報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「帰京してからのこと」

2025-01-13 16:36:09 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月19日16時48分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東北新幹線144B列車・2号車内→JR(東日本)東京駅]

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、終点、東京です。東海道新幹線、東海道本線、中央線、山手線、京浜東北線、横須賀線、総武快速線、京葉線と地下鉄丸ノ内線はお乗り換えです。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕

 関東地方に入ると、雨は止み、晴れ間が見えて来た。
 しかし、首都圏に入ると、また曇って来た。
 今度は余計な事を考えず、静かにしていたのだが、今度はそれで眠ってしまった。
 で、目が覚めた時には、上野駅の地下トンネルを出るところであった。
 車窓にはヨドバシアキバのビルが見え、それから神田駅の横を通過する。

〔「ご乗車お疲れさまでした。まもなく終点の東京、東京に到着致します。22番線の到着、お出口は左側です。お降りの際、傘、スマートフォン、キップなどのお忘れ物、大変に多くなってございます。席をお立ちの際は、よくお確かめください。本日も東北新幹線をご利用頂きまして、ありがとうございました」〕

 私は網棚に置いた荷物を下ろした。
 降りる準備をしていると、列車がホームに入線する。

 

〔「ご乗車ありがとうございました。東京、東京、終点です。車内にお忘れ物の無いよう、お降りください。22番線の電車は折り返し、17時ちょうど発、“やまびこ”149号、仙台行きと、“つばさ”149号、山形行きとなります。……」〕

 停車してドアが開くと、乗客達はぞろぞろとホームに降り出した。
 私も荷物を持って、ホームに降りる。
 改札口に行く前に、私は善場係長に電話を入れた。

 愛原「お疲れ様です。愛原です。無事に東京駅に着きました」
 善場「お疲れ様でした。まずは事務所にお帰り頂き、報告書等と作成して、メールで送ってください。明日の件、宜しくお願い致します」
 愛原「かしこまりました」
 善場「あれから、何か思い出したことはありましたか?」
 愛原「いいえ、係長。残念ながら……」
 善場「そうですか。思い出したことがあったら、すぐに仰ってください」
 愛原「はい。承知致しました」

 それから明日の件について少しだけ打ち合わせした後、電話を切った。
 そして、夕方のラッシュが始まりかかっている東京駅の構内を歩いた。

[同日17時20分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]

 東京駅の八重洲口タクシー乗り場からタクシーに乗って、事務所に戻った。

 愛原「ただいまァ……」
 パール「あっ、先生。お帰りなさい」
 リサ「お土産!お土産!」
 愛原「ほら、牛タンジャーキー」
 リサ「あれ?仙台牛まるっと1頭じゃないの?」
 愛原「コストコでもそんな量で売ってねーよ!」
 パール「コストコ……」
 愛原「本当に焼いて食べるタイプの牛タンも買って来たから、今日の夕飯はこれにしてくれ」
 パール「かしこまりました」
 リサ「焼くヤツ、別にあるんじゃん!」
 愛原「向こうじゃ、ゆっくりできなかったからな」
 リサ「タイラント君とか、ハンターとかいた?」
 愛原「いや、いなかった。だいぶ前にBSAAが倒してくれたそうだが、その時にもう全滅したんだろう」
 リサ「ふーん……」
 愛原「あと、これは土産の酒と萩の月な」
 パール「あら、ありがとうございます」
 リサ「お兄ちゃんへの差入用?」
 愛原「酒は無理だ。それより俺は報告書書くから」
 リサ「じゃあ、コーヒー淹れてあげるねぇ。制服女子高生の生コーヒー」
 愛原「寄生虫とか入れるなよ?」
 リサ「ギクッ!」
 愛原「もちろん、G胚もTウィルスもE型特異菌もだ」
 リサ「や、やだなぁ……。私の体内にあるのは、GウィルスとTウィルス寄生虫だけだよぉ……」
 愛原「棒読み臭ェ……」

 私は自分の席に座るとPCの電源を入れ、それで報告書を作成した。

[同日18時00分 天候:曇 同地区内 愛原家3階ダイニング]

 善場係長宛てに報告書を作成したり、経費の請求書をメールで送付した。
 これで今日の仕事は終わりである。
 事務所を閉めて居住区の3階に行くと、パール達が夕食の準備をしていた。

 愛原「おおっ、牛タンのいい匂い!」
 パール「そうですよ」

 これに、他にも買ってきた酒と合わせると尚美味い!

 リサ「先生、明日も出掛けるの?」
 愛原「高橋のヤツ、まだ隠し事をしているらしくてな、吐かせに行ってくる」
 パール「先生には、もう洗いざらい喋った方がいいと言ったんですけどね」
 愛原「ガチの『コネクション』メンバーなんだとしたら、喋ると消される恐れがある。それを怖がっているんだろう。拘置所はその点、安全と言えなくはないが……」
 パール「そうですねぇ……」
 愛原「明日の朝8時に、善場係長達が車で迎えに来てくれる。下のガレージを開けといてくれる?」
 パール「かしこまりました」

 高橋としては、自ら積極的に真相をベラベラ喋ったというよりは、私や善場係長に詰められて仕方なく吐いたという言い訳を作りたいのだろう。
 それにしても、どうして斉藤元社長は、高橋のことを知っているのだろうか。
 斉藤元社長もまた、『コネクション』の関係者だったりするのだろうか。

 パール「元々朝食の時間はリサさんに合わせてますから、特に朝食時間をずらす必要はございませんか?」
 愛原「そうだな。それはそのままでいいと思うよ」
 パール「かしこまりました」
 愛原「悪いな。明日はどうしても、先に高橋に聞きたいことがあるんだ。明後日なら大丈夫だと思うから、面会に行っても」
 パール「はい。ありがとうございます」

 高橋のヤツ、他にどれくらいの隠し事をしているのやら……。

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