今日、朝から夜になるのが楽しみでした。晴れていたし、そんなに寒くならないというし、月食は見られそうでした。
18時くらいから2時間足らずというので、始まりのころに行かせてもらえれば、月食になっているんでしょうか。でも、もしかしたら、月食しながら上ってくるということでしたから、昨日みたいに満月みたいなのがポッカリ浮かぶのではなくて、三日月からスタートしてだんだん月が大きくなるのを見せてもらうらしい。
私は、近所の浜をめざして歩いていました。東から、海のどのあたりからかわかりませんけど、とにかく愛知県なのか、伊勢湾の開いたところなのか、どこからか月が昇ってきて、海にキラキラが見える、そういうイメージで海に向かっています。
でも、いつだったか、そういうお月さんを待ってたら、水平線のかなたに月が出ても、明るくなりませんでした。
春だったかなあ、まだ空が明るくて、太陽は西に沈んだんだったかどうか、たぶん、あれが月なんだけど、まるで光がないじゃないの! という感じで、しばらく静かに空に上がって、太陽が沈んだらおもむろに光り出すという、やたら控えめな満月というのを見たことがありました。
あれと同じだったでしょうか。
海に向かいながら、東の空には雲がうっすらひかれている感じで、ボンヤリしていました。たぶん、あれが月だろうし、もう三日月なのか、食になってて赤いのか、それとも雲にさえぎられているだけなのか、はっきりわかりませんでした。
月が出る直前の西の空は、
こんな感じだったんですよ。もう期待してたのに、東の空には雲なのか……。
でもいいや、とにかく海まで歩いて、そこでしばらくお月さまを見たら、帰って来よう、そんな、2時間近くずっと待つわけにはいきませんでした。
奥さんがいたとしても、「寒いから、もう帰ろうか」ということになるし、「ゴハンが遅くなったら、寝るのが遅くなるでしょ。すべて後ろに響いてくる」なんて言われるだろうし、それが普通の大人の考え方というものでした。
お月さんを見ていて、それで何かの得になるわけではないし、生活が改善されるというのでもなかった。ただの酔狂でした。
四月の満月は、そんなに寒くなかったし、これからどんどん楽しいことが起こりそうな気がしていました。確かにコロナは厳しい状況だったけれど、あの時はウキウキするものがありました。
それが今は、コロナも落ち着いて、月食も見られるというのに、そんなにウキウキした気分はありませんでした。
ただ、何となく、空が見せてくれる不思議な現象を見させてもらおう、あんまり味わえないかもしれないけど、とりあえず参加だけしてみよう、そういう感じでの参加でした。
そして、月はもうほとんど見えなくて、三日月が見えるだけだった。私なんかには、ただの三日月にしか見えなかった。少しずつ大きくなるのは知ってるんですけど、それが我慢できなかった。ああ、私って、ものすごく短気ではあったんでした。あまり人に見せないようしてるつもりなんだけど、友だちは知ってるみたい。やはりバレていたのか……。
それで、せっかくの月食、ただ浜辺に三日月を見たというだけで終わったんですね。
1 月食の赤き部分のまろみかな
2 三日月が上にひろがり海の上
3 堤防の影の男女の右左
4 月食や波打ち際の人かげ
5 月食や堤防から浜ごしに見る