久しぶりに「自然とことば」です。四か月ぶりくらいです。どんな自然と出会えるのやら……。
9【( )で鯛(たい)を釣る】……わずかな労力や金品で、より大きな利益を得ること。
→タイのエサは? 甲殻類?
10【( )肌】……ざらざらしてかわいた人の肌。
→関西では「フカ」と呼び、因幡(いなば)の白うさぎの皮をむいたときには「ワニ」と呼ばれたこわーい(獰猛(どうもう)な)魚は?
11【( )ほこ張る】……いかめしく構える。緊張してかたくなる。
→クジラでも群れで襲って食べてしまう白黒の魚と、お城のてっぺんでそっくり返っている想像上の海獣とがありますが、漢字は同じ「鯱」です。
12【( )腹(ふく)食べる】……腹いっぱいに食べる様子。
→それほどにお腹のふくれた魚なのか、確かに少しお腹はぷっくりしているかな。いや単なる当て字なのか、だれかの発明? 寒いところで獲れるサカナであるのは確かです。岩手県出身のうちの奥さんは、西日本ではろくな……を食べたことがない、といいます。このサカナのいいのは回ってこないんだ。
13【( )のつまり】……あげくのはて。結局。
→成長するにしたがって何度も名が変わる魚を出世魚といいます。この魚は、オボコ→イナ→ボラ→最終呼称の○○と名前が変わる。その卵巣の塩漬けはカラスミといい、高級で、おいしいそうです。シラコがおいしいからとふぐはオスだけを養殖したり、このサカナはタマゴを珍重したり、日本の食文化って、こだわりというのか、味を求めてしまうんです。
14【(ご )の歯ぎしり】……力の及ばない者がいくら憤慨しても何にもならない。
→片口いわしの干した物を何という? 自分のことを言われているようで、わりとこのことばは好きですね。そして、反省材料にもなります。
15【尾( )をつける】……誇張すること。
→話がひとり歩きをすると、エッセンス・魂などの肝心な部分は抜けて、余計な推測や勘違いが付随してくる人間世界のむずかしさを表現したことばです。
16【魚心(うおごころ)あれば( )心】……相手の出方しだいで、こちらにも応じ方がある。
→魚に心があって○のことを思うなら、○もその心をくみとるだろう。このことばは時代劇のワルイ奴らのセリフみたいで、いやになってしまうけれど、本来はいい意味というか、お互いを察しなさいという意味だったのかも。
17【かま( )】……わかりきっていることを知らないふりをして、上品ぶって、うぶな[純情・素直・生真面目な]マネをしてふるまうこと。
→あるお嬢さんが蒲鉾(かまぼこ)を「これはオ○○(〓魚)?」と聞いたことから。近ごろカマボコは、お正月だけしか食べられていないような気がします。いや近ごろの私は、週一くらいで食べてますよ。妻は「練り物好き」と私を評します。そう言われると抵抗したくなるけど、素直に認めてしまおう!
★ 解答 9・海老(えび) 10・鮫(さめ) 11・鯱(しやち)
12・鱈(たら) 13・とど 14・ごまめ
15・鰭(ひれ) 16・水 17・とと