甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

名古屋で、ピカソの青の時代です! 

2016年02月11日 07時50分51秒 | わたしの好きな絵!
 奥さんと一緒ということで、出発が少し心配です。今のペースで行けば、10時ちかくになりそうだけど、とにかくホンワカした気持ちでお出かけしなくては!

 名古屋に何をしに行くか、あまり強い主張はありません。私はお付きの者としてついていきます。おもしろいこと、あればいいんですけど……。とにかくいい天気で、春の日ざしがあふれています。

1 風光る ネコのテレビを見る母子




2 名古屋へと 行くのに洗濯する妻と 気長に出発しようとする我

無理矢理俳句みたいなものでした。失礼しました。



 愛知県美術館に「ピカソ 天才の秘密」ということで、青の時代に注目して、世界各地から作品を借りてきて、私たちに提示してくれていました。

 この絵は、解説にもありましたが、仏像のポーズみたいで、お顔も仏様みたいで、とてもやさしい感じでした。こういう柔らかな感じの絵を20代前半は描いたそうです。ピカソさんは十九世紀末のお生まれで、20世紀から20代ということらしくて、時代とともに作品活動をしてきたらしいのです。

 20世紀になりたてのころ、世の中は不安定だったのかもしれませんね。このころに取り上げた人物たち、色合い、構図など、どれもあまり幸せではないかもしれない人たちが作中にあって、一見するとかなしい感じがあるのです。どうして一見すると暗い印象の人たちを描いたのでしょう?

 そりゃ、20代前半って、楽しいことはあまりないですよ。自分がいつ死ぬかもわからないし、自分としてやってきたことは何もないし、お金はもちろんない。仕事は何をやっているんだか、行く先が見えない。どれをとっても楽しいことなんてないのです。不安とイライラと、ひもじさと、不幸が自分のところに集中する感じです。……もちろん、20代にしかできないことはそれなりにするのですけど、その時は、それはしあわせだとあまり感じないのかもしれない。

 かくして、20代の人たちは、あまり人生の深い淵の方は見ないこと、知らないことにして、自分にはやらなきゃいけないことがたくさんあるのだと使命感を燃やし、エネルギーを爆発させるのです。それをはたから見ていると、元気だし、何も考えてないように見えるし、楽しそうに見えるのです。

 自分の20代は、エネルギーの吐き出し口が見つからなくて、ただ悶々としていたような気がします。それをはたから見ていると、のんきに彼女に会いに東京にホイホイ行ってばかりで、将来のことなんか考えないダメ息子として映っていたような気がします。母なんかはそう思ってたと思います。まあ、今も昔も、ノホホンとはしているんですけど、とにかく周囲の人をイライラさせたのは確かです。

 本人はそうではないけれど、はたから見たら、そんなもんでしょう。



 ピカソさんは、悶々とした気持ちを、とにかく人物たちの本質を描きたいと取り組んだのではないかと思われます。構図とか、不自然さとか、様式的とか、そんなことはどうでもいいのです。

 とにかく、やさしい女の人を描きたい。横顔で挑戦しよう。手なんかあげていると、不思議な空間が、微妙な空気感が出てくるなあと女の人を描きました。

 女の人と女の子、これも横から見た感じで描いてみよう。絵としては不自然なところもあるが、とにかく2人のつながりみたいなのを、静かな空間に置いてみたい。さあ、何が見える。何とは言えないけど、何かおもしろいだろう。という感じです。成功しているように思います。



 そして、なんと愛知県美術館所蔵のピカソ。写真で見ると、不気味な女の人のように見えます。背景も暗いし、なんだつまらないという感じです。でも、実物を目の前にすると、何だか不思議な落ち着きがあります。ピカソさんの目の前にいたモデルさんが絵の中に入り込み、100年後の私たちを照らしているような、これも観音様などを拝むときの、あのありがたさというのか、力がある絵だと思いました。

 キレイな絵では無いかもしれませんが、20代のピカソさんのまなざしが絵の中から伝わってくるようです。

「あなたは何の人? 今は何をしているの?」
「ハイ、私は、はるばる名古屋まで来て、ピカソを見ているオッサンです。」
「……?」

「何となく、いいかげんな気持ちで名古屋に出て来ましたが、あなたを見て、自分は何をしているんだろう、と思いました。あなたが、私に、自分のことを考えさせてくれているような気がします。私は、何がしたいんでしょうか。

 とにかく、何となく風邪気味で、頭が重いようです。家に帰ったら早く寝て、仕事を頑張って、誰かのためになるようなことをして、だれのためにならなくても、とりあえずお金は稼ぐことにして、家族ともっとお話をして、自分というのを考えたいと思います。」

「そうなの。せいぜい頑張って! 私は愛知県にいるんだから、また気が向いたら会いに来て! あなたが頑張ってるという報告を聞かせてもらうのを楽しみに待っているわ。」

ああ、そんな感じの絵でした。これから風邪で寝込まなきゃいいんですけど、何もかも見透かされてしまった!?



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