[7月16日09時43分 天候:晴 東京都八王子市高尾町 京王電鉄高尾線7501電車・10号車内→京王電鉄高尾山口駅]
高尾駅を出発した電車は、それまでの複線から単線となる。
相変わらず平地を走るJR中央本線と違い、一気に坂を登って行く。
高架からトンネルに入るが、そこを出ると一気に景色が山岳地帯となる。
トンネルを出ると景色が一変するというのは、JR中央本線と共通しているところ。
カーブもキツくなる為、電車はとても高速では走れない。
本線を最高時速100km以上で走ったこともあったのとは大違い。
〔「まもなく終点、高尾山口、高尾山口に到着致します。お出口は、右側です。お降りの際はお忘れ物の無いよう、よくお確かめください。高尾山口駅から先、高尾山方面へは高尾登山電鉄のケーブルカーまたはリフトをご利用ください。本日も京王をご利用くださいまして、ありがとうございました」〕
愛原「もう、周りは山だ。観光地だから賑わってるけど、こういう所で良かったのか?」
美樹「あー……もうここは、人間の町なんだねェ……」
愛原「そりゃ、外れとはいえ東京都だからな」
https://www.youtube.com/watch?v=HDJsQ82FhyE
(高尾山口駅周辺のテーマ)

〔「ご乗車ありがとうございました。高尾山口、高尾山口、終点です。お忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。……」〕
ドアが開いて、乗客達がホームに降り出した。
私達もその後に続く。
愛原「あー、確かにちょっと空気が違うなぁ……」
リサ「前来た時もこんな感じだったね」
愛原「そうだったな」
美樹「本当に賑わってっぺしゃね……」
愛原「まあ、3連休だしな。紅葉のシーズンや、年始の初詣でシーズンの時はもっと賑わうよ」
駅は高架駅となっている。
階段を下りて、コンコースに向かう。
コンコースにトイレがあるので、そこに立ち寄って小休止。
それから改札口を出た。
尚、交通系ICカードを持っていない美樹はキップで改札口を出る。
秋田内陸縦貫鉄道では、そんなものは導入されていないからだ。
JRに乗る機会でもあれば、まだ使う機会もあるのだろうが……。
駅を出て、『もみじ通り』という遊歩道を進む。
この先には、乗り換え先である高尾登山電鉄ケーブルカー・リフトがあるのだ。
愛原「この時点でも、ある程度標高はあるはずだが、まだ暑いな」
リサ「そうだねぇ……」
美樹「先生は生身の人間だべしゃ。熱中症にならねェでな?」
愛原「分かってる。水分補給はこまめにするよ」
美樹「うちの山でも、人間の登山者が、たまに倒れて死んだりするんだ。ンだから、気ィつけねェと……」
愛原「クマのエサにでもされちゃ、浮かばれんな」
美樹「鬼のエサに……あ、いや、クマのエサだべしゃ」
リサ「…………」
美樹の発言に、リサが不審そうな顔をした。
[同日10時00分 天候:晴 同地区内 高尾登山電鉄清滝駅→高尾鋼索線ケーブルカー車内]

京王電鉄の高尾山口駅から、ケーブルカーやリフトを運行する高尾登山電鉄の清滝駅までは徒歩5分ほどである。
その途中でも、土産物屋などが軒を連ねていた。
もみじ通り以外のルート上にも土産物屋はあるようなので、パールの為に帰りに覗いてみよう。
酒が好きなので酒でもいいし、甘いお菓子でもいいだろう。
善場係長にも買って行きたいところだが、公務員としての倫理観からか、賄賂だと思われたくないらしく、頑なに受け取ろうとしない。
愛原「そういえばキミ、東京土産は買って行ったりするの?」
美樹「そのつもりです」
愛原「そうか」
リサ「2泊3日なのに、随分デカいキャリーケース持って来たの、お土産を詰めて帰る為らしいよ?」
愛原「マジか。じゃあ、それの土産物も物色しないとな」
リサ「ぶっちゃけ、東京駅で買えばw」
愛原「おい!」
美樹「まあ、せっかく山さ行ったんだがら、山で手に入れるのが1番だべ」
愛原「そりゃそうだ」
駅の中に入り、キップ売り場に並ぶ。
高尾山に登るには、ケーブルカーとリフトの2ルートがある。
リフトはスキー場のゲレンデとかにある、あれだ。
2人乗りのリフトが常時運転されており、混雑緩和に役立っているそうだが……。
リサ「先生と2人で乗れないのなら、ケーブルカー!」
愛原「はいはい」
ケーブルカーの始発電車は8時で、終電は月に寄って異なる。
冬が早くて、夏が遅いパターン。
で、始発から終電までは15分に1本というパターンダイヤ。
混雑時は、更に増便することもあるという。
今のところは、まだ15分に1本のようだ。
3連休とはいえ、まだ本格的な夏休みに入ったわけではないからだろうか。
往復乗車券を3人分購入する。
愛原「キップは1人ずつ持とう」
美樹「ありがとうございます」
リサ「わたし、先生の隣!」
愛原「指定席じゃねーよ!w」
美樹「リサは本当に、愛原先生の事が大好きだべしゃね」
リサ「ダーリンだもん!」
美樹「本当に……いい男を捕まえたもんだべ」
リサ「でしょ!?」
愛原「……!」
その時、美樹の私の見る目が一瞬変わったような気がした。
それは、『人食い鬼が、獲物の対象となるべき人間を見る目』のようだった。
美樹「ああ。この匂い……貴重な『稀人(まれびと)』だ」
愛原「マレビト?何だそれ?」
美樹「人間の中でも、特に美味い血や肉を持った人間の事だ。食ったら、とでも力ば強くなる。……他の鬼に狙われねがったが、先生?」
愛原「あ……」
リサ「チッ!横取りしたらコロス……!」
美樹「残念だけンど、諦めるべ。獲物の横取りは、村の掟で禁止だべしゃ」
リサ「そうか……」
愛原「破ったりしたら、村八分か?」
美樹「……ま、ンなとこたべね」
愛原「んん?」
美樹「先生、この列さ並べばいいんだべ?」
愛原「そ、そうだな」
私達は次のケーブルカーの乗車待機列に並んだ。
高尾駅を出発した電車は、それまでの複線から単線となる。
相変わらず平地を走るJR中央本線と違い、一気に坂を登って行く。
高架からトンネルに入るが、そこを出ると一気に景色が山岳地帯となる。
トンネルを出ると景色が一変するというのは、JR中央本線と共通しているところ。
カーブもキツくなる為、電車はとても高速では走れない。
本線を最高時速100km以上で走ったこともあったのとは大違い。
〔「まもなく終点、高尾山口、高尾山口に到着致します。お出口は、右側です。お降りの際はお忘れ物の無いよう、よくお確かめください。高尾山口駅から先、高尾山方面へは高尾登山電鉄のケーブルカーまたはリフトをご利用ください。本日も京王をご利用くださいまして、ありがとうございました」〕
愛原「もう、周りは山だ。観光地だから賑わってるけど、こういう所で良かったのか?」
美樹「あー……もうここは、人間の町なんだねェ……」
愛原「そりゃ、外れとはいえ東京都だからな」
https://www.youtube.com/watch?v=HDJsQ82FhyE
(高尾山口駅周辺のテーマ)

〔「ご乗車ありがとうございました。高尾山口、高尾山口、終点です。お忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。……」〕
ドアが開いて、乗客達がホームに降り出した。
私達もその後に続く。
愛原「あー、確かにちょっと空気が違うなぁ……」
リサ「前来た時もこんな感じだったね」
愛原「そうだったな」
美樹「本当に賑わってっぺしゃね……」
愛原「まあ、3連休だしな。紅葉のシーズンや、年始の初詣でシーズンの時はもっと賑わうよ」
駅は高架駅となっている。
階段を下りて、コンコースに向かう。
コンコースにトイレがあるので、そこに立ち寄って小休止。
それから改札口を出た。
尚、交通系ICカードを持っていない美樹はキップで改札口を出る。
秋田内陸縦貫鉄道では、そんなものは導入されていないからだ。
JRに乗る機会でもあれば、まだ使う機会もあるのだろうが……。
駅を出て、『もみじ通り』という遊歩道を進む。
この先には、乗り換え先である高尾登山電鉄ケーブルカー・リフトがあるのだ。
愛原「この時点でも、ある程度標高はあるはずだが、まだ暑いな」
リサ「そうだねぇ……」
美樹「先生は生身の人間だべしゃ。熱中症にならねェでな?」
愛原「分かってる。水分補給はこまめにするよ」
美樹「うちの山でも、人間の登山者が、たまに倒れて死んだりするんだ。ンだから、気ィつけねェと……」
愛原「クマのエサにでもされちゃ、浮かばれんな」
美樹「鬼のエサに……あ、いや、クマのエサだべしゃ」
リサ「…………」
美樹の発言に、リサが不審そうな顔をした。
[同日10時00分 天候:晴 同地区内 高尾登山電鉄清滝駅→高尾鋼索線ケーブルカー車内]

京王電鉄の高尾山口駅から、ケーブルカーやリフトを運行する高尾登山電鉄の清滝駅までは徒歩5分ほどである。
その途中でも、土産物屋などが軒を連ねていた。
もみじ通り以外のルート上にも土産物屋はあるようなので、パールの為に帰りに覗いてみよう。
酒が好きなので酒でもいいし、甘いお菓子でもいいだろう。
善場係長にも買って行きたいところだが、公務員としての倫理観からか、賄賂だと思われたくないらしく、頑なに受け取ろうとしない。
愛原「そういえばキミ、東京土産は買って行ったりするの?」
美樹「そのつもりです」
愛原「そうか」
リサ「2泊3日なのに、随分デカいキャリーケース持って来たの、お土産を詰めて帰る為らしいよ?」
愛原「マジか。じゃあ、それの土産物も物色しないとな」
リサ「ぶっちゃけ、東京駅で買えばw」
愛原「おい!」
美樹「まあ、せっかく山さ行ったんだがら、山で手に入れるのが1番だべ」
愛原「そりゃそうだ」
駅の中に入り、キップ売り場に並ぶ。
高尾山に登るには、ケーブルカーとリフトの2ルートがある。
リフトはスキー場のゲレンデとかにある、あれだ。
2人乗りのリフトが常時運転されており、混雑緩和に役立っているそうだが……。
リサ「先生と2人で乗れないのなら、ケーブルカー!」
愛原「はいはい」
ケーブルカーの始発電車は8時で、終電は月に寄って異なる。
冬が早くて、夏が遅いパターン。
で、始発から終電までは15分に1本というパターンダイヤ。
混雑時は、更に増便することもあるという。
今のところは、まだ15分に1本のようだ。
3連休とはいえ、まだ本格的な夏休みに入ったわけではないからだろうか。
往復乗車券を3人分購入する。
愛原「キップは1人ずつ持とう」
美樹「ありがとうございます」
リサ「わたし、先生の隣!」
愛原「指定席じゃねーよ!w」
美樹「リサは本当に、愛原先生の事が大好きだべしゃね」
リサ「ダーリンだもん!」
美樹「本当に……いい男を捕まえたもんだべ」
リサ「でしょ!?」
愛原「……!」
その時、美樹の私の見る目が一瞬変わったような気がした。
それは、『人食い鬼が、獲物の対象となるべき人間を見る目』のようだった。
美樹「ああ。この匂い……貴重な『稀人(まれびと)』だ」
愛原「マレビト?何だそれ?」
美樹「人間の中でも、特に美味い血や肉を持った人間の事だ。食ったら、とでも力ば強くなる。……他の鬼に狙われねがったが、先生?」
愛原「あ……」
リサ「チッ!横取りしたらコロス……!」
美樹「残念だけンど、諦めるべ。獲物の横取りは、村の掟で禁止だべしゃ」
リサ「そうか……」
愛原「破ったりしたら、村八分か?」
美樹「……ま、ンなとこたべね」
愛原「んん?」
美樹「先生、この列さ並べばいいんだべ?」
愛原「そ、そうだな」
私達は次のケーブルカーの乗車待機列に並んだ。
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