私はもう彼女の情熱に感心しています。
季節の変化とともに、模造紙の上にいろいろなテーマで切り絵を作っているようです。
春をアピールするために、彼女は梅の花とうちの庭にやってくるトリたちを作りました。
最初はメジロ。こういうかわいい感じなのは、わりと彼女は簡単に作れるのだと思います。その辺の才能があります。だれかにスカウトしてもらいたいくらい。
次は、ようやく咲き始めた梅の花を、食べてるのかかきむしっているのか、乱暴なことをするヒヨドリたち。
私は、どんなに乱暴されても、わりと平気なんですけど、彼女は少しイラッとするらしい。とはいうものの、リンゴの皮を切り刻んであげたり、くさったミカンを木に刺してあげたり、この割とイジワルな訪問者に対して、大サービスをしてあげている。
私は気まぐれで、たまに思いついた時くらいしか、ミカンとかあげていない。元から貧乏性の私は、トリにあげるミカンが惜しくなってしまうのでした。ああ、みみっちい。
最後に出来上がったのがジョウビタキで、オスを丁寧にデッサンして、配色を考えて、シルエットを決めて、切り出して、画用紙を貼り付けて、あれこれしていました。
メスはあとから作って、ふっくらしているのが冬らしいということで、まるで最後に彼女が現れたような、そんな気配の女の子のジヨウビタキさんでした。
デザインするだけではなくて、習性とかいろんなことも知っていて、近年の彼女のトリ博士ぶりには感服している私なのです。
いやあ、たいしたもんだ。