[10月31日10:00.天候:晴 神奈川県相模原市緑区 (独)国家公務員特別研修センター・体育館]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日はうちのリサと、リサを含むBOW全てを憎むJK、栗原蓮華さんとの決闘が行われていた。
リサは背中から触手を放ち、蓮華を追い詰めるが、蓮華の手持ちの武器は木刀でありながら、斬ることができるという技をやってのけた。
そのおかげで、リサの触手のリーチは10メートルくらいあるのだが、蓮華の間合いにはなかなか入っていけかった。
ラウンドごとに制限時間があり、それをたっぷり使っても尚、勝負は付かなかった。
善場:「それまで!両者下がって!」
このラウンドでも勝負が付かなかった。
高野:「勝負が付きませんね」
愛原:「あの栗原さん、強いな。これなら例えリサが負けても、代わりに彼女を引き入れば良いって善場さん達が考えてもおかしくはないな」
高野:「リサちゃんが負けたら、リサちゃんとは永遠のお別れになっちゃいますし、そして何より……。政府との随意契約、無くなっちゃいますよ?」
愛原:「!」
高野:「うちの大口契約先です。それが無くなるということはどういうことか、お分かりですよね?」
愛原:「!!!」
一方、蓮華側も……。
栗原愛里:「お姉ちゃん、大丈夫?」
栗原蓮華:「ええ、大丈夫よ」
蓮華は防具の面を取ったが、そこから汗が噴き出していた。
蓮華:「今度のヤツはさすがに手強いわ。あの研究所に最後まで残ってたヤツだって聞いたけど、関係あるのかな……」
愛里:「お姉ちゃん……」
蓮華:「大丈夫よ。必ず勝って、愛里が安心して学校に通えるようにしてあげる」
善場:「次の試合を始めます!両者、前へ!」
リサと蓮華が再びアリーナの中央に出る。
泣いても笑っても、次で最後のラウンドか。
高橋:「先生、よくよく考えれば、あの女、人間です。さすがに体力的にキツいですよ」
愛原:「それもそうだな」
高橋:「ていうか先生、あの女の弱点、しっかりあるんじゃないですか?」
愛原:「お前もそう思うか?」
高橋:「ええ」
高野:「2人とも、まさか『義足を狙え』って言うんじゃないでしょうね?」
愛原&高橋:「それ!!」
高野:「ゲス野郎ども。そんな卑怯な手、リサちゃんは使いませんよ?」
愛原:「リサのヤツ、正々堂々としたコだったんだなぁ……」
高橋:「先生がいるから、いいコぶってるだけなんじゃないスか?」
高野:「マサ!」
善場:「始め!」
勝負は一瞬で付いた。
リサは低く突入した。
物凄く低い姿勢で。
蓮華:「!!!」
まるで地を這うかのような低い姿勢で突っ込まれた蓮華は、木刀を振り下ろすのにブランクを生じさせてしまった。
それでも、下に突き刺せれば良いではないかと思うだろう。
もちろん、それは可能だ。
だが、刺すだけだ。
何が言いたいのかというと……。
リサ:「取った!」
蓮華:「くっ……!」
確かに蓮華はリサの背中に木刀を突き刺した。
しかし、それはリサの体を貫くことはなかった。
そりゃそうだ。
木刀なんだから刺さるわけがない。
しかし、それまで何か特殊な技で斬っていたではないかと思う。
そう。
特殊な技で『斬る』ことはできても、『刺す』ことはできない。
リサは見切っていた。
どういう力を使えば、木刀で斬ることができるのかは分からない。
しかし、その技が発生する場所は『刃』の部分だけであり、『刃先』や『切っ先』には及ばないことを。
だから蓮華は『突き』はしてこなかったのだ。
リサ:「でやぁーっ!」
リサは蓮華の左足、つまり義足の部分を掴むと、それで蓮華を放り投げた。
蓮華:「ぎゃっ……!」
リサ:「とどめ……!」
リサが両目を赤く光らせ、長く鋭く尖った爪を立たせて蓮華に向かって行った。
が!
善場:「リサ、下がって!」
リサ:「何で!?」
善場:「殺すのは禁止って言ったでしょ!」
リサ:「くっ……!」
リサは渋々善場主任の指示に従った。
すぐに審判団が蓮華の所に駆け寄る。
どうやらリサが義足を掴んで投げ飛ばしたことで、義足が外れてしまったらしい。
愛里:「ヒドい!お姉ちゃんの大事な足を壊すなんて!」
愛原:「それは違う!!」
私は愛里に否定した。
多分、リサが義足を取ったのは、本物の足である右足を取ってしまうと、BOWの力で『千切って』しまう恐れがあるからだ。
現に、本来ならこういう試合用には外れにくい義足を着けて来ただろうに、リサが掴んで投げただけで外れてしまったのがら。
これが本物の足だったら、引き千切っていたかもしれない。
リサもそれを知ってて、あえて義足を狙ったのだろう。
愛原:「リサは自分のことを理解している。だから、リサは大丈夫なんだ」
高野:「ええ、私もそう思います。ですが、やはり世間一般レベルでは理解しがたいものなんだと思います」
愛原:「俺達も霧生市にいなければ、向こう側の人間だったんだから、そりゃそうか」
私達はアリーナに向かった。
善場:「これ以上の試合続行は不可能と見做します。今回の試合は、愛原リサの判定勝ちと致します」
愛原:「おおっ、やった!」
高野:「義足が外れてしまったんだから、しょうがないですね。あのタイプの義足は、付け外しが難しいヤツですから」
高野:「やっぱ義足を狙ったじゃねーか。それでいいんだよ」
だが次の瞬間、信じられないことが起きる。
リサ:「!!!」
リサの背中に激痛が走る。
いつの間に後ろに愛里がいた。
愛里は手に真剣たる日本刀を持っていた。
それでリサを後ろから突き刺したのだ。
愛里:「死ね……!悪魔め……!!」
愛里は目から大量の涙、鼻からは鼻水を流していた。
顔中クシャクシャに泣きながら、しかし目だけは異様にどす黒い雰囲気を放ちながらリサを刺していた。
善場:「取り押さえなさい!!」
黒服A:「おい、何をやっている!?」
黒服B:「銃刀法違反の現行犯だ!逮捕する!!」
蓮華:「愛里!」
愛原:「リサ、大丈夫か!?」
愛里は善場主任の部下で副審を務めていた黒服達に捕まり、連行された。
リサ:「だ、大丈夫……」
リサは背中から出血していたものの、そこはBOW。
見る見るうちに血は止まり、傷口が塞がって行く。
善場:「栗原蓮華さん!これはどういうことですか!?真剣の持ち込みは禁止と言ったはずですが!?」
蓮華:「そ、それは……」
高橋:「どっちみち、これじゃあ、そっちの反則負けだぜ。姉ちゃん、それでいいんじゃねーか?」
善場:「……発覚したのは試合終了後ですから。とにかく、勝負はリサの判定勝ちです」
もっとも、これが蓮華の判定勝ちであったなら、今ので裁定は取り消し。
高橋の言う通り、反則負けになっていただろう。
善場:「栗原愛里は別室へ。蓮華は控室へ」
黒服C:「ははっ!」
ガッシャーン!(体育館2階の窓がぶち破られる)
リサ・トレヴァー:「キャハハハハハ!『退魔士』、死ねぇぇぇぇぇぇっ!!」
セーラー服に白い仮面を着けたリサ・トレヴァーが乱入してきた。
そして、手に持ったナイフで真っ直ぐに蓮華に向かってくる。
愛原リサ:「くっ!」
うちのリサは自分で触手を伸ばし、乱入者を絡め取ろうとしたが、そいつはヒョイヒョイと交わした。
愛原リサ:「させない!」
リサは触手で蓮華を絡め取ると、彼女を引き寄せた。
蓮華:「きゃっ!」
リサ・トレヴァー:「邪魔するなぁぁぁっ!『2番』!」
愛原リサ:「オマエ、何番だ!?」
リサ(2番)は乱入者に組み付いた。
乱入者も背中から触手を出す。
だが、それは2本だけ。
どうやらリサ(2番)より力の弱いヤツらしい。
その触手を掴んで投げ飛ばし、壁に叩き付けた。
善場:「!!!」
善場主任が手持ちの銃を取り出して乱入者に撃ち込む。
他の黒服達もそうした。
黒服の1人は非常ボタンを押す。
敷地中に警報が鳴り響いた。
愛原リサ:「待て!!」
逃げようとする乱入者を捕まえようとするリサ(2番)。
蓮華:「愛原リサ!伏せて!」
愛原リサ:「!?」
言われた通り、リサが姿勢を低くすると、頭上を衝撃破のような物が通り過ぎる。
リサ・トレヴァー:「当たるか!」
乱入者は素早い動きで蓮華の剣技を交わす。
が、蓮華が狙ったのは乱入者本人ではなかった。
リサ・トレヴァー:「ん!?」
体育館の天井に収納されているバスケットゴールであった。
それが天井から落ちて来る。
リサ・トレヴァー:「ぎゃっ!」
さすがにそれは避け切れず、乱入者は下敷きとなった。
善場:「覚悟なさい!」
最後には善場主任がライフルで乱入者の頭を撃ち抜いた。
残酷だが、うちのリサ以外は必ず仕留めなければならないのだ。
特に、最初から人間に牙を剥くような奴は……。
蓮華もそれを知っている。
愛原リサ:「何番!?」
リサは頭の無くなった死体に近づき、セーラー服を破った。
左腋の下に番号が入れ墨されている。
愛原リサ:「『11番』だ!」
リサは飛び上がって驚いた。
善場:「ついに2桁番号出ましたか……」
『10番』の加藤のことについては、一桁の括りになっている。
善場:「通りで弱いと思いました」
蓮華:「弱い!?」
善場:「ええ。こっちの『2番』は、私のライフルなんか効きませんよ」
愛原リサ:「ん!」
恐らく番号が若いほど強いのだろう。
リサの次に強いと思われる『3番』を倒した蓮華も強いのではあろうが……。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日はうちのリサと、リサを含むBOW全てを憎むJK、栗原蓮華さんとの決闘が行われていた。
リサは背中から触手を放ち、蓮華を追い詰めるが、蓮華の手持ちの武器は木刀でありながら、斬ることができるという技をやってのけた。
そのおかげで、リサの触手のリーチは10メートルくらいあるのだが、蓮華の間合いにはなかなか入っていけかった。
ラウンドごとに制限時間があり、それをたっぷり使っても尚、勝負は付かなかった。
善場:「それまで!両者下がって!」
このラウンドでも勝負が付かなかった。
高野:「勝負が付きませんね」
愛原:「あの栗原さん、強いな。これなら例えリサが負けても、代わりに彼女を引き入れば良いって善場さん達が考えてもおかしくはないな」
高野:「リサちゃんが負けたら、リサちゃんとは永遠のお別れになっちゃいますし、そして何より……。政府との随意契約、無くなっちゃいますよ?」
愛原:「!」
高野:「うちの大口契約先です。それが無くなるということはどういうことか、お分かりですよね?」
愛原:「!!!」
一方、蓮華側も……。
栗原愛里:「お姉ちゃん、大丈夫?」
栗原蓮華:「ええ、大丈夫よ」
蓮華は防具の面を取ったが、そこから汗が噴き出していた。
蓮華:「今度のヤツはさすがに手強いわ。あの研究所に最後まで残ってたヤツだって聞いたけど、関係あるのかな……」
愛里:「お姉ちゃん……」
蓮華:「大丈夫よ。必ず勝って、愛里が安心して学校に通えるようにしてあげる」
善場:「次の試合を始めます!両者、前へ!」
リサと蓮華が再びアリーナの中央に出る。
泣いても笑っても、次で最後のラウンドか。
高橋:「先生、よくよく考えれば、あの女、人間です。さすがに体力的にキツいですよ」
愛原:「それもそうだな」
高橋:「ていうか先生、あの女の弱点、しっかりあるんじゃないですか?」
愛原:「お前もそう思うか?」
高橋:「ええ」
高野:「2人とも、まさか『義足を狙え』って言うんじゃないでしょうね?」
愛原&高橋:「それ!!」
高野:「ゲス野郎ども。そんな卑怯な手、リサちゃんは使いませんよ?」
愛原:「リサのヤツ、正々堂々としたコだったんだなぁ……」
高橋:「先生がいるから、いいコぶってるだけなんじゃないスか?」
高野:「マサ!」
善場:「始め!」
勝負は一瞬で付いた。
リサは低く突入した。
物凄く低い姿勢で。
蓮華:「!!!」
まるで地を這うかのような低い姿勢で突っ込まれた蓮華は、木刀を振り下ろすのにブランクを生じさせてしまった。
それでも、下に突き刺せれば良いではないかと思うだろう。
もちろん、それは可能だ。
だが、刺すだけだ。
何が言いたいのかというと……。
リサ:「取った!」
蓮華:「くっ……!」
確かに蓮華はリサの背中に木刀を突き刺した。
しかし、それはリサの体を貫くことはなかった。
そりゃそうだ。
木刀なんだから刺さるわけがない。
しかし、それまで何か特殊な技で斬っていたではないかと思う。
そう。
特殊な技で『斬る』ことはできても、『刺す』ことはできない。
リサは見切っていた。
どういう力を使えば、木刀で斬ることができるのかは分からない。
しかし、その技が発生する場所は『刃』の部分だけであり、『刃先』や『切っ先』には及ばないことを。
だから蓮華は『突き』はしてこなかったのだ。
リサ:「でやぁーっ!」
リサは蓮華の左足、つまり義足の部分を掴むと、それで蓮華を放り投げた。
蓮華:「ぎゃっ……!」
リサ:「とどめ……!」
リサが両目を赤く光らせ、長く鋭く尖った爪を立たせて蓮華に向かって行った。
が!
善場:「リサ、下がって!」
リサ:「何で!?」
善場:「殺すのは禁止って言ったでしょ!」
リサ:「くっ……!」
リサは渋々善場主任の指示に従った。
すぐに審判団が蓮華の所に駆け寄る。
どうやらリサが義足を掴んで投げ飛ばしたことで、義足が外れてしまったらしい。
愛里:「ヒドい!お姉ちゃんの大事な足を壊すなんて!」
愛原:「それは違う!!」
私は愛里に否定した。
多分、リサが義足を取ったのは、本物の足である右足を取ってしまうと、BOWの力で『千切って』しまう恐れがあるからだ。
現に、本来ならこういう試合用には外れにくい義足を着けて来ただろうに、リサが掴んで投げただけで外れてしまったのがら。
これが本物の足だったら、引き千切っていたかもしれない。
リサもそれを知ってて、あえて義足を狙ったのだろう。
愛原:「リサは自分のことを理解している。だから、リサは大丈夫なんだ」
高野:「ええ、私もそう思います。ですが、やはり世間一般レベルでは理解しがたいものなんだと思います」
愛原:「俺達も霧生市にいなければ、向こう側の人間だったんだから、そりゃそうか」
私達はアリーナに向かった。
善場:「これ以上の試合続行は不可能と見做します。今回の試合は、愛原リサの判定勝ちと致します」
愛原:「おおっ、やった!」
高野:「義足が外れてしまったんだから、しょうがないですね。あのタイプの義足は、付け外しが難しいヤツですから」
高野:「やっぱ義足を狙ったじゃねーか。それでいいんだよ」
だが次の瞬間、信じられないことが起きる。
リサ:「!!!」
リサの背中に激痛が走る。
いつの間に後ろに愛里がいた。
愛里は手に真剣たる日本刀を持っていた。
それでリサを後ろから突き刺したのだ。
愛里:「死ね……!悪魔め……!!」
愛里は目から大量の涙、鼻からは鼻水を流していた。
顔中クシャクシャに泣きながら、しかし目だけは異様にどす黒い雰囲気を放ちながらリサを刺していた。
善場:「取り押さえなさい!!」
黒服A:「おい、何をやっている!?」
黒服B:「銃刀法違反の現行犯だ!逮捕する!!」
蓮華:「愛里!」
愛原:「リサ、大丈夫か!?」
愛里は善場主任の部下で副審を務めていた黒服達に捕まり、連行された。
リサ:「だ、大丈夫……」
リサは背中から出血していたものの、そこはBOW。
見る見るうちに血は止まり、傷口が塞がって行く。
善場:「栗原蓮華さん!これはどういうことですか!?真剣の持ち込みは禁止と言ったはずですが!?」
蓮華:「そ、それは……」
高橋:「どっちみち、これじゃあ、そっちの反則負けだぜ。姉ちゃん、それでいいんじゃねーか?」
善場:「……発覚したのは試合終了後ですから。とにかく、勝負はリサの判定勝ちです」
もっとも、これが蓮華の判定勝ちであったなら、今ので裁定は取り消し。
高橋の言う通り、反則負けになっていただろう。
善場:「栗原愛里は別室へ。蓮華は控室へ」
黒服C:「ははっ!」
ガッシャーン!(体育館2階の窓がぶち破られる)
リサ・トレヴァー:「キャハハハハハ!『退魔士』、死ねぇぇぇぇぇぇっ!!」
セーラー服に白い仮面を着けたリサ・トレヴァーが乱入してきた。
そして、手に持ったナイフで真っ直ぐに蓮華に向かってくる。
愛原リサ:「くっ!」
うちのリサは自分で触手を伸ばし、乱入者を絡め取ろうとしたが、そいつはヒョイヒョイと交わした。
愛原リサ:「させない!」
リサは触手で蓮華を絡め取ると、彼女を引き寄せた。
蓮華:「きゃっ!」
リサ・トレヴァー:「邪魔するなぁぁぁっ!『2番』!」
愛原リサ:「オマエ、何番だ!?」
リサ(2番)は乱入者に組み付いた。
乱入者も背中から触手を出す。
だが、それは2本だけ。
どうやらリサ(2番)より力の弱いヤツらしい。
その触手を掴んで投げ飛ばし、壁に叩き付けた。
善場:「!!!」
善場主任が手持ちの銃を取り出して乱入者に撃ち込む。
他の黒服達もそうした。
黒服の1人は非常ボタンを押す。
敷地中に警報が鳴り響いた。
愛原リサ:「待て!!」
逃げようとする乱入者を捕まえようとするリサ(2番)。
蓮華:「愛原リサ!伏せて!」
愛原リサ:「!?」
言われた通り、リサが姿勢を低くすると、頭上を衝撃破のような物が通り過ぎる。
リサ・トレヴァー:「当たるか!」
乱入者は素早い動きで蓮華の剣技を交わす。
が、蓮華が狙ったのは乱入者本人ではなかった。
リサ・トレヴァー:「ん!?」
体育館の天井に収納されているバスケットゴールであった。
それが天井から落ちて来る。
リサ・トレヴァー:「ぎゃっ!」
さすがにそれは避け切れず、乱入者は下敷きとなった。
善場:「覚悟なさい!」
最後には善場主任がライフルで乱入者の頭を撃ち抜いた。
残酷だが、うちのリサ以外は必ず仕留めなければならないのだ。
特に、最初から人間に牙を剥くような奴は……。
蓮華もそれを知っている。
愛原リサ:「何番!?」
リサは頭の無くなった死体に近づき、セーラー服を破った。
左腋の下に番号が入れ墨されている。
愛原リサ:「『11番』だ!」
リサは飛び上がって驚いた。
善場:「ついに2桁番号出ましたか……」
『10番』の加藤のことについては、一桁の括りになっている。
善場:「通りで弱いと思いました」
蓮華:「弱い!?」
善場:「ええ。こっちの『2番』は、私のライフルなんか効きませんよ」
愛原リサ:「ん!」
恐らく番号が若いほど強いのだろう。
リサの次に強いと思われる『3番』を倒した蓮華も強いのではあろうが……。