中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

守りの投資から攻めの投資への脱却を図れ!

2015年04月05日 05時54分30秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 163ページ「図133–1 IT投資に関する捉え方」をみましたが、今日は164ページ「図133–3 ITがこれまでもたらした効果の日米比較」をみます。

下図からITがこれまでもたらした効果の日米比較をみると、米国は「製品/サービス提供の迅速化/効率化」や「社外情報提供効率化/提供量増大」という攻めの投資が多い反面、日本は「社内業務効率化/労働時間減少」や「社内情報共有の容易化」という守りの投資が多いことが分かります。

白書はこの状況について、我が国ものづくり企業が更なる発展を目指す上で、「今ある業務の効率化」など「守りのIT投資」一辺倒から脱却し、市場環境変化への迅速な対応、新規顧客の獲得、新規製品の開発など「攻めのIT投資」へ転換することが求められる、としています。

この背景として、白書は日本はIT関連技術の動向に対する理解不足があるとしていますが、これはどのようなことなのでしょうか。明日、みていきます!

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IT投資の目的に問題がある?!

2015年04月04日 05時00分00秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 159ページ「図132–6 高度人材の確保」をみましたが、今日は163ページ「図133–1 IT投資に関する捉え方」をみます。

白書は、グローバル競争が激化する中で、我が国の経済社会全体における経営資源の有効活用を通じ、我が国産業における生産性の向上を高めることが必要である。

グローバル環境の変化に機動的に取り組むことを促す上では、バリューチェーンの変化の可視化、限られた経営資源の機動的な組換えを可能とするインフラの整備が必須。

ITは企業の経営資源を効率化するだけでなく最大化するものでもある、としています。

これを踏まえ、下図により、IT投資に関する捉え方をみると、我が国ものづくり企業の中でも、IT投資を単なる設備投資ではなく、将来の自社の成長に資する戦略的投資と捉えているものの、その目的はコスト削減や効率化が中心となっていることが分かります。


この状況について白書は、付加価値の高い製品提供などに活用するなどの意識は相対的に低い状況にあることが分かる、とあります。

では、ITがもたらす効果には日米でどのような違いがあるのでしょうか?明日、みていきます!

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企画・提案できる人材が不足している?!

2015年04月03日 05時00分00秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 158ページ「図132–4 M&Aを行う際の課題」をみましたが、今日は159ページ「図132–6 高度人材の確保」をみます。

下図をみると、多くの企業において、付加価値の高いビジネスモデルの考案や製造から販売まで一貫して企画・提案できる人材が不足している実態が読み取れます。

この状況について白書は、企業戦略の多様化・グローバル化(M&A、海外展開等)が進展していく中で、高度な経営判断や管理能力を有したマネジメント人材が求められている、とあります。

特に中小企業の経営者が求めるのがマネジメント人材ですので、この白書の方向性については賛成です。

しかしながら、こういう高い能力を持つ人材とどのようにしたら出会えるのか、そして、どのように雇用すれば互いに成長していけるのか、経営者には人心掌握能力を有しない経営は前に進まないのでしょうね!

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M&Aは資金より人材!

2015年04月02日 05時00分00秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 158ページ「図132–3 企業における人材育成の実態調査」をみましたが、今日は158ページ「図132–4 M&Aを行う際の課題」をみます。

M&Aを行う際の課題をみると、「M&Aを推進するための人材・組織体制の不足」など資金面より人材や戦略策定面を課題とする声が強いことが分かります。

続けて、海外進出する際の課題をみると、「海外で活躍できる人材の拡充」が多いことが分かります。

この状況について白書は、拠点などのハード面よりも人材面を課題とする声が強い、とあります。

まず経営者がM&Aの方向性を明確に打ち出すことにより必要な人材と資金が確保できるのであり、人材面や資金の確保が最初ではないということですが、では、この人材面の確保における状況はどうなっているのでしょうか。明日、みていきます!

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管理職に魅力を感じない?!

2015年04月01日 05時00分00秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 158ページ「図132–2 若手人材の育成が困難な理由」をみましたが、今日は158ページ「図132–3 企業における人材育成の実態調査」をみます。

白書は、事業環境の変化に対応した人材像として3類型を挙げており、その三つ目が「企業価値向上につなげていくマネジメント人材(高
度人材)」です。

下図から人材育成の課題をみると、「管理職層のマネジメント能力の向上」や「将来の管理職を担う中堅社員のレベルアップ」など、中堅社員のレベルアップをあげる企業が多いことが分かります。

この結果は、管理職そのものに魅力を感じていないことが背景にあるように感じますが、白書は企業価値向上につなげていくには企業戦略の多様化・グローバル化が必要であるとしています。

しかし、そこにも課題があるようです。明日、みていきます!

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若手人材の育成は困難な状況にある!

2015年03月31日 05時00分00秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 158ページ「機械との棲み分けを前提に最適領域で活躍する技能工」をみましたが、今日は158ページ「図132–2 若手人材の育成が困難な理由」をみます。

下図の通り、若手人材の育成が困難な理由をみると、「人材育成にかかる知識やノウハウが社内に不足している」、「業務上、人材育成に従事させる余裕がない」と回答する企業が多いことが分かります。

白書はこの状況について、企業内のOJTが十分に機能していないのが現状だと考えられる。そのため、継承・育成に携わる人材の確保やノウハウが求められる、としています。

人材の高齢化が進む中で、技術・ノウハウを企業内の若年層に対して円滑に移転することが求められていますが、企業努力ではこれは難しく、そもそも中小企業の場合には若手人材がいないという根本的な問題もあります。

こういう現状に対してどこの省がリーダーシップを取るのか、ここに注目していきたいですね!

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機械との棲み分けができるのが、技能工

2015年03月30日 05時25分41秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 156ページ「市場ニーズを踏まえた製品を開発し、ものづくり機能の大胆な高度化を可能とするイノベーション人材」をみましたが、今日は158ページ「機械との棲み分けを前提に最適領域で活躍する技能工」をみます。

白書は、事業環境の変化に対応した人材像として3類型を挙げており、その二つ目が「機械との棲み分けを前提に最適領域で活躍する技能工」です。

高度な技能と生産性を武器に機械との分担を行いながら、最適領域(アナログ領域や多品種生産の領域等)で強みを発揮できる人材が求められている。

そのような人材の育成のためには、生産技術の高度化を踏まえ、その上で将来的に求められる技能を特定した上で個々の技能の高度化や深化、熟練工から若手人材への継承が必要である。

まず、個々の技能の高度化や深化のためには「技能検定制度」の一層の普及促進など、個々の技能を適切に、かつわかり易く評価する仕組み作りが必要である、としています。

では、若手人材の育成が困難な理由には何があるのでしょうか。明日、みていきます!

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イノベーション人材とはバリューチェーン全体を見渡せるヒト・・・

2015年03月29日 05時19分43秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 156ページ「図 132–1 各省が一体となりものづくりに携わる人材を育成」をみましたが、今日は156ページ「市場ニーズを踏まえた製品を開発し、ものづくり機能の大胆な高度化を可能とするイノベーション人材」をみます。

白書は、事業環境の変化に対応した人材像として3類型を挙げています。

まず一つ目が「市場ニーズを踏まえた製品を開発し、ものづくり機能の大胆な高度化を可能とするイノベーション人材」で、具体的に以下のような説明を行っています。

単なる高品質の製品でなく、市場ニーズを踏まえた製品を開発することが大変重要である。

そのために、バリューチェーン全体を意識した研究開発ができる人材、また、ニーズを汲み取るうえで、産学官連携や企業間連携を促し、多様な技術やアイデアを組合せて革新的な研究成果につなげられる人材が求められている。

「イノベーションは、マーケットニーズをつかんで初めてイノベーションとなる。良い技術だけでは駄目。」という指摘があるが、開発から販売までを連続的な視点で捉えながら研究開発できる人材の育成とその確保が急務である。

一方で、イノベーション人材は研究開発を行うにとどまらない。研究開発の結果として新しい製品を生み出すだけでなく、その製品の生産プロセスの革新を図り生産性を高めることもまた、イノベーションである。

この点はものづくり機能の高度化として今後の日本の生産拠点の国際競争力に直結する。その上で、ものづくり機能の大胆な高度化を実現するため、暗黙知のノウハウを形式知・組織知に高める取組を主導するなど、生産プロセスのイノベーション、物流や部品在庫の持ち方など、生産システム全体の効率化に取り組む人材(エンジニア)が重要な役割を果たす。

バリューチェーン全体を見渡すことを求めるのは、理想が高すぎるように感じますので、明日。次の人材像をみていきたいと思います!

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ものづくり人材育成と各省の連携

2015年03月28日 07時10分37秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 138ページ「図131-28 知財と標準化の戦略パターン」をみましたが、今日は156ページ「図 132–1 各省が一体となりものづくりに携わる人材を育成」をみます。

下図は、「ものづくり」が必要とする人材を育成するため、各省が一体となっていることを示した図です。

この背景として白書は、国際競争が激化する中で、我が国企業が国内拠点を高度化し、稼ぐ力を強化するためには、高品質の製品製造、カイゼンを通じたコストの低減といった従来の方法を超えての幅広い形での人材育成、市場ニーズを踏まえた製品を開発し、機械と人との最適な棲み分けなどによりものづくり機能を大胆に高度化するとともに、稼げるビジネスモデルづくりに取り組むことが必要となる。

また、グローバルでの環境変化に迅速に対応するための、外部経営資源の活用、グローバルでの円滑な展開が鍵、としています。

そして、これらを実現するために必要な人材像として、
(1)市場ニーズを踏まえた製品を開発し、ものづくり機能の大胆な高度化を可能とするイノベーション人材(研究開発人材、生産技術分野のエンジニア)、(2)機械との棲み分けを前提に最適領域で活躍する技能工、(3)企業価値向上につなげていくマネジメント人材(高度人材)といった3類型の人材が求められている、とあります。

この図にあるとおり、社会人向け、そして「イノベーション人材」、「技能工」、「高度人材」に取り組んでいるのが専ら厚労省であるのは”労”の文字がそうさせているのでしょうか。

いずれにしても学校で育てた人材と企業が求める人材のマッチングや産学官連携の取り組み等は、この省連携が鍵を握るということになりますね!

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オープンと特許を巧みに使い分ける!

2015年03月27日 05時33分41秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書の 137ページ「新しい技術領域の取り込みによる製品の高度化」をみましたが、今日は138ページ「図131-28 知財と標準化の戦略パターン」をみます。

デジタルカメラの場合、周辺のファイルフォーマット等の標準化(オープン化)により消費者の利便性を向上させ、市場規模の拡大につながった。

その一方で、画像処理回路やレンズ等、技術優位部分はブラックボックス化(クローズ化)することによって各社差別化を図った結果、高いシェアを維持するなど事業の成功につながった。

このように標準と知的財産の関係をパターン化し、各々のパターンにおける標準の特徴・特許の活用法について整理すると以下の表のようになります。

国内外企業 300 社超に対する調査によれば、この3パターンを採用する企業の割合は、国内企業は42%にとどまるのに対し、海外企業では 60%に達する。

さらに、国内企業・海外企業ともに、標準化戦略と融合した知財戦略によって「国際競争力が高まった」と認識している企業については、上記3パターンに拠る割合は国内外企業の8割に高まる、とあります。

普及させるための技術はオープンにして標準化する反面、肝は特許で完全に封じ込める。これが強弱の使い方の緻密さがものづくり企業に求められているということですね!

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ルンバから学ぶものづくりとは?

2015年03月26日 04時57分50秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は「2014年版ものづくり白書」の 133ページ「設計・開発プロセスの改革を通じた市場ニーズや技術シーズの取り込み」をみましたが、今日は137ページ「新しい技術領域の取り込みによる製品の高度化」をみます。

白書は製品自体を高付加価値化し、バリューチェーンの上流で稼ぐビジネスモデルとして、「設計・開発プロセスの改革を通じた市場ニーズや技術シーズの取り込み」に続き、「新しい技術領域の取り込みによる製品の高度化」、「設計やデザインの工夫による機能の高度化」を挙げています。

まず「新しい技術領域の取り込みによる製品の高度化」については、新しい技術領域を取り込むことで製品を高度化し、新たな市場を創造する取組である。
高度なセンサー技術を駆使して自動車の自動運転を実現する、新たな機能をもった部素材を開発するなど、高い製品技術・機能の魅力でユーザーを開拓する。
新しい技術領域ゆえに研究・開発に大きなコストがかかるため、コスト回収を見通した周到な製品の普及戦略が求められる。

次に、「設計やデザインの工夫による機能の高度化」については、従来からある製品分野であっても、製品の設計やデザインを工夫することで製品の新たな使い方を提案する、あるいは使い勝手、安全性、意匠性などの「機能」を高度化させ、ユーザーへの訴求力を高める取組である。
ユーザーの声を製品設計やデザインに活かすための情報収集体制の構築や仕組み作りが重要であるとともに、自社の設計・デザインのコンセプトをユーザーに確実に伝えるための情報発信も求められる、とあります。

この具体的な事例として掃除ロボットの「ルンバ」が紹介されており、その文中に、ルンバの使い勝手を考慮した「ルンバブル(Roomba+Able)」な住宅が提供された事例がある、とあります。

ルンバブルとは、ルンバが部屋を掃除しやすいように部屋の環境を変えることとあります。このように製品自体の普及だけでなく、他に波及効果を持つものづくりが求められていることが分かりますね!

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工程を最適化し、高付加価値化を実現する!

2015年03月25日 05時13分46秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は「2014年版ものづくり白書」の 133ページ「図 131-27 ビジネスモデルの分類事例」をみましたが、今日は133ページ「設計・開発プロセスの改革を通じた市場ニーズや技術シーズの取り込み」をみます。

白書は製品自体を高付加価値化し、バリューチェーンの上流で稼ぐビジネスモデルとして、まず、「設計・開発プロセスの改革を通じた市場ニーズや技術シーズの取り込み」を挙げています。

これは自社内(部門間)もしくはサプライチェーン内の他社と、製品の設計段階からすり合わせを行うことによって、製造の上工程から下工程までを最適化し、最終的には製品の高付加価値化を実現することです。

例えば、部品メーカーや治具・工具メーカーが、顧客である完成品メーカーの製品企画・設計の段階から「どのような機能を持った製品を作りたいのか」「どのような製造方法にすれば製品を作りやすく、コストが抑えられるのか」「どのような形状にすると作りやすく、メンテナンスしやすいのか」など、市場ニーズや技術シーズを取り込みながら、製品のライフサイクル全般にわたる最適化を行うことです。

これにより設計・開発プロセスの改革を通じて、製品の品質・コスト・納期を向上させ、製品の高付加価値化を実現することができます。

これはよくあることですが、他にはどのようなことがあるのでしょうか。明日、みていきます!

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ビジネスモデルを検討する際の2つの分類

2015年03月24日 05時31分22秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は「2014年版ものづくり白書」の 133ページ「図 131-26 バリューチェーンと付加価値向上の視点」をみましたが、今日は133ページ「図 131-27 ビジネスモデルの分類事例」をみます。

白書はビジネスモデルの分類事例として以下の表により2つの方向性を示しています。

バリューチェーンの上流部分においては、設計プロセスの改革を通じた市場ニーズ・技術シーズの取り込み、あるいは新しい技術領域の取り込みなどにより、「製品自体を高付加価値化」する取組が挙げられる。

また、バリューチェーンの下流部分においては、製品を使って生み出される様々な便益の新たなプラットフォームの提供、顧客ターゲットの拡大、販売形態の変革、ブランド構築など、「売り方で高付加価値化」する取組が挙げられる。

では、「製品自体を高付加価値化」には具体的にどのような方向性があるのでしょうか。明日、みていきます!
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低下する「スマイルカーブ」!

2015年03月23日 05時05分15秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は「2014年版ものづくり白書」の 132ページ「図 131-25 日本企業(製造業)が有する業務工程」をみましたが、今日は133ページ「図 131-26 バリューチェーンと付加価値向上の視点」をみます。

下図について白書は、デジタル化やモジュール化に伴うものづくりへの参入の容易化や新興国企業の台頭を背景として、バリューチェーンの中流部分である「加工・組立」における付加価値が相対的に低下する「スマイルカーブ」の状況が携帯電話をはじめとするエレクトロニクス産業を中心に発生している。

我が国ものづくり産業において、各企業の「稼ぐ力」を高めていくためには、我が国ものづくり産業の強みであった「高品質の製品を安価に提供する」という加工・組立の優位性に力点を置くビジネスモデルだけにとらわれることなく、バリューチェーンの上流および下流部分での付加価値獲得を意識した事業展開が必要となっている、とあります。

今年度1,700億円の赤字を計上するソニーが、次年度は4,000億円の黒字にするという報道がありましたが、このV字回復の鍵を握るのも、スマイルカーブの起点である「企画設計」にあるということですね。

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中流工程は国内回帰するのか?

2015年03月22日 04時22分50秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は「2014年版ものづくり白書」の 132ページ「図 131-24 利益率が最も高い事業段階」をみましたが、今日は132ページ「図 131-25 日本企業(製造業)が有する業務工程」をみます。

下図により2012年12月に実施した我が国企業へのアンケート調査をみると、我が国の製造業企業が有する業務工程として、上流工程では「研究開発」が94.1%、「マーケティング・ブランド開発」が91.5%、下流工程では「保守・アフターサービス」が80.8%、と相対的に高い水準であるのに対して、中流工程である「部品・半製品の生産」は67.8%、「加工・組立・施工」は71.8%と、相対的に低い水準となっていることが分かります。

この状況について白書は、我が国ものづくり企業において、加工・組立などの中流工程よりもマーケティング、研究開発などの上流工程やアフターサービスなどの下流工程を重視する企業が多くなっていることが示唆される、としています。

先日、エコノミストが円安により生産が国内に回帰するには2年程度の時間が必要と言っていたので、この集計は近いうちに変わっていくと思われますね!

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