なるべく身の回りをかたづけておきたい、という気持ちを持っています。でも、根っからのナマケモノなので、つい物の管理がいいかげんになる時があります。大事な物なのにどこかに置いて、そのまま忘れてしまう。
今朝から、日記と何でもない文章と読書メモなど、私個人のあれこれが入ったUSBメモリが見つかりません。あちらこちら探したのに見つからず、何だか落ち着きません。自分のつまらないことが書いてあるだけなのに、このつまらないことにものすごく愛着があって、見つからないとハラハラです。
とはいうものの、見つけるためには(見つからないことを覚悟しつつ)、大掃除が必要で、今日一日かけてもいいくらいです。
それで、その前に、2つの本のことを書いておきます。
1 異邦人 世界の辺境を旅する/上原善広(2012単行本→2014文庫本 文春文庫)
著者の「日本の路地を旅する」という本を以前読みました。それで、11月に大阪に出かけたとき、たまたま本屋で見つけて、そのまま買って、年末にやっと読み終えました。
内容は、とても行動的なこの人が、国内だけではなくて、国外でも、通常の旅行者が出かけないところへどんどん入っていって、そこでのレポートが書いてありました。
行き先は、パレスチナ・ガザ地区、イラクのバクダッド、スペインとフランス国境の被差別民カゴを訊ね、ネパールの反政府組織地帯のカースト底辺の人々、シチリア島とコルシカ島、サハリンの少数民族など、私たちの知らないところで大変な暮らしをしている人々を訪ね、その姿を伝えています。
どうして、こんな卑しめられた生活があるのか、なぜこんなに押し込められた生活をしなくてはいけないのか、どうして人間は、他者・他人・他民族をのけ者にして、虐げてしまうのか、人間というのは、結局、差別してしまう性を持った生き物であって、それは仕方がないことなのかなど、あれこれ思うのです。
でも、意外と人々はしたたかで、どんな状況にあっても、たくましく生きているので、それで少しは救われます。けれども、このままではいけないが、自分は何もできないけれど、とにかく知らなくては何も始まらないので、とにかく、そこに虐げられた人々がいて、私はその存在を知ってしまったわけだから、何かお役に立つことがないものかと思うことができます。
上原さんの取材力にも感動します。読みながら、柳田国男さんや宮本常一さんたちのような、聞き書き研究者たちのことが思い出されました。とにかく、現場に行き、話を聞き、それを伝える。そこから新しい波が次第に起こるのです。放置したままだと、それは消滅するかもしれないけれど、とにかく行き、聞いて書く。この姿勢が大切なのですね。学びたいと思います。きっと、何か生まれるのではないかと思います。フォロワーもたくさんいるでしょう。
2 放送禁止映像大全/天野ミチヒロ(2005単行本→2009文庫本 文春文庫)
今年、読了第1号がこの本でした。ウルトラセブンの第12話が欠番になったのは知っていました。最初の放送では流されたお話の中に、ケロイド宇宙人というのが出てきて、その姿が被爆者と関連づけられていて、被爆者団体からクレームが来たというのです。確かに現在の人権感覚からいけば、それが放送で流されて良くないだろう、というのは想像がつきますし、見た人にはそれなりの評価をされていて、見たい気持ちはあります。
でも、今は見られないのだったら仕方がないという気もします。当時、私はウルトラマンまでは絶対欠かさず見ていたのに、ウルトラセブンでは、時々見ていないことがあって、どういう事情だったか、まるでわからないですが、本放送の時に見ていなくて、たぶん見たとしてもおぼえていないでしょう。どういうわけか、情熱が薄れていました。
それで、それ以外にも、たくさんの放送禁止・封印された映像というのがたくさんあって、皇室・過激な性風俗・過激な描写などによって、多くの作品が封印され、時にはDVDなどでよみがえりもするけれど、大半は消えたまま戻ってこないものというのがたくさんあるようでした。
著者は、ジブリ作品や、デイズニー、ハリウッドメジャーなどは一切見ないそうです。見るのは、へんてこな映像ばかりで、そういうのを選んで見ているオタクさんらしい。でも、極めている人なので、こうした本まで書けてしまった。そりゃもう、すごい情熱でたくさんのマイナー作品・封印された作品を掘り起こしています。
私は、著者がやるような映像鑑賞はとてもできないですが、これほどに封印された作品が、あるのだとその数に驚いています。きっと、今後も本放送で流れた番組が、以後封印されるものは出てくるでしょう。ですから、なるべく広い視野で、消される作品を生む社会というのを見ていきたいと思います。
明るくカラッとしているようで、今の社会はどこへ向かっているのかイマイチ私にはわからないので、なるべく目を光らせて、耳を立てて、アンテナを立ち上げ、生きていきたいです。
今朝から、日記と何でもない文章と読書メモなど、私個人のあれこれが入ったUSBメモリが見つかりません。あちらこちら探したのに見つからず、何だか落ち着きません。自分のつまらないことが書いてあるだけなのに、このつまらないことにものすごく愛着があって、見つからないとハラハラです。
とはいうものの、見つけるためには(見つからないことを覚悟しつつ)、大掃除が必要で、今日一日かけてもいいくらいです。
それで、その前に、2つの本のことを書いておきます。
1 異邦人 世界の辺境を旅する/上原善広(2012単行本→2014文庫本 文春文庫)
著者の「日本の路地を旅する」という本を以前読みました。それで、11月に大阪に出かけたとき、たまたま本屋で見つけて、そのまま買って、年末にやっと読み終えました。
内容は、とても行動的なこの人が、国内だけではなくて、国外でも、通常の旅行者が出かけないところへどんどん入っていって、そこでのレポートが書いてありました。
行き先は、パレスチナ・ガザ地区、イラクのバクダッド、スペインとフランス国境の被差別民カゴを訊ね、ネパールの反政府組織地帯のカースト底辺の人々、シチリア島とコルシカ島、サハリンの少数民族など、私たちの知らないところで大変な暮らしをしている人々を訪ね、その姿を伝えています。
どうして、こんな卑しめられた生活があるのか、なぜこんなに押し込められた生活をしなくてはいけないのか、どうして人間は、他者・他人・他民族をのけ者にして、虐げてしまうのか、人間というのは、結局、差別してしまう性を持った生き物であって、それは仕方がないことなのかなど、あれこれ思うのです。
でも、意外と人々はしたたかで、どんな状況にあっても、たくましく生きているので、それで少しは救われます。けれども、このままではいけないが、自分は何もできないけれど、とにかく知らなくては何も始まらないので、とにかく、そこに虐げられた人々がいて、私はその存在を知ってしまったわけだから、何かお役に立つことがないものかと思うことができます。
上原さんの取材力にも感動します。読みながら、柳田国男さんや宮本常一さんたちのような、聞き書き研究者たちのことが思い出されました。とにかく、現場に行き、話を聞き、それを伝える。そこから新しい波が次第に起こるのです。放置したままだと、それは消滅するかもしれないけれど、とにかく行き、聞いて書く。この姿勢が大切なのですね。学びたいと思います。きっと、何か生まれるのではないかと思います。フォロワーもたくさんいるでしょう。
2 放送禁止映像大全/天野ミチヒロ(2005単行本→2009文庫本 文春文庫)
今年、読了第1号がこの本でした。ウルトラセブンの第12話が欠番になったのは知っていました。最初の放送では流されたお話の中に、ケロイド宇宙人というのが出てきて、その姿が被爆者と関連づけられていて、被爆者団体からクレームが来たというのです。確かに現在の人権感覚からいけば、それが放送で流されて良くないだろう、というのは想像がつきますし、見た人にはそれなりの評価をされていて、見たい気持ちはあります。
でも、今は見られないのだったら仕方がないという気もします。当時、私はウルトラマンまでは絶対欠かさず見ていたのに、ウルトラセブンでは、時々見ていないことがあって、どういう事情だったか、まるでわからないですが、本放送の時に見ていなくて、たぶん見たとしてもおぼえていないでしょう。どういうわけか、情熱が薄れていました。
それで、それ以外にも、たくさんの放送禁止・封印された映像というのがたくさんあって、皇室・過激な性風俗・過激な描写などによって、多くの作品が封印され、時にはDVDなどでよみがえりもするけれど、大半は消えたまま戻ってこないものというのがたくさんあるようでした。
著者は、ジブリ作品や、デイズニー、ハリウッドメジャーなどは一切見ないそうです。見るのは、へんてこな映像ばかりで、そういうのを選んで見ているオタクさんらしい。でも、極めている人なので、こうした本まで書けてしまった。そりゃもう、すごい情熱でたくさんのマイナー作品・封印された作品を掘り起こしています。
私は、著者がやるような映像鑑賞はとてもできないですが、これほどに封印された作品が、あるのだとその数に驚いています。きっと、今後も本放送で流れた番組が、以後封印されるものは出てくるでしょう。ですから、なるべく広い視野で、消される作品を生む社会というのを見ていきたいと思います。
明るくカラッとしているようで、今の社会はどこへ向かっているのかイマイチ私にはわからないので、なるべく目を光らせて、耳を立てて、アンテナを立ち上げ、生きていきたいです。