[11月7日07:15.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 ダイワリンクホテル会津田島→国道289号線上]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
ホテルで朝食を済ませた私達は、早速出発の準備をした。
それからエントランス前に迎えに来ていた車に乗り込む。
シルバーのハイエースワゴンだった。
予想通り、運転席と助手席には善場主任の部下がいる。
私達がエントランスから出ると、助手席の黒服が降りて来て、助手席後ろのスライドドアを開けた。
部下A:「荷物がありましたら、後ろに積んでください」
愛原:「分かりました」
私は着替えやノートPCなどの入ったバッグを後ろに置いた。
部下A:「愛原所長方は後ろの席へどうぞ」
愛原:「分かりました」
1番後ろの席に3人並んで座る。
その前に栗原姉妹、そして運転席の後ろに善場主任が乗り込んだ。
部下A:「よろしいでしょうか?」
善場:「はい。では、出発してください」
部下A:「はい」
スライドドアが自動で閉まる。
部下B:「それでは出発します」
車が走り出す。
ホテルの駐車場から公道に出て、国道との交差点の赤信号で止まった。
その時、善場主任が振り向いた。
善場:「蓮華さん、刀は袋から出して構いませんよ」
蓮華:「はい」
蓮華さんは麻袋から日本刀を取り出した。
愛原:「立派な刀だね」
蓮華:「ええ。これは祖父の家にあった物です。私が化け物を斬る為ならと貸してくれました」
そう言って蓮華さんは、チラッとリサの方を見た。
藤野の決闘ではこの刀を使うことは許可されなかったが、その刀はリサ・トレヴァー『3番』と『5番』を斬った刀である。
今度は『1番』を斬ろうとしている。
愛原:「リサは本当に手から触手を出せるのか?」
リサ:「うん、出せる」
もっとも、その為に第1形態に変化しないといけないらしい。
ここで変化するのは、栗原姉妹の前では御法度か。
善場:「必要があれば、第1形態への変化を許可します。そして栗原蓮華さん、そちらのリサは許可無く攻撃を禁じます」
蓮華:「分かりました」
善場:「あなた達の仇を探し出すのに、そちらのリサの極力は不可欠ですからね」
蓮華:「分かってます」
[同日09:00.天候:晴 某県霧生市市境]
途中で休憩を挟みつつも、車は順調に霧生市に近づいた。
霧生市の近くまで行く国道は狭窄路もある貧弱なものだったが、突然現れた県道は立派なものだった。
青い看板に大きく『霧生市⇒』と書かれていたが、その看板そのものが錆びだらけて曲がっていた。
何より途中、いくつも『霧生市方面全面通行止め』『霧生市への進入は非常事態宣言により立入が禁止されています』『霧生市への無断進入は法律により罰せられます。 国家公安委員会』という看板が現れたほどだ。
そこへ向かう一本の県道の入口には、厳重なゲートが設置されていた。
一時期は自衛隊が直接警備していたようだが、今は地元警察が警備しているようだ。
同じ立入制限でも、民間の警備会社が警備している福島第一原発とは大違いである。
それは、警察の装備でも大丈夫ということが確認されたからだろう。
今回の調査でリサ・トレヴァー達を殲滅または捕獲し、特に『1番』を倒すことができれば、晴れて政府は安全宣言を出せるというものだ。
部下A:「主任、おかしいです。警察官の姿がありません」
善場:「ええっ!?」
ゲートは厳重に閉じられていたが、監視所には誰もいなかった。
善場:「どういうことなの?24時間詰めているはずなのに……」
部下B:「確認してきます」
部下Bは車を降りて、監視所に向かった。
そして、監視所を覗き込むなり、急いで戻って来た。
部下B:「主任、大変です!警察官達はいませんが、中が血だらけで荒らされています!何者かの襲撃を受けたようです!」
善場:「何ですって?!」
と、その時だった。
遠くから銃声の音がした。
山にこだましていることから、ゲートの向こうらしい。
ゲートの向こうということは……。
愛原:「主任!確か、この向こうでBSAAと合流することになっているんでしたね?」
善場:「そうです」
こだまする銃声にはマシンガンやショットガンの音も聞こえてくることから、どうやらBSAAが何者かと交戦状態に入ったらしい。
愛原:「BSAAの無線は!?」
善場:「ここでは無線が入りません。これは想定外です。一度引き返して、善後策を……」
リサ:「待って!何か聞こえる」
リサが監視所を指さした。
リサ:「電話が鳴ってるよ」
確かに監視所の中から電話の音がした。
善場:「私が行ってきます」
部下B:「お供します」
善場主任と部下Bが再び車を降りる。
善場:「あなたはいつでも車を出せるようにしてて」
部下A:「はっ」
愛原:「俺達も武器を装備しよう」
高橋:「はい」
私はショットガン、高橋はハンドガンを装備した。
高野君ならライフルで狙撃することもできるのだが、そこは残念だ。
部下A:「あっ!」
善場主任が電話を取ってやり取りをした直後、ゾンビが現れた。
どうやら外からは見えなかったが、警察官の死体が屋内に倒れていたらしい。
正しく、生前は監視所に詰めていたであろう警察官がゾンビ化して善場主任達に襲い掛かった。
愛原:「危ない!」
私は車を降りようとした。
だが!
警官ゾンビ:「アァア……!」
栗原愛里:「きゃあーっ!!」
警察官ゾンビは1人だけではなかった。
もう1人は外で死んでいたようだ。
それがいつの間にか起き上がって、車に近づいてきた。
高橋:「やる気かこの野郎!!」
高橋は車の窓を開け、警察官ゾンビに発砲した。
警察官ゾンビ:「ガァッ……!」
高橋は攻撃力の強いマグナム44ではなく、9ミリ口径のハンドガンを使用した。
この場合、ゾンビには何発も撃たないと倒れない。
最後には高橋、ゾンビの頭を撃ち抜いた。
愛原:「よくやった高橋」
高橋:「へへっ……!」
その頃には監視所から善場主任達も戻って来た。
善場主任達もプロであるから、警察官ゾンビを射殺したようである。
善場:「今、ゲートを開けました。今から市内に向かいます」
愛原:「あっ、このまま行くんですか?」
善場:「電話の相手はリサ・トレヴァーを名乗る女でした。しかも、BSAAもまた別のリサ・トレヴァーと交戦しているようです。増援も向かって来てるようですし、私達もこのまま向かおうと思います」
蓮華:「私もその方がいい」
高橋:「向こうがケンカ売って来たんなら、買うまでだ」
リサ:「同族の私が捜してあげるよ」
その時、私のスマホにメール着信が入った。
その相手は誰だ?
1:ボス
2:高野芽衣子
3:斉藤秀樹
4:愛原公一
5:全く知らないアドレス
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
ホテルで朝食を済ませた私達は、早速出発の準備をした。
それからエントランス前に迎えに来ていた車に乗り込む。
シルバーのハイエースワゴンだった。
予想通り、運転席と助手席には善場主任の部下がいる。
私達がエントランスから出ると、助手席の黒服が降りて来て、助手席後ろのスライドドアを開けた。
部下A:「荷物がありましたら、後ろに積んでください」
愛原:「分かりました」
私は着替えやノートPCなどの入ったバッグを後ろに置いた。
部下A:「愛原所長方は後ろの席へどうぞ」
愛原:「分かりました」
1番後ろの席に3人並んで座る。
その前に栗原姉妹、そして運転席の後ろに善場主任が乗り込んだ。
部下A:「よろしいでしょうか?」
善場:「はい。では、出発してください」
部下A:「はい」
スライドドアが自動で閉まる。
部下B:「それでは出発します」
車が走り出す。
ホテルの駐車場から公道に出て、国道との交差点の赤信号で止まった。
その時、善場主任が振り向いた。
善場:「蓮華さん、刀は袋から出して構いませんよ」
蓮華:「はい」
蓮華さんは麻袋から日本刀を取り出した。
愛原:「立派な刀だね」
蓮華:「ええ。これは祖父の家にあった物です。私が化け物を斬る為ならと貸してくれました」
そう言って蓮華さんは、チラッとリサの方を見た。
藤野の決闘ではこの刀を使うことは許可されなかったが、その刀はリサ・トレヴァー『3番』と『5番』を斬った刀である。
今度は『1番』を斬ろうとしている。
愛原:「リサは本当に手から触手を出せるのか?」
リサ:「うん、出せる」
もっとも、その為に第1形態に変化しないといけないらしい。
ここで変化するのは、栗原姉妹の前では御法度か。
善場:「必要があれば、第1形態への変化を許可します。そして栗原蓮華さん、そちらのリサは許可無く攻撃を禁じます」
蓮華:「分かりました」
善場:「あなた達の仇を探し出すのに、そちらのリサの極力は不可欠ですからね」
蓮華:「分かってます」
[同日09:00.天候:晴 某県霧生市市境]
途中で休憩を挟みつつも、車は順調に霧生市に近づいた。
霧生市の近くまで行く国道は狭窄路もある貧弱なものだったが、突然現れた県道は立派なものだった。
青い看板に大きく『霧生市⇒』と書かれていたが、その看板そのものが錆びだらけて曲がっていた。
何より途中、いくつも『霧生市方面全面通行止め』『霧生市への進入は非常事態宣言により立入が禁止されています』『霧生市への無断進入は法律により罰せられます。 国家公安委員会』という看板が現れたほどだ。
そこへ向かう一本の県道の入口には、厳重なゲートが設置されていた。
一時期は自衛隊が直接警備していたようだが、今は地元警察が警備しているようだ。
同じ立入制限でも、民間の警備会社が警備している福島第一原発とは大違いである。
それは、警察の装備でも大丈夫ということが確認されたからだろう。
今回の調査でリサ・トレヴァー達を殲滅または捕獲し、特に『1番』を倒すことができれば、晴れて政府は安全宣言を出せるというものだ。
部下A:「主任、おかしいです。警察官の姿がありません」
善場:「ええっ!?」
ゲートは厳重に閉じられていたが、監視所には誰もいなかった。
善場:「どういうことなの?24時間詰めているはずなのに……」
部下B:「確認してきます」
部下Bは車を降りて、監視所に向かった。
そして、監視所を覗き込むなり、急いで戻って来た。
部下B:「主任、大変です!警察官達はいませんが、中が血だらけで荒らされています!何者かの襲撃を受けたようです!」
善場:「何ですって?!」
と、その時だった。
遠くから銃声の音がした。
山にこだましていることから、ゲートの向こうらしい。
ゲートの向こうということは……。
愛原:「主任!確か、この向こうでBSAAと合流することになっているんでしたね?」
善場:「そうです」
こだまする銃声にはマシンガンやショットガンの音も聞こえてくることから、どうやらBSAAが何者かと交戦状態に入ったらしい。
愛原:「BSAAの無線は!?」
善場:「ここでは無線が入りません。これは想定外です。一度引き返して、善後策を……」
リサ:「待って!何か聞こえる」
リサが監視所を指さした。
リサ:「電話が鳴ってるよ」
確かに監視所の中から電話の音がした。
善場:「私が行ってきます」
部下B:「お供します」
善場主任と部下Bが再び車を降りる。
善場:「あなたはいつでも車を出せるようにしてて」
部下A:「はっ」
愛原:「俺達も武器を装備しよう」
高橋:「はい」
私はショットガン、高橋はハンドガンを装備した。
高野君ならライフルで狙撃することもできるのだが、そこは残念だ。
部下A:「あっ!」
善場主任が電話を取ってやり取りをした直後、ゾンビが現れた。
どうやら外からは見えなかったが、警察官の死体が屋内に倒れていたらしい。
正しく、生前は監視所に詰めていたであろう警察官がゾンビ化して善場主任達に襲い掛かった。
愛原:「危ない!」
私は車を降りようとした。
だが!
警官ゾンビ:「アァア……!」
栗原愛里:「きゃあーっ!!」
警察官ゾンビは1人だけではなかった。
もう1人は外で死んでいたようだ。
それがいつの間にか起き上がって、車に近づいてきた。
高橋:「やる気かこの野郎!!」
高橋は車の窓を開け、警察官ゾンビに発砲した。
警察官ゾンビ:「ガァッ……!」
高橋は攻撃力の強いマグナム44ではなく、9ミリ口径のハンドガンを使用した。
この場合、ゾンビには何発も撃たないと倒れない。
最後には高橋、ゾンビの頭を撃ち抜いた。
愛原:「よくやった高橋」
高橋:「へへっ……!」
その頃には監視所から善場主任達も戻って来た。
善場主任達もプロであるから、警察官ゾンビを射殺したようである。
善場:「今、ゲートを開けました。今から市内に向かいます」
愛原:「あっ、このまま行くんですか?」
善場:「電話の相手はリサ・トレヴァーを名乗る女でした。しかも、BSAAもまた別のリサ・トレヴァーと交戦しているようです。増援も向かって来てるようですし、私達もこのまま向かおうと思います」
蓮華:「私もその方がいい」
高橋:「向こうがケンカ売って来たんなら、買うまでだ」
リサ:「同族の私が捜してあげるよ」
その時、私のスマホにメール着信が入った。
その相手は誰だ?
1:ボス
2:高野芽衣子
3:斉藤秀樹
4:愛原公一
5:全く知らないアドレス