたいでした。
イギリスの国防省に勤めていたオジイサン。「今はムチャクチャな人(トランプさんのことみたいでした)が、強大な権力を握っていて、大変だけど、まあ、なんとかなるのだろう」、そう言いつつ、ジャズっぽい曲を、力を抜いた感じ、みんなを穏やかな気持ちにさせる、やさしい演奏を披露する。国の防衛の先端にいた人が、こうした嗜みを持っておられた。これは、なかなかステキなことでした。
ロシアの女性は、今は旦那さんとチェコ在住で、何を弾いたかな。リチャード・クレーダーマンだったかな。「なあんだ、リチャード・クレーダーマンを弾くのか」とつぶやいたら、妻は、「この番組では、わりと人気で、みんなが選んでいるみたい」ということでした。
そうか、リチャード・クレーダーマンは、たくさんの人々(女性たち)の目標になるアーチストだったのか。知らなかった。
北イタリア、ミラノとかそういうところに何年も住んでいるアジア系の女の人、この人も上手に弾いていました。音楽の先生か何かをしているという話で、見た目はイマイチなんだけど、腕は確かだった。でも、曲は憶えていないなあ。
うちの奥さんは、「フィリピンの人は音楽も好きだし、みんな上手だね」とコメント。そうか、音楽はフィリピンの人々を豊かにしているのか……。
最後に、たくさんの荷物を抱えた、黒髪の男の子。彼は何を弾くのでしょう。しばらくゴソゴソしていて、始めたのは、2001年の「アメリ」というベルギー映画のワルツでした。
この彼の演奏が、感動的だった。世界を旅しているそうで、インドネシアとか、東南アジアを旅して来て、今はイタリアの南のシチリア島、次はギリシアに行く。その途中でたまたま空港にいて、「アメリ」のワルツを弾いてしまった。そうしたら、現地のスタッフにインタビューされることになった。もちろん、スタッフも彼の飾り気のなさが気に入ったし、とてもいい演奏だと感じた!
世界をまわるのだけれど、お金はあまり使えなくて、こうして回ったら、母国のチリに帰るということでした。ギターも持っていたし、音楽を携えて、世界を旅してまわっていた。
「アメリ」いいね! 感動したと、口にすればいいのに、感動しすぎて、声にもならなかった。だから、奥さんに何も言わないで、テレビの前から逃げて、パソコンでいろんな人の「アメリ」のワルツの動画を見せてもらった。
でも、彼みたいな、穏やかで繊細な演奏をしている人は見られなかった。映画のサントラは持ってますけど、それ以上の演奏だったなあ。ついでに「アメリ」の音楽担当のヤン・ティルセンさんの演奏する動画も見たけど、これまた感動的で、夕ごはんを食べる前に、突然の感動でカーッとなって、その気持ちを抑えるのにしばらくは、いろんな動画を見て紛らすしかないくらいに、世界を旅する若者に感動しました。
なぜなんだろう。ものすごく心細い旅を、孤独に、自分の世界を守りながら、自らの好奇心を信じて旅している強さも感じて、私にはできないのは当たり前なんだけど、もう今もまだ落ち着かないくらいに、心は、私も少しだけ世界を旅することができた気がしました。
★ 「アメリ」のサントラを聞きました。ワルツを聞いてまたしみじみしてしまった。弟の奥さんが「アメリ」が大好きでした。どことなく彼女に、ヒロインも似ています。そして、弟の奥さんは、好きすぎてフランス語を習いました。それから、二人でパリに行ったんだったかな。ロンドンにも行ったから、パリにも行ったんでしょう。ああ、好きというのは大事にしなくちゃな。最近、弟たちにも会ってないですね。また、ひまな時に大阪の実家に行かなくちゃね!