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私だって、かつては子どもでした。年数で行くと、かなり昔です。
でも、気分で行くと、わりとこの前、ついこの間という気もします。そんなこと書いてて、いつまでも永遠の子どもだ! なんて、ふんぞり返る気ではありません。ホントに、ついこの間まで、そういう世界にいたのになあと思うだけです。
ですから、父の日記の1970年から88冊を読まなきゃいけないんですけど、私に言わせれば、お父さん、そんな遅すぎるよ! と言いたくなります。
そんな、40くらいから日記を始めるなんて、もっと前にいろいろ書いててほしかったなあと思うんです。まあ、ないものねだりしても仕方がないし、とにかく、あるモノに満足して、当時を振り返らせてもらうしかないわけです。
というんで、私の子ども時代って、もっと昔です。
幼稚園の頃は、あまり憶えてなくて、小学校1年は、とにかく1年生だけ、北側の木造校舎だったんです。たぶん、1年4組だったと思うんです。
担任の先生は、むやふみこ先生というお名前でした。不思議な苗字で、先生のお名前を口にしたこと、なかったでしょうね。とにかく、センセーとだけ呼んでればよかったんですから。
もう少し大きくなって、地図帳で徳島県を見てたら、鳴門の西側に撫養(むや)という地名を見つけて、「あっ、先生のルーツは、ここかもしれない!」とちゃんと思ったはずだから、それは中学生か、小学校の高学年だったと思うんですけど、よくもまあ、ちゃんと憶えてましたね。
ムヤ先生は、ベテランの先生で、メガネをかけておられました。怖かったのか、やさしかったのか、何も憶えてないから、たぶん、ほどほどに優しかったのかもしれません。甘い先生ではなくて、ベテランですから、ちゃんと指導してくださったんでしょう。
私が小学校を卒業して、弟が高学年になった時、その時の担任の先生が、偉大な先生だったからか、子どもたちに「ムヤ先生という方が亡くなられました。教えを受けた子たちも、あなたたちのお兄さん、お姉さんたちにいるかもしれないから、お知らせしてください」と、しばらくして亡くなられたそうで、どうにもできないのだけれど、遠い昔にお世話していただいた先生が、もうこの世におられないなんて、何だか実感はありませんでした。
たぶん、私は高校生くらいになってたから、急に小1(ショーイチ)の気分に戻れ、と言われても、無理だったみたいです。年賀状も書いてた気がするんですけど、どこかで止めたのかな。わりと早い段階だったのか……。
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木造校舎は寒かったんですよ。ギコギコ床は鳴るし、油引きしてあって、どすぐろいフロアーで、よく昔の校舎のゾーキンがけ、というのをたまに見たりするんですけど、そういうのが私の木造校舎にはありませんでした。
冬は、石炭ストーブで、当番の子がバケツに入れられた石炭を取りに行った。点火は先生のお仕事で、石炭の追加も、先生だったかな。火の管理は教員がしなきゃいけなかった。
たぶん、ボクたちは、一階だったと思うんだけど、六クラスだから、四組だったら下かな。いや、四組だから、下だったかな。たぶん、一階でした。二階から外を見たという記憶はありません。いや、窓から外を見たことさえ記憶していない。
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どうしてそんな曖昧なことを書こうとしてるんです。そんな、何にもならないじゃないの!
そうなんです。子どもの世界を取り戻したかっただけかもしれない。
でも、何一つ記憶にない。ただ、木造校舎の西側にポットントイレがあって、ここは見事に階段の現場で、ずっと怖かった気がします。だから、小1の頃は、トイレに行ったかどうか。たぶん、行ったと思うんだけど、おっかなびっくりでした。東側は、給食の調理場があって、そこに全学年がやって来るから、一日にお昼だけ、大きなオニーサン、オネーサンが来てたんですね。その隣には小さなお庭があって、小さい頃は植物に全く興味がなかったけれど、誰かが何かを作ってて、そこで何かが生まれる楽しさは共有していました。でも、まるで働きもないし、興味もないので、小さな池で何かいるのだけが楽しみだったかな。
ああ、つまんない。オッサンが何を書いてんだよ。という感じ。