2014年の8月、18キップで柳田国男(やなぎたくにお)さんの故郷の兵庫県の福崎町というところに行きました。
記念館の前の池では、カッパの人形さんがいて、このカッパさんの目の前に何かが池から浮かび上がる仕掛けになっていたけれど、何が浮かび上がってきたんでしたっけ。もう忘れてしまった。
たくさんのギャラリーが作り物の仕掛けを待ち、上がってくれば、納得すればいいのに、またもう一度とじっと見続けていました。あの人たちは、みんなお車で来られた人みたいで、いつ帰ってもいいし、見たいだけ見られるようでした。まあ、記念館に入ってあれこれ見るよりは、見栄えはしたのかもしれません。
6年前、私はただの電車の旅ということで、こちらに来させてもらいました。柳田先生の作品は、中学生の頃から好きではありました。
ちゃんと読み終えたことがないのが辛いところだけど、今もその当時のまま、開かれもしなかった本たちがウチにあります。連日の猛暑で二階に並べられている本たちを持ってきたら、体温よりもあたたかくなっていて、こんなに暑いところで蒸されて、本当にかわいそうになりました。
でも、それなのに読んであげていない。その方がもっとかわいそうなのかな。
1973から1974年にかけて、阿倍野の旭屋書店というところで買ったと思われます。お金もないのに、なかなか読めてないのに、立て続けに買って、自分の中の民俗学を盛り上げようとしたみたいです。すべて角川文庫版で買いました。(当時は、岩波文庫さんで柳田先生の本は出てたでしょうか? ひっょとして出てなかったかもしれない。岩波文庫は敷居が高かったんです!)
ですから、新潮文庫版しかなかった「遠野物語」は今もウチにはないし、あとからちくま文庫で買ったりもしたけれど、もうずっと中学生の時の私から借りてる本しかありません。
お小遣いも少ないのに、本を買おうとしていたみたいです。読みもしないのに。民俗学に燃えてたのかな。人から話を聞きだすこと、あまり得意ではないのに、大事な作業である、というのは認識してたんでしょう。昔も今も独断専行の私ですけど、人から話を聞かせてもらいたいというのはずっと思っています。
・こども風土記……100円。
・日本の昔話……140円。
・日本の伝説……140円。
・地名の研究……200円。316頁。少しぶ厚い。
・日本の祭……140円。232頁。
・一目小僧その他……260円。348頁。
・海南小記……180円。272頁。
この7冊以外にあと一冊『雪国の春』というのもありました。全部で8冊。
中二くらいから、NHKの通信高校講座というのを聞き始めて、現代詩とか、夏目漱石とか、好きになっていったんですけど、当時はよくわからなかった柳田国男さんを、目で確かめてみようと、本屋さんで見つけた角川文庫で奮発して少しずつ集めていったようで、『雪国の春』は、特にラジオで取り上げられていた「清光館哀史」の部分を読みたくて、買ったはずです。
そこだけは読んだはずですが、当時はイマイチわからなかった。
こんなオッサンになって、「清光館哀史」だなんて、今さら遅いよ、と思うのです。でも、ものの始まりに遅い早いはなくて、思い立ったが始め時なんだから、少し読み返さなくちゃと思うのです。
ボクは、そういうところからもずっと細い糸を伸ばしてきてたんですね。もう切れそうなんだけど、糸を紡いで、これからにつなげてみますか。いや、どこまで伸びるかではなくて、今、その糸はどんなになってるのか、見るだけでいいですか。
1 あの道を曲がればおんなの盆踊
2 なんとなれ女の口説く盆踊
3 夏の月歌だけで続く踊りかな
★ 今朝も早起きして4時でした。すごいねえ。