[7月16日08時50分 天候:晴 東京都新宿区西新宿1丁目 京王電鉄新宿駅→京王線7501電車・10号車内]

トイレを済ませてから、新宿駅・京王新線(都営新宿線)コンコースから京王線ホームへと移動する。
ホームに行くと、既に2番線には“Mt.TAKAO”1号が停車していた。
もしかすると、上りの“京王ライナー”の折り返しなのかもしれない。
美樹「先生、どこの席に座ってもいいんけ?」
愛原「いや、全車指定席だ。もう既に席は確保してある」
私は自分のスマホを見せた。
愛原「だから慌てて乗る必要は無いよ」
リサ「さすがは先生だね」

愛原「発車まで、まだ時間がある。売店で何か買ってもいいし」
ホームにはキヨスクがある。
リサ「そうだね。せっかくの遠足なんだから、おやつは必要だね」
美樹「遠足かぁ……」
かくいう私も、自販機でお茶くらいは購入しておく。
愛原「普通の人間の女子高生が買うものはポッキーとかプリッツとかだろうに、鬼娘は肉類かぁ……」
美樹「ンだ」
リサ「ンだ」
酒のつまみとして売っているサラミとか、ビーフジャーキーを購入する鬼娘達。
飲み物が普通のジュースのペットボトルな辺りは普通だが……。
〔「2番線に停車中の電車は、9時ちょうど発、特急“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。途中の駅で、お降りになることはできません。また、全席指定席です。乗車券の他に、座席指定券が必要です。指定席の券売機は……」〕
私達は最後尾の10号車に乗り込んだ。
先頭車は既に席が埋まっていたので、最後尾である。
リサがいると、こういう制約が付いて回る。

使用される5000系電車は4ドア車であるが、“京王ライナー”や“Mt.TAKAO”号として運転される場合は、車端部の2つのドアしか開閉しない。
座席は2人掛け席が進行方向を向いているタイプであるが、乗客が任意で向かい合わせにすることもできる。
私達の席はというと……。

愛原「ここだな」
連結器横の3人席。
3人で出掛ける時、リサが私と離れた席に座るのを嫌がる為。
通常では優先席に当たる部分だが、全車指定席で運転される“京王ライナー”や“Mt.TAKAO”号の場合は対象外となる。
他の席と同様、肘掛け下に充電コンセントもある。
また、車内の照明も通常とは違い、暖色系に切り替えられている。
更にはWiFiもある。
〔ご案内致します。この電車は、“Mt.TAKAO”号、高尾山口行きです。この電車は、全車指定席です。予め、座席指定券をお買い求めの上、指定された席をご利用ください〕
放送が流れている間は止まるが、それ以外の場合はBGMが車内に流れている。
まるで旅客機内のボーディング・ミュージックのようである。
〔「この電車は9時ちょうど発、“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。途中駅でお降りになることはできませんので、ご注意ください。終点、高尾山口には、9時43分の到着を予定しております。ご乗車には、座席指定券が必要です。予め座席指定券をお買い求めの上、指定された座席をご利用ください。発車まで、しばらくお待ちください」〕
最後尾であるが故、車掌が乗務員室のドアを開けて、車内放送する様子が見えた。
これは始発駅でたまに見られる光景だが、車内のスピーカーの音量を確認する為である。
美樹「ずっと地下ばっかりで、とてもピクニックさ行ぐ雰囲気に見えねべしゃね」
愛原「次の笹塚駅の手前で地上に出るよ。高尾駅を出ると、一気に登るから、ここでようやく山に登るんだと分かるようになる」
美樹「へぇ、この電車がねぇ……」
愛原「まあ、終点で更に山に登るケーブルカーに乗り換えるがね」
リサ「また、タイラント君、出てこないかなぁ……」
愛原「出てきたら困る。BSAA案件だ」
リサ「だよね。……あっ、先生もビーフジャーキー食べる?」
愛原「せめて、プリッツかポッキー食わせてくれ」
リサ「そんなもの買ってないよー!」
すると美樹、バッグの中からポッキーを取り出す。
美樹「ンだら、あたしのポッキー食うか?ポッキーゲームで食わせるっつーのが、うちの村の流儀……いでっ!」
リサ、美樹の胸倉を掴む。
リサ「……あ?
」
人間形態ながら、器用に目だけ赤く光らせる。
美樹「す、スマン!東京じゃあ、流行らねぇゲームだったかや!?」
リサ「先生とポッキーゲームをしていいのは私だけ!」
リサ、美樹が咥えたポッキーを奪い取ると、自分が咥えた。
リサ「先生、んー!」
愛原「いいよ!食う気無くした!」
リサ「えー……」
愛原「発車までおとなくしてろ!」
私はそう言うと、自販機で買ったお茶のペットボトルを口に運んだ。
[同日09時00分 天候:晴 京王電鉄京王線7501電車・10号車内]
〔「この電車は、全席指定の“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。ご乗車には座席指定券が必要です。座席指定券をお持ちでないお客様はご乗車になれませんので、ご注意ください。また、途中駅ではお降りになれませんので、ご注意ください。お待たせ致しました。まもなく発車致します。この先揺れますので、ご注意ください」〕
発車の時間になる。
今日はダイヤの乱れも無く、電車も定刻通りに発車するようだ。
ボーディング・ミュージックは、発車の直前まで流れているようだ。
車掌がホームに出て、ピイッと笛を吹く。
発車ベルが鳴らないが、その代わりだろうか?
電車のドアとホームドアが閉まる。
さすがに全車指定席の電車とあっては、駆け込み乗車する者もいないようで、再開閉することなく、1回で閉まり切った。
それから、電車がゆっくり動き出す。
愛原「そういえばキミ、最寄りの鉄道路線は秋田内陸縦貫鉄道だったな?」
美樹「ヘェ、そうです」
愛原「確かあの路線にも、特別な列車が走っていたはずだ」
美樹「急行“もりよし”スね」
愛原「キミの家に行く機会があったら、狙ってみよう」
美樹「いいと思いますよ」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。“Mt.TAKAO”号、高尾山口行きです。次は、明大前です。明大前の次は、終点、高尾山口です。途中の明大前では、お降りになれませんので、ご注意ください〕
電車は下り本線に入る際のポイント通過でガクンと揺れた。
それから、進路を南から西へと90度変わるので、その急カーブもある。
地下トンネル内では、車輪の軋む音が響いている。
〔「本日も京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。9時ちょうど発、“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。終点、高尾山口には、9時43分の到着を予定しております。……」〕
電車は幡ヶ谷駅付近で地上に出る。
車内に夏の日差しが差し込んで来ると、乗客の中には窓のブラインドを閉める者も出てくる。
こちらは特に閉めることはしなかった。
光に反射して、美樹は黒髪が赤み掛かった色になる。
リサは黒髪のままだが、毛先1~2cmほどがオレンジに近い赤色になっている。
これは染めているわけではなく、Gウィルスの影響ではないかと思われる。

トイレを済ませてから、新宿駅・京王新線(都営新宿線)コンコースから京王線ホームへと移動する。
ホームに行くと、既に2番線には“Mt.TAKAO”1号が停車していた。
もしかすると、上りの“京王ライナー”の折り返しなのかもしれない。
美樹「先生、どこの席に座ってもいいんけ?」
愛原「いや、全車指定席だ。もう既に席は確保してある」
私は自分のスマホを見せた。
愛原「だから慌てて乗る必要は無いよ」
リサ「さすがは先生だね」

愛原「発車まで、まだ時間がある。売店で何か買ってもいいし」
ホームにはキヨスクがある。
リサ「そうだね。せっかくの遠足なんだから、おやつは必要だね」
美樹「遠足かぁ……」
かくいう私も、自販機でお茶くらいは購入しておく。
愛原「普通の人間の女子高生が買うものはポッキーとかプリッツとかだろうに、鬼娘は肉類かぁ……」
美樹「ンだ」
リサ「ンだ」
酒のつまみとして売っているサラミとか、ビーフジャーキーを購入する鬼娘達。
飲み物が普通のジュースのペットボトルな辺りは普通だが……。
〔「2番線に停車中の電車は、9時ちょうど発、特急“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。途中の駅で、お降りになることはできません。また、全席指定席です。乗車券の他に、座席指定券が必要です。指定席の券売機は……」〕
私達は最後尾の10号車に乗り込んだ。
先頭車は既に席が埋まっていたので、最後尾である。
リサがいると、こういう制約が付いて回る。

使用される5000系電車は4ドア車であるが、“京王ライナー”や“Mt.TAKAO”号として運転される場合は、車端部の2つのドアしか開閉しない。
座席は2人掛け席が進行方向を向いているタイプであるが、乗客が任意で向かい合わせにすることもできる。
私達の席はというと……。

愛原「ここだな」
連結器横の3人席。
3人で出掛ける時、リサが私と離れた席に座るのを嫌がる為。
通常では優先席に当たる部分だが、全車指定席で運転される“京王ライナー”や“Mt.TAKAO”号の場合は対象外となる。
他の席と同様、肘掛け下に充電コンセントもある。
また、車内の照明も通常とは違い、暖色系に切り替えられている。
更にはWiFiもある。
〔ご案内致します。この電車は、“Mt.TAKAO”号、高尾山口行きです。この電車は、全車指定席です。予め、座席指定券をお買い求めの上、指定された席をご利用ください〕
放送が流れている間は止まるが、それ以外の場合はBGMが車内に流れている。
まるで旅客機内のボーディング・ミュージックのようである。
〔「この電車は9時ちょうど発、“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。途中駅でお降りになることはできませんので、ご注意ください。終点、高尾山口には、9時43分の到着を予定しております。ご乗車には、座席指定券が必要です。予め座席指定券をお買い求めの上、指定された座席をご利用ください。発車まで、しばらくお待ちください」〕
最後尾であるが故、車掌が乗務員室のドアを開けて、車内放送する様子が見えた。
これは始発駅でたまに見られる光景だが、車内のスピーカーの音量を確認する為である。
美樹「ずっと地下ばっかりで、とてもピクニックさ行ぐ雰囲気に見えねべしゃね」
愛原「次の笹塚駅の手前で地上に出るよ。高尾駅を出ると、一気に登るから、ここでようやく山に登るんだと分かるようになる」
美樹「へぇ、この電車がねぇ……」
愛原「まあ、終点で更に山に登るケーブルカーに乗り換えるがね」
リサ「また、タイラント君、出てこないかなぁ……」
愛原「出てきたら困る。BSAA案件だ」
リサ「だよね。……あっ、先生もビーフジャーキー食べる?」
愛原「せめて、プリッツかポッキー食わせてくれ」
リサ「そんなもの買ってないよー!」
すると美樹、バッグの中からポッキーを取り出す。
美樹「ンだら、あたしのポッキー食うか?ポッキーゲームで食わせるっつーのが、うちの村の流儀……いでっ!」
リサ、美樹の胸倉を掴む。
リサ「……あ?

人間形態ながら、器用に目だけ赤く光らせる。
美樹「す、スマン!東京じゃあ、流行らねぇゲームだったかや!?」
リサ「先生とポッキーゲームをしていいのは私だけ!」
リサ、美樹が咥えたポッキーを奪い取ると、自分が咥えた。
リサ「先生、んー!」
愛原「いいよ!食う気無くした!」
リサ「えー……」
愛原「発車までおとなくしてろ!」
私はそう言うと、自販機で買ったお茶のペットボトルを口に運んだ。
[同日09時00分 天候:晴 京王電鉄京王線7501電車・10号車内]
〔「この電車は、全席指定の“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。ご乗車には座席指定券が必要です。座席指定券をお持ちでないお客様はご乗車になれませんので、ご注意ください。また、途中駅ではお降りになれませんので、ご注意ください。お待たせ致しました。まもなく発車致します。この先揺れますので、ご注意ください」〕
発車の時間になる。
今日はダイヤの乱れも無く、電車も定刻通りに発車するようだ。
ボーディング・ミュージックは、発車の直前まで流れているようだ。
車掌がホームに出て、ピイッと笛を吹く。
発車ベルが鳴らないが、その代わりだろうか?
電車のドアとホームドアが閉まる。
さすがに全車指定席の電車とあっては、駆け込み乗車する者もいないようで、再開閉することなく、1回で閉まり切った。
それから、電車がゆっくり動き出す。
愛原「そういえばキミ、最寄りの鉄道路線は秋田内陸縦貫鉄道だったな?」
美樹「ヘェ、そうです」
愛原「確かあの路線にも、特別な列車が走っていたはずだ」
美樹「急行“もりよし”スね」
愛原「キミの家に行く機会があったら、狙ってみよう」
美樹「いいと思いますよ」
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。“Mt.TAKAO”号、高尾山口行きです。次は、明大前です。明大前の次は、終点、高尾山口です。途中の明大前では、お降りになれませんので、ご注意ください〕
電車は下り本線に入る際のポイント通過でガクンと揺れた。
それから、進路を南から西へと90度変わるので、その急カーブもある。
地下トンネル内では、車輪の軋む音が響いている。
〔「本日も京王をご利用くださいまして、ありがとうございます。9時ちょうど発、“Mt.TAKAO”1号、高尾山口行きです。終点、高尾山口には、9時43分の到着を予定しております。……」〕
電車は幡ヶ谷駅付近で地上に出る。
車内に夏の日差しが差し込んで来ると、乗客の中には窓のブラインドを閉める者も出てくる。
こちらは特に閉めることはしなかった。
光に反射して、美樹は黒髪が赤み掛かった色になる。
リサは黒髪のままだが、毛先1~2cmほどがオレンジに近い赤色になっている。
これは染めているわけではなく、Gウィルスの影響ではないかと思われる。
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