夢*想*花

人生○○年!!今までは家族のために頑張った。
これからは、自分のために楽しい、好き、糧になるを目標に過ごしたい。

* 読書 *

2014-07-06 22:15:13 | 読書
第150回直木賞受賞作の、朝井まかて作「恋歌・れんか」を読みました。

    君にこそ恋しきふしは習ひつれ
           さらば忘るることもをしへよ


幕末の江戸で熱烈な恋を成就させ、天狗党の志士に嫁いで水戸へ下った中島歌子。
だが、内乱の激化にともない、彼女は夫から引き離され、囚われの身となった。
明治の世に歌塾「萩の舎・はぎのや」を主宰し一世を風靡した歌子は、何を想い、胸に秘めていたのか。
  (帯封 解説より)

久しぶりに面白い小説でした。
徳川幕府崩壊の中で、時代にほんろうされた人々の哀説が身に詰まされます。
「勝てば官軍」の風潮の中で、最初は官軍に属していた水戸の天狗党が、諸生党により藩の内紛を公儀・朝廷への反逆にすり替えられていつの間にか賊軍とみなされます。

幕府軍と諸生党によって、天狗党は敗戦し一家皆殺しの憂き目にあい、中島歌子の主人も死にます。
牢に捕らわれた天狗党の家族は、幼い子供まで首を打たれ悲惨な死を遂げます。
王政復古により天狗党の名誉が回復され、諸政党は幕軍として北越戦争や会津戦争に参加して敗戦して、水戸藩により処刑される。

同じ藩士が争う結果となった水戸藩や朝廷を守護していた会津藩が、薩摩・長州の陰謀で賊軍となって行く経緯は、単純な私には理解できないものがありますが、時代が変わっても戦争が起こると言うことは、このような結末になって行くものではないでしょうか?

先日、閣議決定された「集団的自衛権」にも、憲法9条が骨なしにされ、子供や孫達が戦争に行く羽目になるのではないかと、危惧する一人です。
コメント
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