島田駅から金谷、菊川、掛川とたったの3つの区間なのに、ものすごく雨が降っている場所がありました。私が通過したあとに、電車も止まるくらいに菊川あたりに雨が降り続いたようでした。
地図で確認すると、新幹線は何も言わずにまっすぐに走っていくのに、東海道線は右へ左へと方向を変えていて、島田から牧ノ原台地を突っ切るとか、台地の上を無理無理走るとかすればいいものを、昔っからの路線なので、わりと地形に従って走っている。
だから、大きく迂回しているように見えて、車窓の景色も変わっていく。それは今だからそう思えるけれど、同時としてはもどかしかったでしょう。もっとストレートに行きたいのに、工事の都合・土地の売買・有力者の力・集落を縫って走らねばならないなど、いろんなことがあって、線路はまっすぐに走らされなかった。
根幹となる路線なので、もっと合理的に、無駄がなく計画されているのではなかった。昔も今も、ルートづくりは大変です。まっすぐには行かないものである。
掛川駅は、雨でした。北側にも駅舎はあったと思いますが、あまり印象はありません。小さな駅舎でした。新幹線が走っている南側は、お城を意識したデザインで、電車に乗る人たちにお城みたいなデザインを見せてどうなるものでもない、と思われますが、とにかく東海道線のホームから、お城に行く気分にはさせてくれます。地元の人はどう思っておられることか……。
そこから北側をトコトコ歩きました。雨は止んだようでした(……そう思いたかったのかも)。
駅からの道のそばに、観光地らしき建物がいくつか、おみやげやさんみたいなのもいくつか、たぶんメインストリートのはずだけど、地元の人を相手にするお店が見つからない。南北のルートは観光用としても、旧東海道とか、東西は地元の人のお店があればいいのですが、そういう感じのお店を見つけることはできませんでした。たぶん、どこかにはあると思うのだけれど……。
一緒に北をめざす若者グループ、この人たちはお城の入り口から入っていきました。あとから来たおねえさんは、彼女もお城かなと思ったら、そのままずんずん歩いて行ってしまいます。
私は、雨も降り出して、傘を差しながら、天守閣までは行こうと思います。何しろ木造の天守閣なんですから、お城の気分、お殿様の気分をあじわえるでしょうか。
アプローチは、こんな感じで、少しコンパクトなお城です。山内一豊(やまのうちかずとよ)さんがここを建てたとかいう話ですけど、それを復元するなんて、たいしたもんだと、立ち止まり、立ち止まりしててっぺんまでたどりつきました。