先日、ゴールデンウィークのある日、奥さんのオススメで窯元さんにいきました。
そこで人生初のキーウィーの花を見ました。そりゃ、果物だから、花が咲いて、それが実になるはずです。年中見るチャンスがありますけど、それは温室だったり、南半球からだったりして、途切れないように世界から届けてもらっているから、一つが二百円以下で手に入るわけでした。
日本では、夏に採れる果物のようでした。昔、お仕事の大先輩がご自宅でとれたキーウィーを持ってきてくださったことがありましたけど、あれは一つ一つが小さくて、何だかもらってもいいけど、めんどくさそう、とか思って、ほんの少ししかもらわないことがありしたけど、何だか失礼でしたね。もっとワイワイ言いながらもらえばよかったのに、つい本音が出てしまう。
めんどくさがりやの私は、何事につけても、面倒なのは敬遠していることが多いようでした。そんなのとっくにばれてる。ばれてから、あとでグサリと指摘されて、今まで隠してきたつもりだったのに、ばれてたのかとガックリくるのでした。
みんなからは見え見えだった。
ミカンの花は、とてもいい匂いをさせています。
いやなことはすべて忘れてしまえるし、とても穏やかな気持ちになれる。でも、私は今、いやなことって、あったっけ? まあ、つまらないことしか、いやなことがないですね。あまり深く考えてないから、深刻な悩みもないみたいです。
ただみかんの花の匂いに浮かれているだけかな。いや、みかんは花の時も、小さな青い実の時も、大きくなってみかん色になった時も、ずっと楽しませてくれるから、ぜひうちの庭に植えたいんだけれど、残念ながら、よそから見るだけです。
いつか、みかん畑のオーナーになれたなら、畑の近くに小屋を建てて、一晩中みかんの匂いを感じて寝るでしょうか。そんな夢を持ちますが、夢で終わるかもしれない。
夢の話を最近書いている気がします。
同じようなところに、いちじくの木があるところもあります。残念ながら、「無花果」と書いて「いちじく」だから、花は咲かないんですね。
でも、どういうわけか、木のまわりはいちじくの匂いがする。これまたいい感じで、陶然となってしまいます。まわりの人に「どうしたの?」とか、「変な匂いだね」なんて言われるのが怖くて、なるべく知らんぷりをしていますが、いちじくの匂いも不思議です。
みかんは、昔の人の匂い、恋の匂い、追憶の匂い。
いちじくは、不思議な果肉の匂いがします。果実がなくても、木のどこかから匂う。嫌いな人や、無関心な人には、何とも思われない匂い。
キーウィーの花は、オスの花から何にもアプローチがないのか、放置されてる感じ。虫たちがサポートしてあげなきゃいけないけど、たまたまここには虫たちも、オスの花もなかったのです。無味乾燥で、果実そのものなのに、手持無沙汰でメスの花たちはボンヤリしていました。
みんな食べたくなりますね。さっき夏ミカンは食べたんですけど……。