報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「大魔王の帰還」

2015-01-01 19:25:59 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[現地時間2014年12月31日11:00.魔界アルカディア王国・王都アルカディアシティ 魔王城旧館]

 魔王城内に警報が鳴り響く。
「バァル様だ!大魔王陛下が御帰還あそばされたぞ!」
「全員集合!」
 城内にも未だ数多い大魔王シンパの兵士達が浮足立つ。
「静まれ!持ち場を離れるな!!」
 それに対し、新政権派は何とか混乱を鎮めようと躍起である。

 旧館最深部にある、魔界の最深部へ通じる道
 ルーシーが駆け付けると、そこには憔悴しながらも、大魔王のオーラを決して弱めない老翁の姿があった。
「バァル……大帝……」
 バァルはルーシーを一瞥すると、
「ルーシーよ……。あの者を……あの者を捕えよ」
「あ、あの者?」
「魔道師ダンテ・アリギエーリとその弟子、イリーナ・レヴィア・ブリジッドを直ちに捕えよ!」
「ちょ、ちょっと待って!……待ってください!あの魔道師達は今、魔界にはいなくて……」
「人間界か?では人間界に我が軍を派兵せよ。滅亡させても構わん!」
「突入だ!覚悟しろ!大魔王!!」
 そこへ突入するは、人間達で構成された新魔王軍。
「ルーシー、どいて!」
 統率するは王国宰相(内閣総理大臣)の安倍春明。
 現代の人間界と同様、ファンタジーを完全に無視した銃火器で武装した軍隊はバァルに一斉射撃した。
「ヤツを魔王城から一歩も出すな!王国と我々の故郷を守るんだ!!」

[同年月日12:00.埼玉県さいたま市中央区 ユタの家 稲生ユウタ、威吹邪甲、威波莞爾]

 3人は家の大掃除をしていた。
 もうお昼になったので、カンジが昼食を用意している。
 シンプルにホットドッグだった。
 といってもコッペパンに挟むキャベツは一から千切りし、ウィンナーと一緒にフライパンで炒めて、その後でオーブンで焼く本格的なものだった。
「何か、1年ってあっという間だったなぁ……」
「いや、全く」
 ホットドッグに食らいつく威吹の口からは、鋭い犬歯が見え隠れした。
「そして今夜もまたカンジ君が、年越しソバを作ってくれるわけだね」
「お任せください」
 カンジはポーカーフェイスを崩さぬまま大きく頷いた。
「元旦勤行は……あっ、そうか。僕、辞めちゃったんだっけ……」
「せっかくだ。もうこれでユタは自由なんだから、社参りでもしたらどうだい?」
「うーん……。今まで謗法厳戒の指導を受けてきたからねぇ……。なかなかそうもいかないんだよ」
「威吹先生のご活躍による、東伏見稲荷などは如何でしょうか?」
 と、カンジ。
「何で威吹の活躍が関係あるの?」
「されば先生は封印前、青梅街道沿いにおかれまして、多くの人間達を震え上がらせたと伺います」
「ああ。まあ、人喰い妖狐だった時期は確かにあるが……。別にオレは神社を建立しろなんて一言も言ってないが?」
「京都の総本社が東京に分社を建立する際の参考になったそうです(※)」

 ※当作品内のみのフィクションです。

「そうなのか。単純な人間どもだ。オレは別に、神社があろうが無かろうが、流れに任せてるだけだよ。今はユタとの盟約締結の際、特約として、盟約中は一切の人間捕食を禁ずるというのがある。それを順守してるだけだ」
「さくらさんの時も?」
 すると威吹は苦笑いした。
「あれは脅迫だな。おっかない女でね、盟約を結ぶ前から、人喰いをやめないと退治するって脅されたんだ。実際あいつは弓の名手で、ボクがあいつに立ち向かうまでの間、矢を3本も一気に放つほどだった」
「矢を一気に3本も!?そんなの聞いたことない!」
 ユタは驚いた顔をしたが、よく見ると、威吹が苦笑いというか、照れ笑いにも取れる顔をしていたことから、別に悪い思い出ではないらしい。
 悪い思い出どころか、初めて気に入った女性との出会いだったから、むしろいい思い出だったかも。
「そういう流派が当時はあったのかもしれない。で、この時代では廃れたか……。あいつの異能として、自分の霊力を矢に込めて放つというものがあった。だから、あの矢に刺されば、それだけで退治される恐ろしいモノだったよ」
「面白い話だね、それ」
「だからユタが魔道師達に目を付けられて、魔道師になることを誘われたのも分からないわけではない。ユタはボクが見る限り、さくらよりも霊力が上だ。だから、ボクの封印が解けたんだね」
「なるほど……」
 その時、カンジのタブレットに着信のチャイムが鳴った。
「おっと。失礼しました。多分、異世界通信社からの速報です」
 カンジはそう言って、テーブルの上に置かれたタブレットを取りに行った。
「……そのさくらさんが生きてるって、イリーナさんが言ってたよね?」
「五体満足でいられてるのか、はたまた魂だけが残っているという意味なのかは分からんが……もし、魔界を彷徨っていたり、どこかに閉じ込められているというのなら助けてやりたい」
「そして、『好きだ』って言うんだね?」
「え……?」
「だってこの前の忘年会で、『オレ、まだアイツに好きだって言ってない』って言ってたじゃない」
「……そんなこと言ったかい?……ちっ、飲み過ぎたか」
「いいよいいよ。僕もできることがあれば手伝うよ。霊力だけなら……まあ、あるみたいだし」
「ありがとう。かたじけない」
「せ、先生!大変です!」
 いつになくカンジが血相を変えて戻って来た。
「何だ?どうした?」
「アルカディア王国で内戦勃発です!大魔王バァルが帰還してしまったと!」
「な、何だと……!?」
「この年の瀬に……って、イリーナさんの予言、当たっちゃったか……」
 ユタは右手で頭を抱えた。
「ユタ、あの魔道師達に連絡取れるかい?魔界の内部で何が起ころうが知ったことではないが、人間界に影響があってはまずい」
「わ、分かった!」
 ユタは急いでスマホを出した。
 それでまずはマリアに連絡してみることにする。
「先生。恐らくそれは難しいかと」
「何でだ?」
「イリーナ師とその大師匠は大魔王を唆した罪で、指名手配を受けたもようです。仮に人間界にいようが、魔王軍を派兵して捜し出すと!」
「思いっきり人間界に影響があるってことか、それ!」
「……あ、もしもし?マリアさんですか?」
{「……その様子だと、もう知ってしまったようだね。魔界で大変なことが起きたってこと……」}
「そうなんです。実際どうなんですか?」
{「師匠方は身を隠した。エレーナの話では、まだ指名手配を食らっていないポーリン師にも魔の手が及ぶ恐れがあるということで、ついでに身を隠すそうだ」}
「マリアさん達は大丈夫なんですか?」
{「“通い弟子”の扱いだから、多分大丈夫」}
 違和感のある言い方だが、要は師匠と1つ屋根の下で暮らしているわけではない弟子のことを、総じて『通い弟子』と呼ぶようである。
{「住み込みの弟子と違って、師匠と常に一緒にいるわけではないから、知らぬ存ぜぬで通せる」}
「そうですか」
{「ただ、全く影響が無いとは言い切れないから、私もしばらく隠れることにするよ。ユウタ君にも迷惑を掛けるわけにはいかないから、少しの間、連絡を控えるね。もう大丈夫だと分かったら、私から連絡するから」}
「は、はい……」
{「……じゃ、『良いお年を』」}
「良いお年を」
 ユタは電話を切った。
「地獄界の方は、取りあえずキノの所は無事なんだろう?」
「そうですね。閻魔庁の直属部隊とキノの……」
 妖狐達が話している間、ユタは窓の外を眺めた。

 とても何かが起こるとは思えない大晦日の天気は晴れ。

 冬の太陽が燦々と家の中に差し込んでいる。

 テレビでは大晦日の特番をどのチャンネルでも流れている。

(大変なことが起きてるんだ……)
 ユタは自分でそう言い聞かせた。
コメント (7)
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謹賀新年

2015-01-01 15:11:27 | 日記
<特急くろしお>振り子式381系、元祖くろしお引退へ 来秋、老朽化で 後継候補に683系 /和歌山(毎日新聞) - goo ニュース

 当ブログも3代目に入ってから今年で3年目に入り、未だ荒れぬこの状況には深い感謝の念を抱いている次第である。
 冒頭の記事はANPさんが振ってくれた鉄道ネタであるが、実は“電車でGo!”で運転したことがあるので、実はその存在は知っている。
 もっとも、ゲーム内では大阪環状線内を走る臨時列車程度のものであったが。
 鉄道模型に興味があった頃、トミックスのカタログに件の381系が載っていたので、一時期注目したことがある。
 何といってもそのハイライトは先頭の展望車(グリーン車)で、似たようなものに485系(これも以前、ANPさんがネタ振りしてくれたかな)もあるのだが、模型で見る限りでは、前者の方がスマート感を得たものであった。
 もちろんそれは、単なる私の主観であるので悪しからず。
 485系の方が良いという方の感想を否定するものではない。

 乗り鉄の哀しさからか、今では鉄道の補完的役割を担っている路線バスの方に趣味がシフトしつつある私であるが、一応は兼業のつもりである。
 ANPさんがどの程度本気で仰ったかは定かではないが、実は鉄ヲタにも乗り物に弱い者が存在する。
 いや、ほんとほんと。
 私は乗り物酔いを1度もしたことが無いからそれらをサーフすることができるが、私の同級生に黒歴史を作り上げた者がいた。
 そいつも鉄ヲタで乗り鉄、撮り鉄、録り鉄の3部門を渡り歩く者なのだが、乗り鉄やってる割には自称乗り物酔いしやすいとのこと。ハテ?
 もっと小さい学生だった頃、見事に【ぴー】を噴水のように口から噴き出して、バイオハザードを引き起こしたとのことだ。
 ほお、バイオハザードとな?では、クリーチャー化する前に頭に銃弾を撃ち込んでやらなくてはなるまいな(←バイオハザードは本編ナンバリングではなく、番外編に限る派。本編プレイ中、目の前でいきなりゾンビ化したキャラに襲われて以来トラウマ)。
 パイソンがいいか?M3がいいか?ウィンダムがいいか?好きな銃を選んでくれたまえ。
 え?マシンガンは無いのかって?あいにくとマシンガンは弾切れなのだよ。はっはっは(←ゲームオーバーの原因の大半が弾切れ)。

 何の話だったっけ?
 ……ああ。東北にはあいにくと展望車付きの電車が、私が模型に興味があった学生時代は運転されていなかった。
 気動車では一応あったのだが、遠くの観光地を走る臨時列車のみで、仙台市内付近を走行する定期列車は全く無かった。
 つい、最近だよ。キハ40系改造の展望列車“みのり”が、仙台駅からようやく鳴子温泉まで行くようになったの。
 新幹線前後展望が無い以上、在来線では積極的にやってもらいたいものだ。

 鉄道ネタはここまでにして、他の信仰者ブログを覗いてみるとしよう。
 武闘派に限らず、熱血派の皆様方は元旦から熱い信心を展開しておられる。
 坂井久美子さんなど、大石寺の元朝勤行に参加されたとのこと。
 私は一生参加することはあるまい。
 恐らく今日中か明日辺り、パラパラ茜氏が顕正会本部もしくは東京会館の元旦勤行に参加した旨の内容をブログにアップすることだろう。
 で、怨嫉者に罰が下るように祈念したか。
 そういうのさえ無ければ、信心の熱さだけは微笑ましいものがあるんだけどねぇ……。
 バーズさんは分からんな。
 何気に昨年の男子部大会に参加したようなことを書いていたことがあるので、もし仮に本人が本当に顕正会員であると仮定すればの話だがこちらも本部会館の元旦勤行に参加した旨の記事を更新するかもしれない。
 そうだとすれば、後々の為にその記事をコピーして保存しておくことをお勧めする。
 法華講員だと発覚した場合、裏切りの証拠になるからだ。
 信徒除名処分に追い込むくらいのことはしてもいいと思うぞ。
 で、教化親さんは責任を取って講頭職は辞任してもらって、講も活動停止処分か(かつての妙信講と同じ処分)。いやあ、処分重いねぇ!

 厳虎さんはどのタイミングで更新されるかな?本人の立場上、三ヶ日中の更新は難しいかもしれない。
 私以上に精力的な更新を続けておられるポリ銀さんは、今日も亦、明日も亦、折伏の〜♪ではなく、今日もまた明日もまた更新を続けて下さるだろう。
 トチローさんは早速、更新されたようだ。
 その前の記事、大石寺へのお誘いの記事が何気に癒し系。
 私もトチローさんによく連れて行って頂いたものだ。
 大船に乗ったつもりでいられるから、私からもお勧めしたい。
 顕正会員歴が長く、また法華講員歴も長いので、信仰の裏表を知り尽くした方だ。
 私を介して御紹介させて頂いても……迷惑なだけか。ハハハ……。

 え?お前、丸投げしてるだけだろって?
 えー……そのような事実は一切ございません。あれは秘書のやったことで。広報を通してください。訴状が届いていないのでコメントできません。

 おっと!お後がよろしいようで。
 何か、今年もいいことが無さそうな1年ですが、またボチボチやらせて頂きます。
 今年も1年、よろしくお願い致します。
コメント (5)
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