[7月7日12時20分 天候:晴 千葉県市川市八幡2丁目 シャポー本八幡・タリーズコーヒー]
私はデイライトの車で本八幡駅まで送ってもらっている。
本当は千葉駅までのはずだが、善場係長が特別に、都営新宿線の始発駅である本八幡駅まで送ってくれることになった。
もう1つの理由が、沖野献受刑者のことについて打ち合わせしたく、あえて乗車時間を延長させる目的もあったのだろう。
善場「斉藤容疑者なら、『転生の儀』に成功したとされる白井容疑者の倒し方を知っているのかもしれませんね」
愛原「……なるほど。斉藤さんは、白井の『転生の儀』を気にしていたわけですね。そしてようやく、白井を本当にこの世から消す方法を見つけ出したと」
善場「とはいうものの、このままで良いと思っておりません。2人を逮捕して取り調べる義務があります」
公安調査庁には逮捕権は無いが、現行犯逮捕という形でやるつもりだろうか。
愛原「斉藤さんは沖縄に向かったはずです。白井も沖縄にいるはずです」
善場「分かっています。沖縄にデイライトの職員が派遣されています。また、沖縄県警やBSAAも沖縄に展開していて警戒に当たっています」
愛原「高橋はどこへ行くつもりでしょうか?」
善場「捜査機密なのであまり大きな声では言えないのですが、高橋容疑者もまた何らかの方法で沖縄に向かうのではないかと見ています」
愛原「沖縄が最終決戦の地になるわけですね……」
主人公の私としては、是非ともその最終決戦に参加したいところだが、一介の私立探偵が首を突っ込んで良い話ではないことも分かっている。
善場係長も、そんな私の気持ちを呼んだようだ。
善場「色々と気になるでしょうが、白井の事は我々に任せてください。それと……」
愛原「ん?」
善場「群馬県のペンションから送られてきた映像なんですが……」
愛原「は、はい」
善場「原本のVHSテープだけで解析は可能のようですので、ダビングされたDVDに関してはお返しします」
愛原「そ、そうですか」
善場「後ほど宅配便か何かで送らせて頂こうと思っておりますが、リサが手に入れた物に関しては、リサが18歳になるまで見せないでください」
愛原「は、はい。もちろんです」
リサの両親による、リサの製造工程記録動画だ。
白峰「到着しました。公道上なので、速やかに且つ気をつけてお降りください」
愛原「あ、はい。今日はありがとうございました」
善場「それではまた何かありましたら、御連絡をお願い致します。こちらからも何かありましたら、御連絡させて頂きます」
愛原「分かりました」
私は車を降りると、横断歩道を渡って、駅のショッピングモールに入った。
その中にタリーズコーヒーがあり、そこで昼食を挟んでから帰ることにした。
既にパールには、昼は食べてくる旨の連絡はしてある。
面会中や面会直後は、とても喉を通りそうな感じが無かったが、係長と話をしているうちに、少しは気持ちが落ち着いた。
私は店内に入ると、ホットドッグとアイスコーヒーを注文した。
本当に軽い昼食ではあるが、まだ完全にショックから立ち直り切っているというわけでもない。
今のところは、この量で大丈夫だろう。
[同日13時10分 天候:晴 同地区 都営地下鉄本八幡駅→都営新宿線1335T電車・先頭車]
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。……〕
昼食を食べて少し寛いでいると、リサからLINEがあった。
何でも、秋田の太平山美樹から連絡があったという。
秋田県北部から東京までのルートはいくつかあるが、今回の3連休では上京に飛行機を使うという。
要は大館能代空港から羽田まで、飛行機で来るということだ。
彼女と初めて会った沖縄でも、修学旅行ということもあり、飛行機で来ていた。
きっと、飛行機の方が便利なのだろう。
合宿を主催している予備校の本部は新宿にあり、そこまで案内を頼まれているという。
これは空港まで迎えに行って、それから一緒に新宿に向かうパターンだな。
私は了解の旨を返信しておいた。
地下鉄のホームに降りると、都営の車両の電車が止まっており、私は先頭車に乗り込んだ。
〔この電車は、各駅停車、笹塚行きです〕
〔「13時10分発、京王新線直通、各駅停車の笹塚行きです。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
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発車ベルがホームに鳴り響く。
〔1番線、ドアが閉まります〕
ホームドアと、電車のドアが両方閉まる。
電車のドアチャイムは、JR東日本の普通列車のそれと同じ。
ドアが閉まり切ると、運転室から発車合図のブザーが聞こえ、それからハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえてくる。
それと連動するようにエアーの抜ける音がして、電車が動き出した。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は、各駅停車、笹塚行きです。次は篠崎、篠崎。お出口は、右側です。……〕
千葉県に唯一存在する東京都交通局の駅を出る事で、私は千葉県から出ることになる。
善場係長達は、2人だけで千葉県全域を探しているのだろうか?
いや、違うな。
千葉刑務所から出て本八幡駅に向かう間、上空ではヘリコプターを何機も見た。
BSAAのヘリもあったのだろうが、千葉県警のヘリとかもあったのだろう。
高橋は本当に千葉県内に潜伏しているのだろうか?
それとも……。
[同日13時31分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 都営地下鉄菊川駅]
電車が西に向かう度に、電車内が賑わって来る。
平日とはいえ、まだ夕方のラッシュでもない為、混んではいない。
それに、途中駅でも下車する乗客はいたりする。
まあ、菊川駅においては、私もそうなのだが。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
というわけで、菊川駅に無事に到着する。
電車は短い発車メロディを流した後、すぐに発車して行った。
エスカレーターに乗り込み、改札階へ向かう。
改札口を出たところで、私はふとあることを思い出した。
都営地下鉄に限らないだろうが、駅構内にはフリーペーパーの配布スタンドがある。
ここは都営地下鉄の駅なので、主に東京都交通局が発行している物が置かれている。
地下鉄に限らず、都営バスや都電荒川線の沿線ガイドの物もある。
その中には、都内の地下鉄路線図もある。
上京者が度肝を抜かされるのは、都内の地下鉄路線図であるという。
これを太平山美樹に渡して、勉強させておこう。
場所によっては、グーグルマップも役に立たんぞw
私がフリーペーパーや路線図を物色していると……。
リサ「あ、先生!」
リサが改札口から出て来た。
制服姿であることから、どうやら今、学校から帰って来たところのようだ。
愛原「よお、リサ。学校終わったのか?」
リサ「テスト最終日は、午前中で終わり」
で、昼食は『魔王軍』のメンバーやレイチェルと食べて来たってわけか。
リサ「先生も面会終わったの?」
愛原「まあな」
私はフリーペーパーを鞄にしまった。
愛原「一緒に帰るか?」
リサ「帰るー!」
リサはそう言って私の腕を取って来た。
愛原「こらこら、制服姿で引っ付くんじゃない」
リサ「えー!」
愛原「誤解される」
リサ「もー!」
愛原「いいから、帰って俺は仕事だ。色々やることがある」
リサ「わたしも手伝うよ。テストは終わったことだし」
愛原「そうか?自信の方はどうだ?」
リサ「赤点ゼロ作戦は上手く行きそう」
愛原「そうか。それならいいな」
リサの行きたい大学がそんなに偏差値の高い所ではないことから、そこまで猛勉強し、高得点を狙わなければならないわけではないことは知っている。
そもそも就職先のデイライトが、リサに大卒の学歴を求めていたわけではないので。
私達は地上へのエスカレーターと階段を昇り、事務所へ向かった。
私はデイライトの車で本八幡駅まで送ってもらっている。
本当は千葉駅までのはずだが、善場係長が特別に、都営新宿線の始発駅である本八幡駅まで送ってくれることになった。
もう1つの理由が、沖野献受刑者のことについて打ち合わせしたく、あえて乗車時間を延長させる目的もあったのだろう。
善場「斉藤容疑者なら、『転生の儀』に成功したとされる白井容疑者の倒し方を知っているのかもしれませんね」
愛原「……なるほど。斉藤さんは、白井の『転生の儀』を気にしていたわけですね。そしてようやく、白井を本当にこの世から消す方法を見つけ出したと」
善場「とはいうものの、このままで良いと思っておりません。2人を逮捕して取り調べる義務があります」
公安調査庁には逮捕権は無いが、現行犯逮捕という形でやるつもりだろうか。
愛原「斉藤さんは沖縄に向かったはずです。白井も沖縄にいるはずです」
善場「分かっています。沖縄にデイライトの職員が派遣されています。また、沖縄県警やBSAAも沖縄に展開していて警戒に当たっています」
愛原「高橋はどこへ行くつもりでしょうか?」
善場「捜査機密なのであまり大きな声では言えないのですが、高橋容疑者もまた何らかの方法で沖縄に向かうのではないかと見ています」
愛原「沖縄が最終決戦の地になるわけですね……」
主人公の私としては、是非ともその最終決戦に参加したいところだが、一介の私立探偵が首を突っ込んで良い話ではないことも分かっている。
善場係長も、そんな私の気持ちを呼んだようだ。
善場「色々と気になるでしょうが、白井の事は我々に任せてください。それと……」
愛原「ん?」
善場「群馬県のペンションから送られてきた映像なんですが……」
愛原「は、はい」
善場「原本のVHSテープだけで解析は可能のようですので、ダビングされたDVDに関してはお返しします」
愛原「そ、そうですか」
善場「後ほど宅配便か何かで送らせて頂こうと思っておりますが、リサが手に入れた物に関しては、リサが18歳になるまで見せないでください」
愛原「は、はい。もちろんです」
リサの両親による、リサの製造工程記録動画だ。
白峰「到着しました。公道上なので、速やかに且つ気をつけてお降りください」
愛原「あ、はい。今日はありがとうございました」
善場「それではまた何かありましたら、御連絡をお願い致します。こちらからも何かありましたら、御連絡させて頂きます」
愛原「分かりました」
私は車を降りると、横断歩道を渡って、駅のショッピングモールに入った。
その中にタリーズコーヒーがあり、そこで昼食を挟んでから帰ることにした。
既にパールには、昼は食べてくる旨の連絡はしてある。
面会中や面会直後は、とても喉を通りそうな感じが無かったが、係長と話をしているうちに、少しは気持ちが落ち着いた。
私は店内に入ると、ホットドッグとアイスコーヒーを注文した。
本当に軽い昼食ではあるが、まだ完全にショックから立ち直り切っているというわけでもない。
今のところは、この量で大丈夫だろう。
[同日13時10分 天候:晴 同地区 都営地下鉄本八幡駅→都営新宿線1335T電車・先頭車]
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。……〕
昼食を食べて少し寛いでいると、リサからLINEがあった。
何でも、秋田の太平山美樹から連絡があったという。
秋田県北部から東京までのルートはいくつかあるが、今回の3連休では上京に飛行機を使うという。
要は大館能代空港から羽田まで、飛行機で来るということだ。
彼女と初めて会った沖縄でも、修学旅行ということもあり、飛行機で来ていた。
きっと、飛行機の方が便利なのだろう。
合宿を主催している予備校の本部は新宿にあり、そこまで案内を頼まれているという。
これは空港まで迎えに行って、それから一緒に新宿に向かうパターンだな。
私は了解の旨を返信しておいた。
地下鉄のホームに降りると、都営の車両の電車が止まっており、私は先頭車に乗り込んだ。
〔この電車は、各駅停車、笹塚行きです〕
〔「13時10分発、京王新線直通、各駅停車の笹塚行きです。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
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発車ベルがホームに鳴り響く。
〔1番線、ドアが閉まります〕
ホームドアと、電車のドアが両方閉まる。
電車のドアチャイムは、JR東日本の普通列車のそれと同じ。
ドアが閉まり切ると、運転室から発車合図のブザーが聞こえ、それからハンドルをガチャガチャ操作する音が聞こえてくる。
それと連動するようにエアーの抜ける音がして、電車が動き出した。
〔都営新宿線をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は、各駅停車、笹塚行きです。次は篠崎、篠崎。お出口は、右側です。……〕
千葉県に唯一存在する東京都交通局の駅を出る事で、私は千葉県から出ることになる。
善場係長達は、2人だけで千葉県全域を探しているのだろうか?
いや、違うな。
千葉刑務所から出て本八幡駅に向かう間、上空ではヘリコプターを何機も見た。
BSAAのヘリもあったのだろうが、千葉県警のヘリとかもあったのだろう。
高橋は本当に千葉県内に潜伏しているのだろうか?
それとも……。
[同日13時31分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 都営地下鉄菊川駅]
電車が西に向かう度に、電車内が賑わって来る。
平日とはいえ、まだ夕方のラッシュでもない為、混んではいない。
それに、途中駅でも下車する乗客はいたりする。
まあ、菊川駅においては、私もそうなのだが。
〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕
というわけで、菊川駅に無事に到着する。
電車は短い発車メロディを流した後、すぐに発車して行った。
エスカレーターに乗り込み、改札階へ向かう。
改札口を出たところで、私はふとあることを思い出した。
都営地下鉄に限らないだろうが、駅構内にはフリーペーパーの配布スタンドがある。
ここは都営地下鉄の駅なので、主に東京都交通局が発行している物が置かれている。
地下鉄に限らず、都営バスや都電荒川線の沿線ガイドの物もある。
その中には、都内の地下鉄路線図もある。
上京者が度肝を抜かされるのは、都内の地下鉄路線図であるという。
これを太平山美樹に渡して、勉強させておこう。
場所によっては、グーグルマップも役に立たんぞw
私がフリーペーパーや路線図を物色していると……。
リサ「あ、先生!」
リサが改札口から出て来た。
制服姿であることから、どうやら今、学校から帰って来たところのようだ。
愛原「よお、リサ。学校終わったのか?」
リサ「テスト最終日は、午前中で終わり」
で、昼食は『魔王軍』のメンバーやレイチェルと食べて来たってわけか。
リサ「先生も面会終わったの?」
愛原「まあな」
私はフリーペーパーを鞄にしまった。
愛原「一緒に帰るか?」
リサ「帰るー!」
リサはそう言って私の腕を取って来た。
愛原「こらこら、制服姿で引っ付くんじゃない」
リサ「えー!」
愛原「誤解される」
リサ「もー!」
愛原「いいから、帰って俺は仕事だ。色々やることがある」
リサ「わたしも手伝うよ。テストは終わったことだし」
愛原「そうか?自信の方はどうだ?」
リサ「赤点ゼロ作戦は上手く行きそう」
愛原「そうか。それならいいな」
リサの行きたい大学がそんなに偏差値の高い所ではないことから、そこまで猛勉強し、高得点を狙わなければならないわけではないことは知っている。
そもそも就職先のデイライトが、リサに大卒の学歴を求めていたわけではないので。
私達は地上へのエスカレーターと階段を昇り、事務所へ向かった。
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