報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

私の口癖は「因みに……」らしい

2013-07-17 19:35:39 | 日記
 “ボーカロイドマスター”より。一人称形式をちょっとやってみる実験。

[17:00.どこかの山奥。 鏡音レン]

 GPSがシンディに壊されたこともあって、今ボクがどこにいるか分からない。でも、エミリー姉ちゃんが助けに来てくれたんだ。今ボクが見ている光景は、メモリーにしっかり記録されている。きっと、プロデューサーや財団の皆さん達が解析するんだろう。
 今、2人のターミネーチャンは激しい肉弾戦をしている。
「はぁっ!」
 ゴッ……!!
「やった!?」
 エミリー姉ちゃんがシンディにヘッドバッドを見舞いした。鈍い音が廃屋中に響く。
「こ、このっ……!」
 恐らく今、シンディのカメラ(目)をモニタに映すと、物凄く画像が乱れているだろう。
「シンディ、1つ・言っておく。私とは・設計図は同じだが・作られた時の・ままではない。スペックは……違う」
「そんなこととっくに分かってるよ!」
「!?」
 次の瞬間、シンディがボクの後ろに回って羽交い絞めにしてきた。
「お前……!」
 エミリー姉ちゃんが両目を光らせて、シンディを睨みつけた。
「こいつは連れて行く!邪魔したら、こいつの首と胴体を引きちぎるよ!?」
「!」
 そんなの嫌だ!……って、あれ?今、シンディ何て言った!?
「シンディ。お前の・負けだ。鏡音レンを・放せ」
「ちっ、ジェット・エンジンが……!」
 どうやら、エミリー姉ちゃんとの肉弾戦でロケット・エンジンが壊れたらしい。これでシンディは空を飛ぶことができない。
 そして、エミリー姉ちゃんはつかつかとシンディに歩み寄った。
「この、おバカ!意味が分かってないんじゃないの!?」
「人質は・無事だからこそ・存在意義が・ある」
「壊した原因は、警告を聞かなかったアンタにあるんだからね!」
 そう言って、シンディはボクの首と胴体を引きちぎった。
「ほらっ!」
 シンディはボクの引きちぎった頭をエミリー姉ちゃんに投げつけた。プロデューサーが見たら、卒倒するだろうな。
「……そっちの胴体も・返してもらおう」
「勝手に持って行きな!」
 すると、シンディの両足のジェット・エンジンが作動した。どうやら、自動復旧したらしい。
「今度はバラバラにしてやるよ!」
 そういう捨て台詞を吐くと、シンディは飛び去って行った。
 で、そういうボクだが、こうして暢気にナレーションができるということは……。
「……レン。“死んだフリ”は・もういい」
「はーい」
 ボクは頭の無い胴体を起き上がらせると、頭の所に走った。ますます、プロデューサーが見たら卒倒しそうだ。
「ミュージカルが終わっても、戻されなくて良かった」
 そう言って、ボクは自分の頭を元の位置に戻した。
「シンディが・レンの秘密を・知らなかった。おかしい……」
 エミリー姉ちゃんは相変わらず険しい顔をしていたが、すぐにまた無表情に戻った。
「この近くまで・敷島さんが・来ている。合流しよう」
「えっ、プロデューサーが?」

[18:00.(エミリーのナビによると)宮城県北西部の山奥。 鏡音レン]

 夕闇迫る中、ボクとエミリー姉ちゃんは舗装されていない山道を歩いていた。その向こうから、1台のRV車がやってきた。このダートな道にピッタリの車だ。そして、運転席の窓からプロデューサーが顔を出した。
「おおーっ!レン、エミリー!無事だったか!」
「おかげさまで」
「あいにくながら・シンディは・取り逃がして・しまいました。申し訳・ありません」
「いや、しょうがない。とにかく、車に乗って」
 ボクとエミリー姉ちゃんは後ろのシートに乗った。何故なら助手席には珍しく、七海姉ちゃんが座っていたからだ。当然その後ろに平賀博士がいるわけで……。
「このバカ!ナビ、ミスりやがって!」
「あーん!」
 平賀博士が後ろから七海姉ちゃんの頭に、両手の拳でグリグリする。
「俺達が遭難するところだっただろうが!」
「えっ、そうなんですか?」
 ボクはシートベルトを締めながら言った。
「山道1本間違えちゃってさぁ……。転回するの大変だったよ」
「敷島さん。ここから・100メートル行きますと・待避所が・あります。そこで・転回できます」
「よし。ありがとう」
「まもなく・雪が降る・予想です」
「えっ、雪!?今夜は雨のはずじゃ?」
「七海ー、お前はもういい。この山道引き返して国道に入れば、あとは迷わないから」
「その国道も、もうすぐ冬期通行止めになるような道ですからねぇ……。そうなる前で良かったですよ」
「あっ、レン。お前、充電してろ。インバータがあるから」
 平賀博士が車のシガーソケットに繋いだ変換機を出した。車自体はレンタカーで、インバータは自前らしい。
「多分残りのバッテリーが無いだろ?」
「今、予備バッテリーです」
「やっぱりな。仙台に帰るまで使っていいから。エミリー、お前も」
「ノー。私はまだ・5時間43分持ちます。鏡音レンを・優先してください」
「それは通常動作の話だろう?また戦闘になったら、即座に吹っ飛ぶ数字だぞ?」
「ノー・プロブレム。98.02%の確率で・戦闘になることは・ありません」
「そ、そうか……」
 ボクはお言葉に甘えて、充電させてもらうことにした。充電中はスリープ・モードになることが多い……。
「あっ、敷島さん。転回場まで来たら、運転変わりますよ。ずっと運転してきましたから……。隣で休んでてくださいよ。帰り道なら分かりますから」
「そうですか。道の駅まででもいいんですけど……」
「大丈夫ですよ。道の駅は道の駅で、そこで一旦休みましょう。どっちにしろ、ここだとケータイのアンテナが入らないので、結局はそこまで行って連絡をしないと……」
「そうですね」
 エミリー姉ちゃんがそっと抱き寄せてくれた。何だか、安心する……。
 みんな……リンも、心配してるだろうな……。
「だから、このまま真っ直ぐ行ったら、ますます遭難するだろうが!引き返して国道に出た方がいいのっ!」
「あーん!」
「あの、平賀先生、運転代わって……くれないの?」
コメント (1)
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童祭

2013-07-17 16:59:55 | 日記
 病院での大腸検査も終わり、今やっと帰ってきたところである。幸いにも私のズタボロの大腸は一定の回復を見せ、まだ多少の炎症を残しているものの、ガン化したものは無く一安心といったところ。こんなつまらない人間でも、まだ地獄界に行く必要はないという仏様よりのお達しのようだ。
 それで、だ。昨夜より絶食状態だったので早速院内の食堂で食事をしたのだが、そうしている間に夕立が降ってきた。せめて駅までは“ボカロマスター”の敷島孝夫と初音ミクの軌跡を辿るためにバスで行こうと思ったのだが、頓挫してしまった。しょうがないので、奮発してタクシーで帰ることにする。

 それにしても、本当に大腸検査は苦行だ。なるべくなら受けたくない検査の1つだな。毎年1回受けていて、もう何回もやって随分と慣れたつもりだったが、どうやら本当にただの「つもり」だったらしい。
 因みに、胃カメラはもっと嫌だ。んでもって、虫歯の治療で神経を抜く時の痛みは更にもっと御免被りたい。
 しかし、男に生まれて良かったよ。どうしてかって?出産時の痛みは、上記3つの比ではないらしいな。

 ま、何とか苦行は終わった感じ。何の功徳も無い苦行だがな。毎年のことなので、罪障消滅であると信じたい。

 私の本日の応援歌、東方Project“夢違科学世紀”より、『童祭』からスタートしてアルバム全曲。
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