[11月25日11:43.天候:晴 東京都千代田区丸の内 東京メトロ二重橋前駅→JR東海東京駅]
〔まもなく二重橋前(丸の内)、二重橋前(丸の内)です。足元にご注意ください。出口は、右側です〕
明治神宮前から約15分。
稲生達を乗せた電車は、千代田線では東京駅に最も近い駅に進入した。
〔二重橋前(丸の内)、二重橋前(丸の内)です。足元にご注意ください〕
この駅では既にホームドアが稼働している。
電車を降りると、稲生を先頭に3人の魔女達は改札口へ向かった。
稲生:「この前乗ったことがある東海道新幹線だけど、それでもいい?」
ルーシー:「もちろん!」
エレーナ:「おいおい、このまま稲生氏の宗派の総本山まで連れて行かれるってオチじゃないだろうな?」
稲生:「行きたければ連れて行くよ?」
エレーナ:「ブッダに罰食らわされそうだから遠慮しておくぜ」
エレーナはその昔、まだイリーナ組と敵対していた頃、奉安堂を爆破させようとしたことがある。
中にいた稲生を抹殺する為だったらしいが、それを知った威吹に阻止された。
後ろから妖刀で背中から胸を貫通するほどの串刺しにされたのだが、寸での所で変わり身の術を使い、逃亡することに成功した。
稲生:「ま、今日中に再び原宿に行かないといけないからね」
エレーナ:「そういうことだな」
二重橋前駅を出ると、そのまま地下道を進む。
マリア:「ここは駅の外?」
稲生:「そうです。丸の内のオフィスビル街の地下ですよ。ビルの地下同士が繋がっていて、こうして地下道を形成しているんです」
マリア:「そうなんだ」
稲生:「この地下道を進んで行けば、東京駅に辿り着けるというわけですよ」
マリア:「へえ……」
そして、ある場所で地上に上がると……。
稲生:「東京駅の丸の内側です。ちょうどレンガ造りの駅舎の前ですね」
ルーシー:「ネットで見た画像!」
ルーシーはカメラを出すとそれで駅舎の写真を撮り出した。
稲生:(ネットって……。僕が言うのも何だけど、魔女もネットに毒されるんだなぁ……)
エレーナ:「せっかくだから、また3人で撮ってもらおうぜ」
稲生:「あ、それいいね」
稲生は自分のスマホを取り出した。
稲生:「はい、笑って笑ってー」
いつもエレーナが真ん中に写るのである。
稲生:「じゃ、写真は雷門で撮ったのと同じようにするからね」
ルーシー:「ありがとう」
稲生:「それじゃ、早速中に入りましょう」
駅構内に入り、自動券売機に向かう。
ルーシー:「きれいねぇ!」
改札口の外側にある吹き抜けを見て嘆息するルーシー。
エレーナ:「マリアンナの屋敷には無いタイプだな」
マリア:「確かに、こういう丸天井は無いなぁ……」
しばらくして稲生が戻って来た。
稲生:「まずはこの乗車券でそこの改札口に入ります」
ルーシー:「分かったわ」
エレーナ:「その理由、鉄ヲタの読者なら分かるだろうな」
マリア:「読者?」
丸の内側の改札口から、まずはJR東日本のコンコースに入る。
それから、東海道新幹線の乗換改札口に向かう。
JR東日本のは改札口が緑色なのに対し、東海道新幹線は青色である。
コーポレートカラーはオレンジなのだから、改札口もオレンジなのではと思うだろうが、それは在来線で使用されている。
稲生:「ここでは乗車券と特急券を2枚入れます」
エレーナ:「その理由も鉄ヲタなら……」
ルーシー:「エレーナ、うるさい」
と、今度はJR東海のコンコースに入るわけである。
稲生:「えーと……今度の“こだま”号は15番線からか。第7ホームだな」
ルーシー:「少し時間ある?」
稲生:「そうだね」
エレーナ:「ちょうどお昼だ。駅弁でも買って行こうぜ」
マリア:「車内販売は?」
稲生:「“こだま”は無いんですよ」
ハク人形:「ちっ!」
ミク人形:「ちっ!」
稲生:「でも、帰りは車内販売のある電車で帰ろうと思ってるよ」
ハク人形:「!」
ミク人形:「!」
エレーナ:「ま、それが何なのかは稲生氏に任せるとして……駅弁どこだ?腹減った」
ルーシー:「あんたさっき大きいクレープ食べてたでしょ?」
エレーナ:「甘い物は別腹だぜ」
マリア:「太ってホウキが飛ばなくなっても知らないぞ」
ふっくらした体型の魔女がホウキに乗るシーンが無いのはその為。
もっとも、そういった者は別に魔法で移動することができるので、不便は無いらしいが。
稲生:「ここだよ、ここ」
エレーナ:「おー!さすが東京駅は種類が豊富だなー」
稲生:「マリアさん達は食べます?」
マリア:「ま、せっかくだから何か食べよう」
ルーシー:「エレーナじゃないけど、美味しそうだしね」
エレーナ:「稲生氏の奢り〜」
稲生:「それは自分で買え!」
マリア:「当たり前だろうが……」
マリア、怒りを通り越して最早呆れレベル。
稲生:「“深川めし”にしよう」
ルーシー:「私もランチは魚にしようかな」
エレーナ:「私は何にしようかな〜?」
それぞれ駅弁と飲み物を買ってホームに上がった。
〔♪♪♪♪。新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく15番線に、“ひかり”514号が入線致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この後、この電車は12時26分発、“こだま”655号、名古屋行きとなります。車内の整備が終わるまで、お待ちください〕
稲生:「大井基地から来るヤツじゃなかったか」
階段を上がった4人、自由席の車両に向かう。
もっとも、“こだま”は自由席の方が多いくらいだ。
前の方に向かって歩いていると、ゴォッと比較的高速で列車が入線してきた。
ただでさえ有効長稼ぎの為に曲がっているホーム。
それが第7ホームともなると、もっと曲がっている。
隣のJR東日本新幹線と曲がる角度が同じなのは、元々このホームは旧国鉄時代、東北新幹線用として用意されたからである。
東海道新幹線の本数が増えた為、急きょこのホームを東海道新幹線用に転用し、現在に至る。
しかし、その時の名残りが未だに存在する部分がある。
それは一般乗客には分からない程度で。
〔とうきょう、東京です。とうきょう、東京です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
ここまでの乗客がぞろぞろと降りて来る。
稲生達は1号車のドアの前で待っていた。
この車両にしたのは1番空いているというのもあるが、ルーシーが写真を撮って戻って来やすいからである。
稲生:「この前乗ったのはただのN700系だったけど、今度のはN700AのAdvanceだ」
エレーナ:「下車駅が小田原じゃすぐだな」
稲生:「まあね。急きょ乗ることが決まったんじゃ、しょうがないよ。それに、新横浜〜小田原間は距離があるから、“こだま”でも最高速度285キロで走るからね。高速気分を体験することはできるよ」
ルーシー:「確かにこの前乗った時、速く感じた所があった」
稲生:「ちゃんとその部分は乗るので、ご心配無く」
自由席の少ない“のぞみ”や“ひかり”には長い列ができるが、“こだま”はそれほどでもなかった。
〔まもなく二重橋前(丸の内)、二重橋前(丸の内)です。足元にご注意ください。出口は、右側です〕
明治神宮前から約15分。
稲生達を乗せた電車は、千代田線では東京駅に最も近い駅に進入した。
〔二重橋前(丸の内)、二重橋前(丸の内)です。足元にご注意ください〕
この駅では既にホームドアが稼働している。
電車を降りると、稲生を先頭に3人の魔女達は改札口へ向かった。
稲生:「この前乗ったことがある東海道新幹線だけど、それでもいい?」
ルーシー:「もちろん!」
エレーナ:「おいおい、このまま稲生氏の宗派の総本山まで連れて行かれるってオチじゃないだろうな?」
稲生:「行きたければ連れて行くよ?」
エレーナ:「ブッダに罰食らわされそうだから遠慮しておくぜ」
エレーナはその昔、まだイリーナ組と敵対していた頃、奉安堂を爆破させようとしたことがある。
中にいた稲生を抹殺する為だったらしいが、それを知った威吹に阻止された。
後ろから妖刀で背中から胸を貫通するほどの串刺しにされたのだが、寸での所で変わり身の術を使い、逃亡することに成功した。
稲生:「ま、今日中に再び原宿に行かないといけないからね」
エレーナ:「そういうことだな」
二重橋前駅を出ると、そのまま地下道を進む。
マリア:「ここは駅の外?」
稲生:「そうです。丸の内のオフィスビル街の地下ですよ。ビルの地下同士が繋がっていて、こうして地下道を形成しているんです」
マリア:「そうなんだ」
稲生:「この地下道を進んで行けば、東京駅に辿り着けるというわけですよ」
マリア:「へえ……」
そして、ある場所で地上に上がると……。
稲生:「東京駅の丸の内側です。ちょうどレンガ造りの駅舎の前ですね」
ルーシー:「ネットで見た画像!」
ルーシーはカメラを出すとそれで駅舎の写真を撮り出した。
稲生:(ネットって……。僕が言うのも何だけど、魔女もネットに毒されるんだなぁ……)
エレーナ:「せっかくだから、また3人で撮ってもらおうぜ」
稲生:「あ、それいいね」
稲生は自分のスマホを取り出した。
稲生:「はい、笑って笑ってー」
いつもエレーナが真ん中に写るのである。
稲生:「じゃ、写真は雷門で撮ったのと同じようにするからね」
ルーシー:「ありがとう」
稲生:「それじゃ、早速中に入りましょう」
駅構内に入り、自動券売機に向かう。
ルーシー:「きれいねぇ!」
改札口の外側にある吹き抜けを見て嘆息するルーシー。
エレーナ:「マリアンナの屋敷には無いタイプだな」
マリア:「確かに、こういう丸天井は無いなぁ……」
しばらくして稲生が戻って来た。
稲生:「まずはこの乗車券でそこの改札口に入ります」
ルーシー:「分かったわ」
エレーナ:「その理由、鉄ヲタの読者なら分かるだろうな」
マリア:「読者?」
丸の内側の改札口から、まずはJR東日本のコンコースに入る。
それから、東海道新幹線の乗換改札口に向かう。
JR東日本のは改札口が緑色なのに対し、東海道新幹線は青色である。
コーポレートカラーはオレンジなのだから、改札口もオレンジなのではと思うだろうが、それは在来線で使用されている。
稲生:「ここでは乗車券と特急券を2枚入れます」
エレーナ:「その理由も鉄ヲタなら……」
ルーシー:「エレーナ、うるさい」
と、今度はJR東海のコンコースに入るわけである。
稲生:「えーと……今度の“こだま”号は15番線からか。第7ホームだな」
ルーシー:「少し時間ある?」
稲生:「そうだね」
エレーナ:「ちょうどお昼だ。駅弁でも買って行こうぜ」
マリア:「車内販売は?」
稲生:「“こだま”は無いんですよ」
ハク人形:「ちっ!」
ミク人形:「ちっ!」
稲生:「でも、帰りは車内販売のある電車で帰ろうと思ってるよ」
ハク人形:「!」
ミク人形:「!」
エレーナ:「ま、それが何なのかは稲生氏に任せるとして……駅弁どこだ?腹減った」
ルーシー:「あんたさっき大きいクレープ食べてたでしょ?」
エレーナ:「甘い物は別腹だぜ」
マリア:「太ってホウキが飛ばなくなっても知らないぞ」
ふっくらした体型の魔女がホウキに乗るシーンが無いのはその為。
もっとも、そういった者は別に魔法で移動することができるので、不便は無いらしいが。
稲生:「ここだよ、ここ」
エレーナ:「おー!さすが東京駅は種類が豊富だなー」
稲生:「マリアさん達は食べます?」
マリア:「ま、せっかくだから何か食べよう」
ルーシー:「エレーナじゃないけど、美味しそうだしね」
エレーナ:「稲生氏の奢り〜」
稲生:「それは自分で買え!」
マリア:「当たり前だろうが……」
マリア、怒りを通り越して最早呆れレベル。
稲生:「“深川めし”にしよう」
ルーシー:「私もランチは魚にしようかな」
エレーナ:「私は何にしようかな〜?」
それぞれ駅弁と飲み物を買ってホームに上がった。
〔♪♪♪♪。新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく15番線に、“ひかり”514号が入線致します。安全柵の内側まで、お下がりください。この後、この電車は12時26分発、“こだま”655号、名古屋行きとなります。車内の整備が終わるまで、お待ちください〕
稲生:「大井基地から来るヤツじゃなかったか」
階段を上がった4人、自由席の車両に向かう。
もっとも、“こだま”は自由席の方が多いくらいだ。
前の方に向かって歩いていると、ゴォッと比較的高速で列車が入線してきた。
ただでさえ有効長稼ぎの為に曲がっているホーム。
それが第7ホームともなると、もっと曲がっている。
隣のJR東日本新幹線と曲がる角度が同じなのは、元々このホームは旧国鉄時代、東北新幹線用として用意されたからである。
東海道新幹線の本数が増えた為、急きょこのホームを東海道新幹線用に転用し、現在に至る。
しかし、その時の名残りが未だに存在する部分がある。
それは一般乗客には分からない程度で。
〔とうきょう、東京です。とうきょう、東京です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
ここまでの乗客がぞろぞろと降りて来る。
稲生達は1号車のドアの前で待っていた。
この車両にしたのは1番空いているというのもあるが、ルーシーが写真を撮って戻って来やすいからである。
稲生:「この前乗ったのはただのN700系だったけど、今度のはN700AのAdvanceだ」
エレーナ:「下車駅が小田原じゃすぐだな」
稲生:「まあね。急きょ乗ることが決まったんじゃ、しょうがないよ。それに、新横浜〜小田原間は距離があるから、“こだま”でも最高速度285キロで走るからね。高速気分を体験することはできるよ」
ルーシー:「確かにこの前乗った時、速く感じた所があった」
稲生:「ちゃんとその部分は乗るので、ご心配無く」
自由席の少ない“のぞみ”や“ひかり”には長い列ができるが、“こだま”はそれほどでもなかった。