甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

橋弁慶山って、ユニークなんですね! 雨降ったらどうするの?

2014年07月22日 22時19分16秒 | 町並みを行く!
 京都の祇園祭は、私はなかなか縁がありませんでした。そして、ものすごく暑いだろうなという強い印象がありました。だから、忙しさにかまけて祇園祭から目を背けて、ニュースやテレビでどんなに騒がれていても、私には関係のないことだと割り切って、知らぬ存ぜぬでやっていました。もちろん、心のどこかでは引っかかっていましたが、行きようがないのです。

 昼間は暑いけれど、宵宮なら楽しいんじゃないの? と、いつも私は思っています。この年になっても……。そして、夜に京都の町を歩くのなら、だれかと一緒でないといけませんし、ウチの奥さんしか行ってくれる人はいません。でも彼女は人混みはキライで、しかも夜に歩いていたとしたら、きっと「帰りはどうするのよ」と言うでしょう。確かに、そうかもしれないけれど、もし行く気があるのだったら、京都に泊まってみようとか提案してくれたらいいのに、「どこに泊まるのよ! お金はどうするの?」と、いかにもそれは不可能みたいな感じで、はなっから行ってくれそうにない感じです。

 そうです。祇園祭は、私に関係のないものでした。それなのに、たまたま年に1回だけ黒田清輝さんの作品を日本国内のどこかで展示していて、今年はたまたま京都で開かれていて、しかも21日が最終日ということで、黒田清輝さんに引かれて1人で京都に出かけました。大船鉾(おおふなほこ)が150年ぶりに復活したというニュースを見ていましたが、それはやはり私に関係のないことだったのです。

 JR京都駅を降りて、すぐに地下鉄に乗り、2つ目の四条で地上に出ました。ビル街なので、暑いです。でも、四つ角のところにちょうちんが下がっています。祇園祭のしまい忘れかなと思い、とりあえず写真を撮ってみようと、そちらに向かいました。

 本当は烏丸(からすま)通りを北へ上がらなければいけないのに、つい提灯につられて南に下がる。すると、そこで現在の山車(だし)の位置が描かれている案内板を見つけました。メインの山鉾巡行(やまぼこじゅんこう)は何日か前に終わっていますが、

 「ひょっとして祇園祭はまだ続いている?」

 何だかうれしくなって、今まで足を踏み入れたこともない京都の街中へ突き進みます。角を曲がると、山車が見えました。あったのです! 祇園祭は、まだそこにある! そういえば、みんなそわそわして、南北に人が炎天下の中を歩いています。自転車で走り回る人たち。外国人のお客さん。中高年夫婦など、みんながウキウキしながら歩いているではありませんか!



 アドレナリン全開で歩くので、どんどん山車が近づいてきます。また四つ角にさしかかると、ドラをたたいているはっぴ姿の人がいて、人だかりの方に右折しました。すると、山車の上に二体の人形さんが載っています。片足をピンと蹴り上げているお姿は義経さんで、甲冑姿は弁慶さんです。電線に人形がふれないように関係者のみなさんは、そおーっと建物から山車を遠ざけています。何が始まるというのでしょう。よくわかりません。人形がむきだしで、屋根を片付けているところなんでしょうか? そうすると、人形をとりはずす場面が見られるかもしれないと、野次馬の私は観客に混じって見ていました。







 この山車は、橋弁慶山(はしべんけいやま)という山鉾(やまぼこ)で、何十人かで持ち上げたり、方向転換をしたりできる、さすが義経さんが乗っているだけに機動性があります。収納するのではなくて、まだまだ人々にこの姿を披露しようとしているようです。とすると、このお祭りの関係者のみなさんというのは、町衆で、お仕事をほっぽり出して、お祭り一辺倒でやっているのでしょう。大変だけれど、何だか山車を引き回していると、自分までもが何かいつもと違う人になれそうで、汗も、人の視線も、自分の仕事もいろんなものから解放されて、とても楽しい気分にひたれるだろうなと思いました。うらやましかった。



 だから、せめて軽やかな義経さん、プンと怒っている弁慶さんを撮ろうと、写真を撮ってお祭りに参加した気分になろうと、何枚か撮りました。そのほんの20分くらいの時間、これで私はウキウキできました。そして、黒田清輝さんを見に来た私なのですが、とりあえず黒田清輝さんを見たら、またこっちに戻ってこようと、ゴハンも食べず、お茶を少しだけ飲んで、黒田清輝さんは、イマイチ魂が入らずに見てしまって、もう義務的に見ている感じでした。祇園祭の最中の京都で、美術鑑賞するというのは、なかなかむずかしい、落ち着かない作業だと思いました。

1 陽炎や 片足ピンで角めぐる



2 ビル熱も 気になるものか 後祭り



3 橋弁慶 カメラと歓声夏帽子




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