“アンドロイドマスター”終了後の後日談(?)
[23:52.東北新幹線“やまびこ”249号→JR仙台駅新幹線ホーム 敷島孝夫&エミリー]
〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、仙台、仙台です。到着ホームは12番線、お出口は左側です。……」〕
深夜の仙台市街を突き進む臨時増発の最終列車。繁華街、国分町周辺は元気一杯なのかもしれないが、JR沿線は静かなものである。
「とにかくまあ、久しぶりに新幹線に乗れたし、十条理事の意外な面も見れて、一石二鳥だな」
「ノー。敷島さん。本当は・一石三鳥では・ないですか?」
「え?」
「私と・キールの・行動についての・観察。この・レポートのため・ですね?」
「ふはっ!バレてたか。怒るなよ?」
「ノープロブレム。気にしてません」
「それならいいんだけど……」
列車はホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、仙台、終点、仙台です。お忘れ物、落し物の無いよう、ご注意ください。12番線到着の電車は、回送です。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
大きなエアー音がしてドアが開くと、ホームの駅員の声が響き渡った。
通勤電車でもそうだが、この時間帯ともなると、深く寝込む酔客もいるからだろう。
敷島とエミリーは、前の乗客に続いて列車を降りた。
「それにしても、エミリー。よく、“女の子の日”なんて言葉知ってるな?」
「ノー。どういう・意味ですか?」
「は!?」
「ドクター赤月や・ミズ池波が・そう仰るので。ここ最近・ドクター赤月からは・聞かれなくなりました」
「そりゃ赤月……じゃなかった。平賀奈津子先生、妊娠中だから当たり前だよ~。ウィキで確認!分かったな?」
「イエス……」
[同時刻 西日本JRバス“ドリーム金沢”号車内 十条伝助&キール・ブルー]
独立3列シートが並ぶ座席に、深く腰掛ける十条。しかしまだ寝付けないため、読書灯を点灯させて財団や学会の機関紙に目を通していた。隣席のキールは充電中である。
最近の高速バスは、充電用コンセントが各席に設置されているので、ロボット連れには結構重宝である。但し、交流100Vに設定しておかないと、コンセントが発火する恐れがあるので注意が必要だ。充電中はスリープ状態になるので、文字通り、見た目には『寝ている』状態になる。
(んおっ!?)
財団機関紙の最新号を見ると、一面記事にエミリーとキールが手を取り合って歩いている所が撮影されていた。
(いつから財団の機関紙は、スポーツ新聞みたいになったんだ……?)
『話題のアツアツカップル(はあと)』『オーバーヒート直前!?』
なんて見出しが……。
(というか、敷島君が総務参事になってから、こんな感じになったような……?)
敷島もまた、機関紙の編集員という一面もあることを思い出す。
総務からのお知らせの所には、敷島がジョニデ角度で写ってるし。
(そろそろ注意した方がいいな……)
もっとも、
『ボーカロイドの日常』
というコラム記事は、面白いと思ったが。しかも、
『次回は、話題のアツアツカップルの立役者にして最新型感情レイヤーの発明者であるところの十条伝助理事に、寄稿して頂きます』
などと書かれている。
(勝手に次回予告しおってからに!)
『“ロボットに心を持たせた男”!感情レイヤーの開発秘話、公開なるか!?どうぞお楽しみに!』
(しかも、ハードルがん上げしおってからに!!)
大日本電機が関わっていなくても、遅かれ早かれ南里は敷島によって憤死されられた運命は変わらなかったようだ。
[23:52.東北新幹線“やまびこ”249号→JR仙台駅新幹線ホーム 敷島孝夫&エミリー]
〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、仙台、仙台です。到着ホームは12番線、お出口は左側です。……」〕
深夜の仙台市街を突き進む臨時増発の最終列車。繁華街、国分町周辺は元気一杯なのかもしれないが、JR沿線は静かなものである。
「とにかくまあ、久しぶりに新幹線に乗れたし、十条理事の意外な面も見れて、一石二鳥だな」
「ノー。敷島さん。本当は・一石三鳥では・ないですか?」
「え?」
「私と・キールの・行動についての・観察。この・レポートのため・ですね?」
「ふはっ!バレてたか。怒るなよ?」
「ノープロブレム。気にしてません」
「それならいいんだけど……」
列車はホームに滑り込んだ。
〔「ご乗車ありがとうございました。終点、仙台、終点、仙台です。お忘れ物、落し物の無いよう、ご注意ください。12番線到着の電車は、回送です。ご乗車になれませんので、ご注意ください」〕
大きなエアー音がしてドアが開くと、ホームの駅員の声が響き渡った。
通勤電車でもそうだが、この時間帯ともなると、深く寝込む酔客もいるからだろう。
敷島とエミリーは、前の乗客に続いて列車を降りた。
「それにしても、エミリー。よく、“女の子の日”なんて言葉知ってるな?」
「ノー。どういう・意味ですか?」
「は!?」
「ドクター赤月や・ミズ池波が・そう仰るので。ここ最近・ドクター赤月からは・聞かれなくなりました」
「そりゃ赤月……じゃなかった。平賀奈津子先生、妊娠中だから当たり前だよ~。ウィキで確認!分かったな?」
「イエス……」
[同時刻 西日本JRバス“ドリーム金沢”号車内 十条伝助&キール・ブルー]
独立3列シートが並ぶ座席に、深く腰掛ける十条。しかしまだ寝付けないため、読書灯を点灯させて財団や学会の機関紙に目を通していた。隣席のキールは充電中である。
最近の高速バスは、充電用コンセントが各席に設置されているので、ロボット連れには結構重宝である。但し、交流100Vに設定しておかないと、コンセントが発火する恐れがあるので注意が必要だ。充電中はスリープ状態になるので、文字通り、見た目には『寝ている』状態になる。
(んおっ!?)
財団機関紙の最新号を見ると、一面記事にエミリーとキールが手を取り合って歩いている所が撮影されていた。
(いつから財団の機関紙は、スポーツ新聞みたいになったんだ……?)
『話題のアツアツカップル(はあと)』『オーバーヒート直前!?』
なんて見出しが……。
(というか、敷島君が総務参事になってから、こんな感じになったような……?)
敷島もまた、機関紙の編集員という一面もあることを思い出す。
総務からのお知らせの所には、敷島がジョニデ角度で写ってるし。
(そろそろ注意した方がいいな……)
もっとも、
『ボーカロイドの日常』
というコラム記事は、面白いと思ったが。しかも、
『次回は、話題のアツアツカップルの立役者にして最新型感情レイヤーの発明者であるところの十条伝助理事に、寄稿して頂きます』
などと書かれている。
(勝手に次回予告しおってからに!)
『“ロボットに心を持たせた男”!感情レイヤーの開発秘話、公開なるか!?どうぞお楽しみに!』
(しかも、ハードルがん上げしおってからに!!)
大日本電機が関わっていなくても、遅かれ早かれ南里は敷島によって憤死されられた運命は変わらなかったようだ。