[7月25日10:54.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 JR仙台駅・在来線地上ホーム]
〔まもなく3番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。この列車は、4両です。折り返し、11時10分発、快速、仙台空港行きとなります〕
地下鉄からJRへと乗り換えた私達。
乗換改札も地下を通って来た。
これでテロリスト達の目を欺けたはずだ。
もっとも、新幹線乗り場だけを警戒しているとは限らないから、ここにいつまでも留まるわけにはいかない。
切り欠きホームの3番線に、仙台空港鉄道の列車がやってきた。
2両で1編成の電車を2編成繋いだ4両編成である。
運用は共通なのだろう。
折り返し前2両となる編成は仙台空港鉄道の車両、後ろ2両はJRの車両だった。
但し、基本的な構造はどちらも同じである。
違うのは外見の塗装と、座席の模様などの内装だけ。
JRの車両はまるで首都圏の常磐線快速電車のような緑と水色の塗装が特徴だが、仙台空港鉄道の方は青を基調とした塗装である。
座席の方もJRは他の線区で運用されている車両と同じ、光のページェントをイメージしたもので、頭が当たる部分はレザーになっている。
仙台空港鉄道の方は、ツツジの花をイメージしたのだろうか、ピンク色に近いモケットが貼られていた。
私達が乗ったのは先頭車の方だから、仙台空港鉄道の方だ。
小牛田の時はロングシートの701系にしか乗れなかったが、ようやっとボックスシートに乗れることとなる。
もっとも、快速だから乗車時間は短いのだが、それでも私達はボックスシートに座った。
〔この電車は仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きです〕
〔This is the Sendai Airport Access line rapid service train for Sendai Airport.〕
〔「11時10分発、仙台空港アクセス線、快速電車、仙台空港行きです。停車駅は名取と終点仙台空港です。停車駅にご注意ください。発車までご乗車なり、お待ちください」〕
4両編成でも仙台空港鉄道ではワンマン運転が行われている。
JR線内の名取までツーマンということはなく、全区間ワンマンだ。
というのは、車両は相互乗り入れという形を取っているが、乗務員もまた通しで乗務する形態を取っているからである。
尚、多客期には更にもう1編成増結して6両編成で運転することもあるという。
しかも、その時でさえもワンマン運転を貫き通すらしい。
但し、コロナ禍でそのようなことはしばらく無いだろう。
高橋:「先生」
愛原:「何だ?」
高橋:「空港では長く留まることになりますけど、その時に見つかったりしませんかね?」
愛原:「恐らく大丈夫だろう。今のBOW探知機やアプリは、そんなに高性能じゃない。実際そのBOWがいるとされる施設や狭いエリアを探索する際、近くにいるのを発見する為のものだ。テロリスト達が実際に仙台空港にでもいなければ、その探知機でもってリサを遠くから発見することは不可能だそうだ」
高橋:「なるほど。そうですか」
愛原:「とはいえ、ここは仙台駅だ。発車するまでは、まだ油断できないがな」
高橋:「そうですね」
愛原:「発車すれば、これはもう快速だから、一気に市外脱出ができる」
次の停車駅は隣町の名取市の中心駅である名取駅だ。
[同日11:10.天候:晴 仙台空港アクセス線3330M列車先頭車内]
ホームに発車メロディが鳴り響く。
ファンキーな曲調だが、曲名をモンキーマジックの “Around The World ”という。
どこかで聞いたことあるような気がするのは、実際にテレビドラマ“西遊記”で使われたからだろう。
〔3番線から仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください〕
〔駆け込み乗車は、おやめください。無理なご乗車は、おやめください〕
ワンマン運転だが、運転士が乗務員室の窓から顔を出してホームの監視をしている。
全部のドアが閉まる。
コロナ禍で半自動ドアではなく、換気促進の為、自動ドアでの運用が行われている。
JRではワンマン運転の時は不正乗降防止の為に半自動ドアを続けているが、仙台空港鉄道ではワンマン運転でも自動ドア運用だ。
これは途中駅に無人駅が無いからである。
そして、電車はゆっくりと発車した。
切り欠きホームは副線ホームなのか、本線に出る為にポイントを通過する。
その為の低速運転だ。
〔今日も仙台空港アクセス鉄道をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きです。停車駅は名取、終点仙台空港です。次は、名取です。……〕
本線に出ると、電車は加速を始める。
リサはフードを被りつつも、窓の外は見ていた。
本当はブラインドやカーテンでも閉めて外から見えないようにするべきなのだろうが、最近の電車はUVカットガラスを採用する代わりにそういった物を廃止する傾向にあり、この電車も例外ではなかった。
例外なのは首都圏の中距離電車のグリーン車とか、新幹線や特急車両くらいだろう。
まあ、あれは特別料金を払っているからだろうが。
リサ:「先生。お昼ご飯は?」
愛原:「仙台空港にレストランとかあるから、そこで食うことになる」
リサ:「おー!」
高橋:「あれだけ朝食ったくせに、もう昼飯の話かよ」
愛原:「まあまあ。まだ、土産とか買ってない。本当は仙台駅で買って行くつもりだったけど、予定変更して仙台空港で買って行こう」
高橋:「分かりました。斉藤社長へのお土産ですか」
愛原:「そうだな。あとは善場主任にも買って行くか」
ベタな“萩の月”とかかな。
箱入りだと高いが、しかし無難な土産であることに変わりは無い。
〔まもなく3番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。この列車は、4両です。折り返し、11時10分発、快速、仙台空港行きとなります〕
地下鉄からJRへと乗り換えた私達。
乗換改札も地下を通って来た。
これでテロリスト達の目を欺けたはずだ。
もっとも、新幹線乗り場だけを警戒しているとは限らないから、ここにいつまでも留まるわけにはいかない。
切り欠きホームの3番線に、仙台空港鉄道の列車がやってきた。
2両で1編成の電車を2編成繋いだ4両編成である。
運用は共通なのだろう。
折り返し前2両となる編成は仙台空港鉄道の車両、後ろ2両はJRの車両だった。
但し、基本的な構造はどちらも同じである。
違うのは外見の塗装と、座席の模様などの内装だけ。
JRの車両はまるで首都圏の常磐線快速電車のような緑と水色の塗装が特徴だが、仙台空港鉄道の方は青を基調とした塗装である。
座席の方もJRは他の線区で運用されている車両と同じ、光のページェントをイメージしたもので、頭が当たる部分はレザーになっている。
仙台空港鉄道の方は、ツツジの花をイメージしたのだろうか、ピンク色に近いモケットが貼られていた。
私達が乗ったのは先頭車の方だから、仙台空港鉄道の方だ。
小牛田の時はロングシートの701系にしか乗れなかったが、ようやっとボックスシートに乗れることとなる。
もっとも、快速だから乗車時間は短いのだが、それでも私達はボックスシートに座った。
〔この電車は仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きです〕
〔This is the Sendai Airport Access line rapid service train for Sendai Airport.〕
〔「11時10分発、仙台空港アクセス線、快速電車、仙台空港行きです。停車駅は名取と終点仙台空港です。停車駅にご注意ください。発車までご乗車なり、お待ちください」〕
4両編成でも仙台空港鉄道ではワンマン運転が行われている。
JR線内の名取までツーマンということはなく、全区間ワンマンだ。
というのは、車両は相互乗り入れという形を取っているが、乗務員もまた通しで乗務する形態を取っているからである。
尚、多客期には更にもう1編成増結して6両編成で運転することもあるという。
しかも、その時でさえもワンマン運転を貫き通すらしい。
但し、コロナ禍でそのようなことはしばらく無いだろう。
高橋:「先生」
愛原:「何だ?」
高橋:「空港では長く留まることになりますけど、その時に見つかったりしませんかね?」
愛原:「恐らく大丈夫だろう。今のBOW探知機やアプリは、そんなに高性能じゃない。実際そのBOWがいるとされる施設や狭いエリアを探索する際、近くにいるのを発見する為のものだ。テロリスト達が実際に仙台空港にでもいなければ、その探知機でもってリサを遠くから発見することは不可能だそうだ」
高橋:「なるほど。そうですか」
愛原:「とはいえ、ここは仙台駅だ。発車するまでは、まだ油断できないがな」
高橋:「そうですね」
愛原:「発車すれば、これはもう快速だから、一気に市外脱出ができる」
次の停車駅は隣町の名取市の中心駅である名取駅だ。
[同日11:10.天候:晴 仙台空港アクセス線3330M列車先頭車内]
ホームに発車メロディが鳴り響く。
ファンキーな曲調だが、曲名をモンキーマジックの “Around The World ”という。
どこかで聞いたことあるような気がするのは、実際にテレビドラマ“西遊記”で使われたからだろう。
〔3番線から仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください〕
〔駆け込み乗車は、おやめください。無理なご乗車は、おやめください〕
ワンマン運転だが、運転士が乗務員室の窓から顔を出してホームの監視をしている。
全部のドアが閉まる。
コロナ禍で半自動ドアではなく、換気促進の為、自動ドアでの運用が行われている。
JRではワンマン運転の時は不正乗降防止の為に半自動ドアを続けているが、仙台空港鉄道ではワンマン運転でも自動ドア運用だ。
これは途中駅に無人駅が無いからである。
そして、電車はゆっくりと発車した。
切り欠きホームは副線ホームなのか、本線に出る為にポイントを通過する。
その為の低速運転だ。
〔今日も仙台空港アクセス鉄道をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は仙台空港アクセス線、快速、仙台空港行きです。停車駅は名取、終点仙台空港です。次は、名取です。……〕
本線に出ると、電車は加速を始める。
リサはフードを被りつつも、窓の外は見ていた。
本当はブラインドやカーテンでも閉めて外から見えないようにするべきなのだろうが、最近の電車はUVカットガラスを採用する代わりにそういった物を廃止する傾向にあり、この電車も例外ではなかった。
例外なのは首都圏の中距離電車のグリーン車とか、新幹線や特急車両くらいだろう。
まあ、あれは特別料金を払っているからだろうが。
リサ:「先生。お昼ご飯は?」
愛原:「仙台空港にレストランとかあるから、そこで食うことになる」
リサ:「おー!」
高橋:「あれだけ朝食ったくせに、もう昼飯の話かよ」
愛原:「まあまあ。まだ、土産とか買ってない。本当は仙台駅で買って行くつもりだったけど、予定変更して仙台空港で買って行こう」
高橋:「分かりました。斉藤社長へのお土産ですか」
愛原:「そうだな。あとは善場主任にも買って行くか」
ベタな“萩の月”とかかな。
箱入りだと高いが、しかし無難な土産であることに変わりは無い。