報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「春休み終わり」

2014-04-15 22:24:16 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[3月末夜 JR埼京線各駅停車E233系10号車内 稲生ユウタ&威吹邪甲]

「これでやっと帰れるよ……」
「全く。威吹、お疲れさん」
「いやいや……」
 新宿から埼京線に乗り換えたユタと威吹。
 威吹は緑色の座席に腰掛けていた。
「カンジ君が北与野駅まで迎えに来てくれるみたいだね」
「おっ、そうか。あいつも律儀だな」
「『弟子として当然です』って言うだろうね」
 ユタはニッと笑った。
「ちょうどいい。荷物もデカいし、少し持ってもらうか……」
「まさかマリアさんが、自作の人形をくれるなんてねぇ……」
 奇しくも近くには、ミッキーマウスのぬいぐるみが入っているであろうペーパーバッグを持った家族連れがいた。

 ポロロロン♪ポロロロン♪

「ん?」
 ドアの上からチャイムが聞こえて来た。
「運行情報だね。えー、東武野田線、運転見合わせだって」
「ほお」
「ふーん……大宮公園駅で人身事故ね。こりゃまたとんでもない駅で事故ったなぁ……」
「とんでもないって?」
 威吹が金色の瞳をユタに向けた。
「顕正会の本部会館があるじゃないか」
「ああ」
「ま、顕正会員が飛び込んだわけじゃないだろうけどね」

 ピピピピピピピピ!

「防護無線!?」

〔急停車します。ご注意ください。お立ちのお客様は、お近くの吊革、手すりにお掴まりください〕

 車掌が乗務している乗務員室から、目覚まし時計のタイマーのようなアラームが聞こえた。
「何が起きたんだい?」
 威吹は訝し気だった。
「近くで事故があったみたいだ」
「あれのこと?」
 威吹はドアの上のモニタを指さした。
 そこでは東武野田線運転見合わせの情報を流している。
「いや、鉄道会社が違うから、それは無いよ」

〔「お客様にお知らせ致します。先ほど北与野駅で人身事故が発生しました。只今、負傷者の救助作業を行っているとの情報が入っております。……」〕

「ええーっ!?」
「北与野駅だぁ?」
 その時、ユタのケータイに着信があった。
「も、もしもし?」
 相手はカンジだった。
{「電車に乗車中、申し訳ありません」}
「本当はマナー違反だけど、緊急だからね。でも、手短に頼むよ。一体、何があったの?」
{「どうも、オレ達の知らない所で何か事が起きてるようです」}
「だから何が?」
{「女子高生が電車に轢かれました」}
「そ、そうなの?」
{「東武野田線でも同じ事故が起きたんですが、どちらも同じ学校の生徒です」}
「ふ、ふーん……」
 大変なことだが、まあ、まだ有り得ない話ではない。
{「しかもその学校、栗原江蓮女史の所です」}
「そうなんだ……」
 まだ大丈夫。まだ、有り得なくはない話だ。
 しかし次の瞬間、威吹がユタのケータイを引っ手繰った。
「カンジ!いい加減、結論を言え!結局、最後に何があった!?」
{「北与野駅で事故を起こした電車の先頭車に、栗原氏とキノがいます」}
「はいーっ!?」

 やっと運転再開した時には、もうそろそろ日付も変わろうかという頃だった。
「栗原さん、大丈夫?」
「キノ、何があった?」
 江蓮は駅のベンチに座って、うなだれていた。
 ユタが江蓮に駆け寄り、威吹はキノに問い詰めるように聞いた。
 キノは大げさに肩を竦めて答えた。
「どうもこうも無ェよ。江蓮の学校でトラブルがあったって聞いて、新学期が始まる前に解決しようって動いたんだが、このザマだ。一気に2人に死にやがった。ワケわかんねーよ」
 忌々しそうな感じで答えたキノ。
 無論威吹に対してではなく、この事態に対してだ。
「栗原さん、これは一体……」
「先生、稲生さん。ここは引いた方がよろしいかと」
 カンジが言う。
「どういうことだ?」
 キノも言う。
「ああ。さすがにこの問題はオレ達のことだからな。逆に首突っ込まれると、却って面倒になる。ムシがいいかもしれねーが、どうしようも無くなったら手伝ってくれ」
「ムシがいいな」
「だからそう言ってんだろ」
「確かに栗原さんの学校で何かがあったんだろう。確かに、ボク達は関係無いかもしれない。栗原さん、それは妖怪のしわざなの?」
「いや、妖気は感じなかった」
 江蓮の代わりにキノが答えた。
「お前、女子校に行ったのか?」
「鬼族のエリートをナメんじゃねぇぞ?」
「何がだ。堕ちた……フガガッ!?」
 威吹が何かを言おうとしたのをユタが口を塞いだ。
「威吹、今はケンカはやめとけ!」
「妖気が無いってことは幽霊かな?」
 幽霊は妖気ではなく、霊気である。
「分かんない……。私も何が起きてるのか……。でも……でも……誰も死んで欲しくなかったのに……!」
 そう言って、泣き出す江蓮。
「おい、エレン泣かすんじゃねぇよ、ユタ!」
 キノが抗議した。
「ご、ゴメン……」
「こら!ユタは悪くないだろ!」
 威吹は言い返した。
「とにかく、先生。オレ達は引いた方がいいですって。さすがに相手が幽霊だと、分が悪い」
 カンジは相変わらずポーカーフェイスだったが、額には汗が浮かんでいた。
「確かにな……」
 威吹もフムと頷いた。
「えっ、何が?」
 ユタだけが意味が分からない。
「ユタ、仏教では幽霊はどんな立場?」
 威吹が聞いてくる。
「ど、どんなって……。えー……」
 ユタは答えに窮した。
「そんなの御書で見たことがない……」
「それもそのはずです。仏教では、幽霊の存在を認めていないはずです」
 カンジが言った。
「そう、なのか……」
「それが悪さしている。オレ達も幽霊には手は出せません。そして、仏教徒たる稲生さんでも対応できない。オレ達ができることは、何も無いはずです。……蓬莱山鬼之助以外は」
「おう、そうだぜ」
 キノは自信満々に頷いた。
「こちとら地獄界の獄卒だからな、亡者の扱いには長けている」
「何がだ。2人も死人出したくせによ」
 威吹は毒づいた。
「死んだのは亡者じゃなくて、生きてる人間だぜ?それはオレは知らん」
「まあ、せいぜい頑張んな」
「失礼」
 威吹とカンジはユタを引っ張って、ユタの家に向かった。
「あ、あの、もし良かったら、塔婆供養でも……」
「いいから、ユタ!余計なことはしない!」
 
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冨士参詣深夜便 〜UnNewsより〜

2014-04-15 21:46:22 | 日記
 http://ja.uncyclopedia.info/wiki/UnNews:%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%A4%96%E5%8B%99%E7%9C%81%E3%80%8C%E5%B9%BB%E6%83%B3%E9%83%B7%E3%82%82%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%A0%B8%E5%BF%83%E7%9A%84%E5%88%A9%E7%9B%8A%E3%80%8D

 えー、すいません。嘘ニュースです。
 恐らくこれを書いた記者は、保守系の東方厨であろう。
 私も読んでて、半分くらい意味が分からなかった。
 私は東方Projectは、あくまで音楽派であることが露呈される所である。
 ゲーム音楽にしては高レベルの音楽性であり、是非ともサントラをどんどん出して頂きたいところである。
 しかし当のZUN神主は、その気が無いらしい。これだけでも大儲けできるのに。

 あ、違う違う。別に謗法とかそういうのではなくてね、あくまで制作者のZUN氏は本物の神主でも宮司もないからね。
 幻想郷の入口に鳥居があるからって、別に日蓮正宗信徒が入ってはいけないってことは無いはずだ。
 実はこの幻想郷、多くの東方ファンは長野県辺りを意識しているようだ。
 その理由はチャクウィキ辺りを参照にして頂きたいが、実は私が“ユタと愉快な仲間たち”で、魔道師マリアが長野県内の森の中を拠点にしているという設定も、実は東方の幻想郷を意識したものである。
 但し、当作品では幻想郷≓魔界という設定にしている。
 魔界側を舞台にした作品でも主人公の日本人首相が、
「魔界を地獄界ではなく、幻想郷にする」
 と、所信表明している。
 ここまで来ると、既に作者の宗派は関係無い。

 宗教色の全く無い“マスター”シリーズにおいても、たまに主人公の敷島が「誓願」という言葉を使っている。
 いや、本来誓願という単語は仏に誓う意味で使うものであり、ノルマという意味で使うものではないことは知っている。
 嫌味と皮肉がこもったものとなっている。

 明日は公休だが、色々とやることがある。
 あいにくと、そこに宗教色は無いが。
 まあ、やることがあることはいいことだ。
 ヒマでどうしようも無くなったら、ロクなことは無いだろう。
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できないことは無理してやらない

2014-04-15 00:31:11 | 日記
 対義語は差し詰め、「やってみてから後悔しよう」になるのかな。
 10代、20代のうちはむしろ上記の方がいいだろう。
 やり直しが効くからだ。
 しかし私のようにもう30代ともなると、なかなかやり直しが効きにくくなり、また新しいことへチャレンジするリスクも大きくなって、タイトルのような思考になる。

 マイナス思考とか後ろ向きとか思われるかもしれないが、現状維持を保つことは意外と難しいものだぞ。
 変化を求めることの方が、ある意味簡単だ。
 私はあまり変化を求めない。
 保守派だからなのかもしれないが、現状でほぼ満足なので、他に何も求めることは無いのである。
 個人的に祈念するものが無いから、勤行が速い速い。
 ああ、分かっている。ちゃんと御経本に書いてある内容の祈念はしているよ。
 それは基本だからね。

 今月もまた添書登山の日が近づいてきた。
 基本的に土日は難しいので、平日に行くようにしている。
 平日も御開扉があって、ありがたい限りだ。
 他の信徒さんのブログを見ると、平日に登山されておられる方はいらっしゃらないようなので、私が平日レポをすることになるだろう。
 創価学会が望む、閑古鳥の御山の様子をとくとご覧あれってところかな。

 まあ、私は閑散とした静かな方がいいんだけどね。

 のんびりのどかでいいじゃないか。
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