[11月3日18:54.天候:晴 東京都墨田区江東橋 都営バス錦糸町駅前停留所→都営バス錦11系統車内]
錦糸町駅の駅ビルで夕食を取った。
リサのヤツ、再び焼き肉食べ放題を希望した。
この前行った店は宴会コースはあったものの、食べ放題ではなかった為、リサにとってはボリュームが足りなかったらしい。
そこで夕食を食べ終わると、今度は駅に行ってリサのPasmoにチャージした。
これがリサへの小遣いとなるわけである。
都内ならコンビニだの、マックだの、だいたいチェーン店ならもうICカードが使えるので不便ではない。
ただ、街角の自販機などでは、未だに現金のみという機械も多々あるが。
それからバス停に行く。
愛原:「高橋のヤツも電車に乗ったらしいな」
リサ:「そう」
やってきたバスに乗り込む。
始発の停留所から乗ったことで、帰りは2人席に座れた。
祝日なので乗客は少なく、平日の同じ時間と比べれば空いていた。
このバスは前扉のすぐ後ろの席が燃料タンクが設置されている関係で廃止されているが、運転席の後ろの席もコロナ禍の影響で使用禁止になっている。
〔発車致します。お掴まりください〕
バスが走り出す。
降車停留所はロータリーの外にあったが、乗車停留所はロータリーの中にある。
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。この都営バスは菊川駅前、浜町中の橋、茅場町経由、築地駅前行きです。次は錦糸堀、錦糸堀でございます。……〕
リサ:「あっ」
愛原:「どうした?」
バスがロータリーを出て錦糸町駅前交差点に出た時だった。
リサ:「レンゲとアイリがいる」
リサが指さすと、確かに駅前通りの歩道を見覚えのある顔が歩いていた。
リサ:「こっちに気づいた」
先に気づいたのは蓮華。
やはり勘が鋭いようである。
2人とも私服を着ていて、それだけ見ると普通のJK・JCのようなのだが。
リサ:「どうする?手を振ろうか?」
愛原:「好きにしろよ」
しかしリサが手を振る前に、バスが動き出した。
愛原:「やっぱり知り合いがいるんだな」
リサ:「特に私の学校、電車やバスで通うコもいるから」
そこは私立だからか。
高校ともなれば、公立でも電車やバスで通うこともザラだろうが。
愛原:「リサは高等部、どこの校舎に通うんだ?」
リサ:「多分、私は上野になると思う。池袋は工業科だし、本八幡は商業科とか家政科だし」
将来、大学進学を目指す普通科などがある高等部は上野校舎になる。
もっとも、工業科でも更に工業大学とか工業系専門学校とか、商業科でも大学の商学部とか商業系専門学校とかに進みたい生徒がそこから進学することもあるという。
なので工業科だから、商業科だから卒業後は必ず就職とは限らないのである。
とはいえ、今のリサには専門的に工業とか商業を学びたいということはないので、普通科に進むつもりでいる。
今のところ高校進学まではそこまで決まっているものの、大学進学は朧気ながらするくらいに考えており、どこの大学のどの学部なのかまでは決まっていないのが実情だ。
一番良いのは善場主任のスカウトでリサの生殺与奪が決まったわけだから、善場主任の卒業した大学に進むのが無難ではないかと思う。
まあ、ああいう国家公務員が卒業した大学だから、東大とかの有名国立大辺りだろうなぁ……。
今度聞いてみるとしよう。
霧生市の探索の時、一緒のようだから。
[同日19:02.天候:晴 同区菊川 都営バス菊川一丁目停留所]
〔「菊川一丁目です」〕
電車のドアチャイムみたいに、ピンポンピンポン鳴りながら中扉が開く。
私達はそこからバスを降りた。
バス通りたる新大橋通りを少しだけ戻って、最初の交差点で信号が青になるのを待った。
リサ:「あっ、お兄ちゃんだ」
愛原:「おー、本当だ」
通りの向こう側を高橋が1人で歩いていた。
菊川駅の方から来た所を見ると、霧崎さんとは駅で別れたらしい。
彼女のマンションは菊川3丁目にあるから、確かに駅を出れば方向は左右に別れることになる。
信号が青になったので、私達は速足で通りを渡った。
愛原:「高橋」
高橋:「あっ、先生。先生も今お帰りですか」
愛原:「そうだ。ちょっと外食して来たところだ」
高橋:「また焼き肉でもしてきたんですか?」
愛原:「よく分かったな」
高橋:「分かりますよ。煙の匂いとかが微かにしますんで」
愛原:「マジか!オマエも探偵らしくなってきたな」
高橋:「マジっスか!?」
愛原:「ああ。探偵に必要なのは、常に五感を働かせることだって言ったよな?それが鍛えられることで、自ずと第六感も働くようになるんだ」
高橋:「た、確かに!だいぶ前、教わりました!」
愛原:「そういうことなんだよ。もちろん、別に俺達は悪いことをしてきたわけじゃないが、もし相手が犯人だった場合、そういう臭いを感じ取ることも大事なんだよ」
高橋:「なるほど!重要ですね!」
高橋は手帳を取り出すと、すぐに私の言ったことをメモした。
リサ:「血の匂いとか?」
愛原:「そう。血の臭いとか。いち早く気づくと、思わぬ事件解決に繋がったり、自分が被害者になることを回避できたりするからな。バカにできないよ」
高橋:「仰る通りです」φ(`д´)メモメモ...
愛原:「というわけで、一緒に帰ろうか」
高橋:「はい!」
私達は一緒にマンションに帰ることにした。
愛原:「霧崎さんとはどうだった?」
高橋:「おかげさまで楽しめましたよ。真珠からは、『結婚まだァ?』とか言われましたけど」
愛原:「お前に言ってもしょうがないのにな。俺が許可してないんだから」
高橋:「そうですね」
リサ:「ホテル行ったの!?」
リサは少し鼻息を荒くして聞いて来た。
高橋:「あぁ?」
愛原:「こら、リサ。そういう質問は、18歳になってからだ」
高橋:「危うく『穴あきゴム』使わされそうになったんで、一瞬にして萎えちゃいましたよ」
愛原:「既成事実を作るつもりか……!」
高橋:「さ、サーセン」
リサ:「『穴あきゴム』?」
愛原:「こら、リサ。18歳になってからだぞ」
しかし、今は情報過多の時代。
リサが自分のPCでネット検索すれば、一発でその意味を理解できるだろう。
リサ:「じゃあ、18歳になったら色々教えてねー?」
愛原:「あ、ああ、分かった」
ま、18歳以上なら問題無かろう。
多分……。
錦糸町駅の駅ビルで夕食を取った。
リサのヤツ、再び焼き肉食べ放題を希望した。
この前行った店は宴会コースはあったものの、食べ放題ではなかった為、リサにとってはボリュームが足りなかったらしい。
そこで夕食を食べ終わると、今度は駅に行ってリサのPasmoにチャージした。
これがリサへの小遣いとなるわけである。
都内ならコンビニだの、マックだの、だいたいチェーン店ならもうICカードが使えるので不便ではない。
ただ、街角の自販機などでは、未だに現金のみという機械も多々あるが。
それからバス停に行く。
愛原:「高橋のヤツも電車に乗ったらしいな」
リサ:「そう」
やってきたバスに乗り込む。
始発の停留所から乗ったことで、帰りは2人席に座れた。
祝日なので乗客は少なく、平日の同じ時間と比べれば空いていた。
このバスは前扉のすぐ後ろの席が燃料タンクが設置されている関係で廃止されているが、運転席の後ろの席もコロナ禍の影響で使用禁止になっている。
〔発車致します。お掴まりください〕
バスが走り出す。
降車停留所はロータリーの外にあったが、乗車停留所はロータリーの中にある。
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。この都営バスは菊川駅前、浜町中の橋、茅場町経由、築地駅前行きです。次は錦糸堀、錦糸堀でございます。……〕
リサ:「あっ」
愛原:「どうした?」
バスがロータリーを出て錦糸町駅前交差点に出た時だった。
リサ:「レンゲとアイリがいる」
リサが指さすと、確かに駅前通りの歩道を見覚えのある顔が歩いていた。
リサ:「こっちに気づいた」
先に気づいたのは蓮華。
やはり勘が鋭いようである。
2人とも私服を着ていて、それだけ見ると普通のJK・JCのようなのだが。
リサ:「どうする?手を振ろうか?」
愛原:「好きにしろよ」
しかしリサが手を振る前に、バスが動き出した。
愛原:「やっぱり知り合いがいるんだな」
リサ:「特に私の学校、電車やバスで通うコもいるから」
そこは私立だからか。
高校ともなれば、公立でも電車やバスで通うこともザラだろうが。
愛原:「リサは高等部、どこの校舎に通うんだ?」
リサ:「多分、私は上野になると思う。池袋は工業科だし、本八幡は商業科とか家政科だし」
将来、大学進学を目指す普通科などがある高等部は上野校舎になる。
もっとも、工業科でも更に工業大学とか工業系専門学校とか、商業科でも大学の商学部とか商業系専門学校とかに進みたい生徒がそこから進学することもあるという。
なので工業科だから、商業科だから卒業後は必ず就職とは限らないのである。
とはいえ、今のリサには専門的に工業とか商業を学びたいということはないので、普通科に進むつもりでいる。
今のところ高校進学まではそこまで決まっているものの、大学進学は朧気ながらするくらいに考えており、どこの大学のどの学部なのかまでは決まっていないのが実情だ。
一番良いのは善場主任のスカウトでリサの生殺与奪が決まったわけだから、善場主任の卒業した大学に進むのが無難ではないかと思う。
まあ、ああいう国家公務員が卒業した大学だから、東大とかの有名国立大辺りだろうなぁ……。
今度聞いてみるとしよう。
霧生市の探索の時、一緒のようだから。
[同日19:02.天候:晴 同区菊川 都営バス菊川一丁目停留所]
〔「菊川一丁目です」〕
電車のドアチャイムみたいに、ピンポンピンポン鳴りながら中扉が開く。
私達はそこからバスを降りた。
バス通りたる新大橋通りを少しだけ戻って、最初の交差点で信号が青になるのを待った。
リサ:「あっ、お兄ちゃんだ」
愛原:「おー、本当だ」
通りの向こう側を高橋が1人で歩いていた。
菊川駅の方から来た所を見ると、霧崎さんとは駅で別れたらしい。
彼女のマンションは菊川3丁目にあるから、確かに駅を出れば方向は左右に別れることになる。
信号が青になったので、私達は速足で通りを渡った。
愛原:「高橋」
高橋:「あっ、先生。先生も今お帰りですか」
愛原:「そうだ。ちょっと外食して来たところだ」
高橋:「また焼き肉でもしてきたんですか?」
愛原:「よく分かったな」
高橋:「分かりますよ。煙の匂いとかが微かにしますんで」
愛原:「マジか!オマエも探偵らしくなってきたな」
高橋:「マジっスか!?」
愛原:「ああ。探偵に必要なのは、常に五感を働かせることだって言ったよな?それが鍛えられることで、自ずと第六感も働くようになるんだ」
高橋:「た、確かに!だいぶ前、教わりました!」
愛原:「そういうことなんだよ。もちろん、別に俺達は悪いことをしてきたわけじゃないが、もし相手が犯人だった場合、そういう臭いを感じ取ることも大事なんだよ」
高橋:「なるほど!重要ですね!」
高橋は手帳を取り出すと、すぐに私の言ったことをメモした。
リサ:「血の匂いとか?」
愛原:「そう。血の臭いとか。いち早く気づくと、思わぬ事件解決に繋がったり、自分が被害者になることを回避できたりするからな。バカにできないよ」
高橋:「仰る通りです」φ(`д´)メモメモ...
愛原:「というわけで、一緒に帰ろうか」
高橋:「はい!」
私達は一緒にマンションに帰ることにした。
愛原:「霧崎さんとはどうだった?」
高橋:「おかげさまで楽しめましたよ。真珠からは、『結婚まだァ?』とか言われましたけど」
愛原:「お前に言ってもしょうがないのにな。俺が許可してないんだから」
高橋:「そうですね」
リサ:「ホテル行ったの!?」
リサは少し鼻息を荒くして聞いて来た。
高橋:「あぁ?」
愛原:「こら、リサ。そういう質問は、18歳になってからだ」
高橋:「危うく『穴あきゴム』使わされそうになったんで、一瞬にして萎えちゃいましたよ」
愛原:「既成事実を作るつもりか……!」
高橋:「さ、サーセン」
リサ:「『穴あきゴム』?」
愛原:「こら、リサ。18歳になってからだぞ」
しかし、今は情報過多の時代。
リサが自分のPCでネット検索すれば、一発でその意味を理解できるだろう。
リサ:「じゃあ、18歳になったら色々教えてねー?」
愛原:「あ、ああ、分かった」
ま、18歳以上なら問題無かろう。
多分……。