[11月7日10:30.天候:曇 某県霧生市西部郊外 県道(霧生バイパス)]
『7番』のリサ(以下、『7番』とする):「がっ……!」
おきゃんな感じで登場したリサ・トレヴァー。
しかしその仮面を善場主任がいきなり打ち壊した。
仮面の内側には『7』という番号が印字されていたようだ。
すると、こいつは『7番』か。
善場:「無駄口叩くなら、こちらの質問に答えなさい。『1番』はどこ?」
『7番』:「さあね。でも、『0番』なら知ってるよ」
善場主任、更に手持ちのハンドガンをバンバン『7番』に発砲する。
心なしか、善場主任が動揺しているような気がする。
ポーカーフェイスの彼女は、その表情からはなかなか読み取れないのだが。
栗原蓮華:「化け物は斬る!」
仮面の下は鬼だった。
両目はうちの『2番』と違って金色の瞳だが、ニヤけた顔からはしっかり鋭い牙が覗いている。
そして、額の上には角が2本生えていた。
『7番』:「ヒドーイ!化け物なんて!せめて『鬼』って言ってよ!」
蓮華:「うるさい!同じようなものだ!」
蓮華さんは本物の右足や義足の左足を踏み込んで、『7番』に斬り掛かる。
『2番』のリサも両手の爪を鋭く尖らせて、『7番』に掛かった。
オリジナル版のリサ・トレヴァーは普段の動きは緩慢だったそうだが、いざ戦闘となれば人外的な跳躍力や怪力を振るったという(それでも何故か、特殊部隊員達を先回りしていたことがあったらしいが)。
しかし日本版の彼女らは、俊敏性も備わっている。
『7番』:「ピィーッ!」
『7番』が指笛を吹いた。
すると!
ハンターα:「ガァッ!」
ハンターβ:「ガウゥウ……!」
高架となっている道路の下からハンターが2匹飛び上がって来た。
どうやら『7番』はハンターを使役できるらしい。
愛原リサ(以下、『2番』とする):「私に任せて!」
蓮華:「……頼む」
蓮華さんは『7番』に集中し、ハンター達は『2番』のリサやBSAA隊員達が対応した。
蓮華:「本当に『1番』を知らないのか!?私の兄弟を食い殺し、私の左足を食い千切ったヤツだ!」
『7番』:「知らないよ。でも、『0番』は知ってるよ」
蓮華:「だったら『0番』はどこだ!?」
『7番』:「私に勝ったら教えるって言ったじゃない。……あら?もうやられちゃった」
ハンター2匹はリサとBSAA隊員達に倒されてしまった。
『7番』:「もういっちょ!」
『7番』が再び指笛を吹くと、今度はハンターγの他、ファルファレルロというインビシブルタイプのハンターも現れた。
これは止まっている時、動いている時は姿を消すことができるハンターのことである。
但し、攻撃する際や、攻撃を受けた際に姿を現してしまう。
BSAA隊員A:「消えた!?」
BSAA隊員B:「くそっ!見えない!」
BSAA隊長:「落ち着け!」
『2番』:「私に任せて!」
『2番』のリサは鼻が利く。
例え姿を消すことができるハンターであっても、臭いまでは消せず、リサ・トレヴァーには誤魔化せなかった。
『2番』:「そこだっ!」
『2番』のリサは空間に対し、鋭く尖った自分の爪を振り下ろした。
ファルファレルロA:「ギャッ!」
顔を『2番』のリサに引っ掛かれたファルファレルロAは、顔から血を流して姿を現した。
しかし気を取り直して、再び姿を消そうとする。
隊長:「させるか!撃てっ!撃てっ!」
BSAA隊員達がファルファレルロAに対して、マシンガンやショットガンの集中砲火を浴びせる。
ハンターγ:「グワーッ!」
高橋:「しゃらぁーっ!」
ハンターγは高橋を丸呑みにしようと口を大きく開けて近づいてきたが、高橋がそいつの口の中にマグナム44を撃ち込んだ。
善場:「その調子です!」
善場主任も高橋と一緒にハンターγの口の中に撃ち込んだ。
愛原:「!?」
しかし私は背後に気配を感じて、思わず振り向き様、手持ちのショットガンを発砲した。
それが人間だったらエラいことになっていたが、幸いそいつは人間ではなく……。
ファルファレルロB:「ギャッ!」
消えるハンターだった。
それは一匹だけではなかったのだ。
愛原:「ここにもいやがった!リサ!」
『2番』:「今行くよー!」
高橋:「先生!よく気が付きましたね!?さすがっス!」
愛原:「第六感か……」
『2番』のリサが私の所へ走って来る。
手は血だらけだったが、自分がケガしたのではなく、ハンターを引っ掻き殺した際の血だ。
その血を舐めとるリサ。
『2番』:「ちっ、マズい。さすが化け物」
愛原:「そりゃそうだろ」
『2番』:「やっぱり先生の血が一番美味しそう。てか、絶対美味しい」
愛原:「勝手に美味認定すんな。とにかく、あのハンターも倒してくれ」
『2番』:「うん。先生の命令は絶対。報酬は?」
愛原:「ん!?」
『2番』:「報酬」
リサはまるで小遣いをねだるかのような仕草をした。
愛原:「分かった分かった。また、マッサージで俺の老廃物吸っていいから」
『2番』:「やった!契約成立ぅ!」
『2番』のリサは喜び勇んで、もう一匹の消えるハンターの所に走って行った。
そして彼女は、私の命令通り、そいつに対して『流血の惨』を見舞わせたのである。
『7番』:「ぐっ……!」
『7番』のリサの胸に日本刀を突き刺した蓮華。
蓮華:「あんたがこのくらいでは死なないことは分かってる。だけど、実力差は分かったはずだ。さあ!『0番』がどこにいるか言え!」
『7番』:「『0番』ね。すぐ近くにいるよ。分かんないの?」
蓮華:「は?」
『7番』:「ほら。すぐそこにいるじゃない」
『7番』はある方向を指さした。
だが、蓮華はその方向を見ない。
その隙を突いて攻撃してくることは明らかだったからだ。
『7番』:「引っ掛からなかったか」
蓮華:「当たり前だ!フザけるな!」
蓮華はそう言って『7番』の首を跳ね飛ばした。
ゴロンと首は道路の上に落ち、残った首からしたはドッと道路の上に倒れた。
首からはどす黒い血が噴き出している。
『7番』:「ウソは付いてない……よ……。本当に、すぐ近くに……『0番』は……いる……。『1番』は……いない……」
『7番』のリサはドロドロに溶けていった。
死んだら骨すら残さず消えるのが、人工生物兵器たるBOWの宿命なのである。
蓮華:「っ……!」
蓮華は『7番』が指さした方を振り向いた。
そこにいたのはBSAA隊員達以外の全員であった。
即ち、そこに私も含まれている。
もちろん、私はリサ・トレヴァー『0番』なんかではない。
左腋の下にそんな番号、入れ墨なんかされていない。
もちろん、高橋も違う。
旅行に行った時、一緒に大浴場に入ったことがあるが、あいつの左腋の下には何も無かったはずだ。
となると、残りは……。
善場:「すぐにHQに報告を!」
隊長:「少々お待ちください」
栗原愛里:「終わったの……?」
蓮華:「愛里!トラックの中にいな!」
愛原:「蓮華さん。きっと『7番』は、キミを惑わす為にあんなことを言ったんだ。あるいは、もっと向こうの方にいるのかもしれないよ?BOWの感覚は、人間のそれとはズレてるから」
蓮華:「そうかもしれませんね。あいつらは平気でウソを吐きますから。人間を好きなだけ食う癖に、いざ自分が殺されそうになったら、助かる為に平気でウソを吐く。『3番』も『5番』もそうでした」
愛原:「これでキミが倒したのは、『3番』『5番』『7番』か。奇しくも奇数だね。でもこの流れで行けば、『1番』も奇数だから、きっと倒せるよ」
蓮華:「そうしたいです」
愛原:「だから、『2番』のリサは偶数だから殺さないでね?」
蓮華:「それは、本当に人を食わないことが分かったら約束します」
愛原:「大丈夫だよ」
でもやっぱり代わりの餌は必要か。
人間にとって老廃物は必要の無いものだし、『2番』のリサがそれで満足だって言うなら、それは妥協してあげてもいいような気がする。
『7番』のリサ(以下、『7番』とする):「がっ……!」
おきゃんな感じで登場したリサ・トレヴァー。
しかしその仮面を善場主任がいきなり打ち壊した。
仮面の内側には『7』という番号が印字されていたようだ。
すると、こいつは『7番』か。
善場:「無駄口叩くなら、こちらの質問に答えなさい。『1番』はどこ?」
『7番』:「さあね。でも、『0番』なら知ってるよ」
善場主任、更に手持ちのハンドガンをバンバン『7番』に発砲する。
心なしか、善場主任が動揺しているような気がする。
ポーカーフェイスの彼女は、その表情からはなかなか読み取れないのだが。
栗原蓮華:「化け物は斬る!」
仮面の下は鬼だった。
両目はうちの『2番』と違って金色の瞳だが、ニヤけた顔からはしっかり鋭い牙が覗いている。
そして、額の上には角が2本生えていた。
『7番』:「ヒドーイ!化け物なんて!せめて『鬼』って言ってよ!」
蓮華:「うるさい!同じようなものだ!」
蓮華さんは本物の右足や義足の左足を踏み込んで、『7番』に斬り掛かる。
『2番』のリサも両手の爪を鋭く尖らせて、『7番』に掛かった。
オリジナル版のリサ・トレヴァーは普段の動きは緩慢だったそうだが、いざ戦闘となれば人外的な跳躍力や怪力を振るったという(それでも何故か、特殊部隊員達を先回りしていたことがあったらしいが)。
しかし日本版の彼女らは、俊敏性も備わっている。
『7番』:「ピィーッ!」
『7番』が指笛を吹いた。
すると!
ハンターα:「ガァッ!」
ハンターβ:「ガウゥウ……!」
高架となっている道路の下からハンターが2匹飛び上がって来た。
どうやら『7番』はハンターを使役できるらしい。
愛原リサ(以下、『2番』とする):「私に任せて!」
蓮華:「……頼む」
蓮華さんは『7番』に集中し、ハンター達は『2番』のリサやBSAA隊員達が対応した。
蓮華:「本当に『1番』を知らないのか!?私の兄弟を食い殺し、私の左足を食い千切ったヤツだ!」
『7番』:「知らないよ。でも、『0番』は知ってるよ」
蓮華:「だったら『0番』はどこだ!?」
『7番』:「私に勝ったら教えるって言ったじゃない。……あら?もうやられちゃった」
ハンター2匹はリサとBSAA隊員達に倒されてしまった。
『7番』:「もういっちょ!」
『7番』が再び指笛を吹くと、今度はハンターγの他、ファルファレルロというインビシブルタイプのハンターも現れた。
これは止まっている時、動いている時は姿を消すことができるハンターのことである。
但し、攻撃する際や、攻撃を受けた際に姿を現してしまう。
BSAA隊員A:「消えた!?」
BSAA隊員B:「くそっ!見えない!」
BSAA隊長:「落ち着け!」
『2番』:「私に任せて!」
『2番』のリサは鼻が利く。
例え姿を消すことができるハンターであっても、臭いまでは消せず、リサ・トレヴァーには誤魔化せなかった。
『2番』:「そこだっ!」
『2番』のリサは空間に対し、鋭く尖った自分の爪を振り下ろした。
ファルファレルロA:「ギャッ!」
顔を『2番』のリサに引っ掛かれたファルファレルロAは、顔から血を流して姿を現した。
しかし気を取り直して、再び姿を消そうとする。
隊長:「させるか!撃てっ!撃てっ!」
BSAA隊員達がファルファレルロAに対して、マシンガンやショットガンの集中砲火を浴びせる。
ハンターγ:「グワーッ!」
高橋:「しゃらぁーっ!」
ハンターγは高橋を丸呑みにしようと口を大きく開けて近づいてきたが、高橋がそいつの口の中にマグナム44を撃ち込んだ。
善場:「その調子です!」
善場主任も高橋と一緒にハンターγの口の中に撃ち込んだ。
愛原:「!?」
しかし私は背後に気配を感じて、思わず振り向き様、手持ちのショットガンを発砲した。
それが人間だったらエラいことになっていたが、幸いそいつは人間ではなく……。
ファルファレルロB:「ギャッ!」
消えるハンターだった。
それは一匹だけではなかったのだ。
愛原:「ここにもいやがった!リサ!」
『2番』:「今行くよー!」
高橋:「先生!よく気が付きましたね!?さすがっス!」
愛原:「第六感か……」
『2番』のリサが私の所へ走って来る。
手は血だらけだったが、自分がケガしたのではなく、ハンターを引っ掻き殺した際の血だ。
その血を舐めとるリサ。
『2番』:「ちっ、マズい。さすが化け物」
愛原:「そりゃそうだろ」
『2番』:「やっぱり先生の血が一番美味しそう。てか、絶対美味しい」
愛原:「勝手に美味認定すんな。とにかく、あのハンターも倒してくれ」
『2番』:「うん。先生の命令は絶対。報酬は?」
愛原:「ん!?」
『2番』:「報酬」
リサはまるで小遣いをねだるかのような仕草をした。
愛原:「分かった分かった。また、マッサージで俺の老廃物吸っていいから」
『2番』:「やった!契約成立ぅ!」
『2番』のリサは喜び勇んで、もう一匹の消えるハンターの所に走って行った。
そして彼女は、私の命令通り、そいつに対して『流血の惨』を見舞わせたのである。
『7番』:「ぐっ……!」
『7番』のリサの胸に日本刀を突き刺した蓮華。
蓮華:「あんたがこのくらいでは死なないことは分かってる。だけど、実力差は分かったはずだ。さあ!『0番』がどこにいるか言え!」
『7番』:「『0番』ね。すぐ近くにいるよ。分かんないの?」
蓮華:「は?」
『7番』:「ほら。すぐそこにいるじゃない」
『7番』はある方向を指さした。
だが、蓮華はその方向を見ない。
その隙を突いて攻撃してくることは明らかだったからだ。
『7番』:「引っ掛からなかったか」
蓮華:「当たり前だ!フザけるな!」
蓮華はそう言って『7番』の首を跳ね飛ばした。
ゴロンと首は道路の上に落ち、残った首からしたはドッと道路の上に倒れた。
首からはどす黒い血が噴き出している。
『7番』:「ウソは付いてない……よ……。本当に、すぐ近くに……『0番』は……いる……。『1番』は……いない……」
『7番』のリサはドロドロに溶けていった。
死んだら骨すら残さず消えるのが、人工生物兵器たるBOWの宿命なのである。
蓮華:「っ……!」
蓮華は『7番』が指さした方を振り向いた。
そこにいたのはBSAA隊員達以外の全員であった。
即ち、そこに私も含まれている。
もちろん、私はリサ・トレヴァー『0番』なんかではない。
左腋の下にそんな番号、入れ墨なんかされていない。
もちろん、高橋も違う。
旅行に行った時、一緒に大浴場に入ったことがあるが、あいつの左腋の下には何も無かったはずだ。
となると、残りは……。
善場:「すぐにHQに報告を!」
隊長:「少々お待ちください」
栗原愛里:「終わったの……?」
蓮華:「愛里!トラックの中にいな!」
愛原:「蓮華さん。きっと『7番』は、キミを惑わす為にあんなことを言ったんだ。あるいは、もっと向こうの方にいるのかもしれないよ?BOWの感覚は、人間のそれとはズレてるから」
蓮華:「そうかもしれませんね。あいつらは平気でウソを吐きますから。人間を好きなだけ食う癖に、いざ自分が殺されそうになったら、助かる為に平気でウソを吐く。『3番』も『5番』もそうでした」
愛原:「これでキミが倒したのは、『3番』『5番』『7番』か。奇しくも奇数だね。でもこの流れで行けば、『1番』も奇数だから、きっと倒せるよ」
蓮華:「そうしたいです」
愛原:「だから、『2番』のリサは偶数だから殺さないでね?」
蓮華:「それは、本当に人を食わないことが分かったら約束します」
愛原:「大丈夫だよ」
でもやっぱり代わりの餌は必要か。
人間にとって老廃物は必要の無いものだし、『2番』のリサがそれで満足だって言うなら、それは妥協してあげてもいいような気がする。