報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Sisters” 「罠」

2017-06-22 16:45:47 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月6月15:00.天候:晴 北海道オホーツク総合振興局東部 廃洋館地下]

 重い鉄扉を開けると、更に地下へ続く階段があった。
 それは真っ暗な所であり、エミリーが左目のサーチライトを点灯して敷島達を先導した。
 その途中にも白骨化した死体が累々と転がっている。
 どれもKR団の構成員だった者達だ。
 敷島はその構成員たる人間達と殆ど遭遇していないが、既に多くが国外逃亡したり、こうやって死に至っていたのだろう。
 問題は、国外逃亡できた者とここで死んだ者の差についてだ。

 敷島:「!」

 敷島はそこで1人の構成員が持っていた銃を手にした。

 敷島:「この銃、まだ新しいな。マシンガンだと思うが、使えるか?」
 エミリー:「試してみます」

 弾は入っていなかったが、バージョン4.0から頂戴したものがある。
 これに装弾し、壁に向かって発砲するエミリー。
 まるで昔の足踏み式ミシンのような音を立てて、マシンガン弾は壁に着弾した。

 エミリー:「問題無く使えるようです」
 敷島:「よし。これはエミリーが持っててくれ」

 途中にライフルも落ちていたが、エミリーは遠距離からの狙撃が苦手である為(シンディは得意)、これは置いて行った。

 敷島:「なあ?思ったんだが、本当にこんな所にマルチタイプ試作機が隠されているのかな?」
 エミリー:「と、仰いますと?」
 敷島:「俺も平賀先生も、まさかこんな所にKR団のアジトがあるなんて思わなかったよ。ましてや、もうシステムだけが稼働している無人のアジトだ。俺は何だか違う気がするんだよなぁ……」
 エミリー:「分かりました。呼び掛けてみます」

 エミリーは右手をスウッと上に挙げ、目を閉じた。

 エミリー:「……送信はしましたが、返信がありません」
 敷島:「やはりな。シンディからの返信は?」
 エミリー:「これも無いです」
 敷島:「シンディのヤツ、一体何やってるんだろうなぁ?」

 敷島は少し苛立った様子で、自分のスマホを取り出した。
 スマホは相変わらず圏外のままになっていた。

 敷島:「うーん……」

 敷島は首を傾げた。

 エミリー:「どうしますか?」
 敷島:「しょうがない。平賀先生を見つけたら、一旦引き上げよう。さすがに予想外のことが多過ぎる。あとはもう、鷲田警視達に任せた方がいいかもしれない」
 エミリー:「分かりました」
 敷島:「KR団が関わっていることは予想できたけど、まさかこんなちゃんとしたアジトを抱えていたとはな……」
 エミリー:「そうですね」
 敷島:「さすがにもう、ほとんど打ち捨てられている状態とはいえ、殺傷能力のあるセキュリティシステムが……」

 その時、エミリーは何かを見つけた。

 エミリー:「敷島さん!」

 エミリーが敷島を後ろから抱き抱えるのと、敷島がワイヤーを足に引っ掛けたのは同時だった。

 敷島:「うわっ!?」

 ワイヤーを引き抜くと、そこからビームライフルが飛んで来る仕掛けが施されていた。
 このまま進んでいたら、【お察しください】。

 敷島:「あっぶねぇな!」
 エミリー:「ワイヤートラップです」
 敷島:「くそっ!通りで、ここにはロボットがいないわけだ!ヘタに先に行くと、何があるか分かったもんじゃないな」
 エミリー:「そうですね。私の後ろをついてきてください」
 敷島:「ああ、そうさせてもらう」

 因みにビームライフルが一定間隔で飛んで来ていたが、そこはエミリーが手に入れたマシンガンを撃ち込んで破壊した。
 それは途中に何ヶ所かあったが、すぐにエミリーが見つけ、マシンガンで装置ごと破壊した。

 敷島:「エミリーがいるとチートだな」
 エミリー:「お役に立てて何よりです」

 ドアを開けると、今度は板張りの壁があった。
 干からびた干し草などがある所を見ると、恐らく家畜小屋を偽装していたのだろう。
 ここは北海道だから、別荘の他に農場としても偽装ネタにしていたのかもしれない。
 で、ここにも死体があった。

 敷島:「くっ……酷い臭いだ」

 それは腐乱死体だった。
 嗅覚の無いロイド達には何でも無いだろう。

 エミリー:「他の死体と比べて新しいということですね」

 エミリーが木製のドアを開けると、確かにそこに死体があった。
 農機具が置いてある所を見ると、やはり農場としても偽装していたのだろう。
 だがこの死体、変な死体だった。
 RPGのミミック(宝箱に化けたモンスター)を地味にしたような木箱の中に上半身を突っ込ませ、その上から蓋をされて、下半身だけを外に出した死に方をしていた。
 まるで、本当にミミックに食われたかのようである。
 エミリーが近づいて、その木箱を開けた。
 さすがの敷島も、その無残な死体を直視はできなかった。
 エミリーが冷静にそれを調べる。

 エミリー:「どうやら、本当にミミックに食い殺されたようです」
 敷島:「マジかよ!?」

 エミリーが原型の無くなった上半身をした死体を退けた。
 木箱の中はミミックの牙代わりに、丸鋸の形をしたチェーンソーがいくつも仕掛けられていた。

 エミリー:「不用意に開けると、本当に開けた人間を食い殺すミミックのロボットを造ったようですね」
 敷島:「マジかよ!?萌といい、意外とファンタジーもの造るの好きなテロ組織だな!」
 エミリー:「TDRやUSJに売り込めば、いい商売でしたでしょうに」
 敷島:「この権利、俺が頂いてやってみるか!?……あ、もちろん、殺傷能力が無い程度で」
 エミリー:「そうですね。その為にも、平賀博士を救出してここから脱出しませんと」
 敷島:「そうだな。よし、分かった。じゃ、この先はミミックに注意ということだな。随分と地味なミミックだが」

 RPGの宝箱が派手なだけかもしれない。
 因みに敷島とエミリーがやり取りしている間、ミクは下半身だけとなった死体を調べていたようだ。

 ミク:「たかおさん、この人、KR団の人じゃないみたいです」
 敷島:「誰だ?」
 ミク:「これを……」

 ミクは死体のポケットから取り出したパスケースを敷島に渡した。

 敷島:「DSS?……はっ!デイライト・セキュリティ・サービスか!?」

 デイライト・コーポレーション直営の警備会社である。
 但し、日本の警備会社とはかなりその色が違う。
 アメリカ本体直営なだけに、数々のシークレットサービスも行う。
 イリノイ州のデイライト研究所で戦った時も、DSSが敷島達の前に現れていた。

 敷島:「ここにDSSがいるのか!?」
 エミリー:「死体はかなり腐乱していますから、ここに来てからだいぶ時間は経ってはいるでしょうね」
 敷島:「デイライト本体も嗅ぎ付けて来たのか。だとしたら、どうして日本側に任せない?日本のデイライトが手に入れたところで……」
 エミリー:「それだけ日本側が独立しようと画策しているので、もはや信用できないのでしょうね」
 敷島:「それじゃ、平賀先生を浚ったのは……!?」
 エミリー:「デイライト・コーポレーション・インターナショナル……ですかね」
 敷島:「デイライトさん同士のケンカに巻き込まれたんじゃ、世話ねぇぞ!」

 因みに平賀は、デイライト・コーポレーション・ジャパンの外部役員という顔も持っている(本業は大学教授な為)。

 敷島:「全くもう!」
 エミリー:「あっ、敷島さん!先に行かないでください!」

 エミリーが止める間も無く、敷島は次の通路へ続くドアを開けた。
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“Gynoid Multitype Sisters” 「敷島調査団」 2

2017-06-21 19:32:10 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月6日14:00.天候:雨 北海道オホーツク総合振興局東部 古民家(洋館)]

 食堂から再びエントランスホールへ戻って来た敷島達。
 ここで何か大きな仕掛けが作動したと思われる為、それを探ることにした。

 敷島:「2階からだと、他の部屋に行くドアに鍵が掛かってるな。2階からは、現時点でどこへも行けないようだ」

 敷島は階段を下りて、途中の踊り場に足をつけた。

 敷島:「ん?」

 その時、ふと思った。
 この1階と2階の間の踊り場、壁だと思っていたのはドアだった。
 ドアノブに手を掛けて回すと、ドアが開いた。

 敷島:「うん。ここからどこか他の場所へ行けそうだ。平賀先生、何か見つけましたか!?」

 敷島が踊り場から顔を覗かせた。
 しかし、エントランス前にエミリーとミクがいる以外、平賀の姿は見えなかった。

 敷島:「平賀先生!」
 エミリー:「……!?」

 エミリーも首を傾げて、階段の裏手に回った。

 エミリー:「平賀博士、どうしましたか?」

 階段の後ろにあるドアを開けると、そこは物置になっていた。
 だが、そこに入ったはずの平賀の姿が無かった。

 エミリー:「平賀博士?」
 敷島:「どうした、エミリー?平賀先生はどうした?」
 エミリー:「この中に入ったんです。ですが……いません」
 敷島:「どういうことだ!?」

 物置の中は暗かった。
 すぐにエミリーが片目に内蔵されているサーチライトを点灯した。

 敷島:「平賀先生!何かありましたか!?」

 だが、平賀の姿は無い。

 敷島:「一体、どういうことだ!?本当に平賀先生はこの中に入ったのか?」
 エミリー:「はい、間違いありません」
 ミク:「わたしも見ました」
 敷島:「モノが邪魔だ。取りあえず、邪魔なヤツを外に出そう」

 元から古い屋敷な上に、あまり手入れもされていなかったのだろう。
 埃被った掃除用具などが出て来た。

 エミリー:「敷島さん、これ……」

 その中からハンドガンが出て来た。

 敷島:「KR団の置き土産か?使えそうか?」
 エミリー:「特に損傷は見当たりません」
 敷島:「そうか。これは俺が持っておこう。もっと強力な武器が見つかったら、それはお前が持て」
 エミリー:「分かりました」
 敷島:「何しろこっちには、ロボットデコイやリモコン爆弾まであるからなぁ……」

 エミリーのスカートを捲り上げると、実は爆弾が仕掛けられているという。
 具体的には足に括り付けている。

 敷島:「この部屋に、平賀博士を連れ去る仕掛けが施されていたんだろう。くそっ、油断した!」
 エミリー:「どうしますか?」
 敷島:「どうもこうもない。取りあえず、一旦ここを離れよう。シンディにもう一回連絡してみてくれ」
 エミリー:「かしこまりました」

 敷島達はエントランスのドアを開けようとした。
 だが……。

 敷島:「うおっ!?」

 外から別のバージョン4.0が1機、入って来た。

 4.0C:「平賀博士ハ預カッタ。無事ニ返シテ欲シクバ、コノママ奥ニ進メトノコトダ」
 敷島:「何っ!?」
 エミリー:「平賀博士拉致を命じたのは誰だ?」

 エミリーが両手に拳を作って4.0を睨みつけると、4.0は少しおとなしくなった。

 4.0C:「誰モ命ジラレテハイマセン」
 敷島:「ウソつけ!」
 エミリー:「正直に言わないと壊す」
 4.0C:「平賀博士ハ勝手ニコノ屋敷ノトラップニ引ッ掛カッタノデス。ソレヲ……預カッタノデス」
 敷島:「『とのこと』と言ったな。お前は誰に平賀博士が捕らえられたと聞いたんだ?」
 4.0C:「下等デ愚カナ人間ニ答エラレルモノナド無イ」
 敷島:「下等で愚かだってさ。どう思う?エミリー?」

 ピシィッ!(エミリーが電気鞭で4.0Cを引っ叩いた)

 4.0C:「ヒィッ!?ソ、ソレハ!?」
 エミリー:「シンディから借りた電気鞭だ。人間に答えられないというなら、私には答えられるな?」

 シンディが電気鞭を持つようになったのは後期型になってから。
 前期型では大型ナイフを指揮棒代わりに使っていたが、現在はアリスに作ってもらった電気鞭を使っている。

 4.0C:「ソレハ……」
 エミリー:「平賀博士が拉致されたと誰に聞いた?そして平賀博士は今、どこにいる?答えろ」
 4.0C:「オ、オ助ケーッ!」

 ドタドタドタとずんぐりむっくりの体を揺らして、慌てて逃げ出す4.0。

 敷島:「あっ、待てっ!」

 敷島が追い掛けようとすると、突然天井からビームライフルが発射され、それが4.0に直撃した。
 4.0はいとも容易く破壊された。

 敷島:「あっ、くそっ!口封じされた!」

 エミリーは天井の照明器具に化けていたビームライフル発射装置を破壊した。

 エミリー:「少なくとも、どこかで私達を監視している者がいるようです」
 敷島:「そうだな。癪だが人質を取られた以上、あいつの言う通り、奥に進むしか無い」
 エミリー:「はい」

 エミリーは白手袋を着けていたのだが、それから黒い革手袋に交換した。
 シンディと同様、元々は革手袋を装着していたのだが、威圧感がある為にメイド業務も行うようになってからは、白いナイロン製の手袋に替えていた。
 さすがに今回は違うので。
 シンディの場合は秘書として敷島エージェンシーにいる時のみ、手袋を外しているに留まっている。

 敷島:「あのドアが開いた。あそこから行こう」
 エミリー:「分かりました」

 吹き抜け階段の踊り場のドアを開けると、そこから外に出られた。
 但し、完全に敷地の外というわけではなく、裏庭のようだった。

 敷島:「こ、これは……!?」

 その裏庭、夜に来たら物凄くホラーな展開になっていたのだろう。
 昼間でさえ薄気味の悪い屋敷ではあるが、裏庭はもっと凄いことになっていた。
 何故なら、あちこちに白骨死体が転がっていたからである。

 エミリー:「大丈夫ですか、敷島さん?」
 敷島:「ああ。却って、白骨化してくれていて助かった。まだ原型のある死体の方が、チビっていたかもしれん」

 そのうちの一体を調べてみると、着ていた服にIDカードが付いていた。
 だいぶかすれて読みにくくなっていたが、英語で『ケイン・ローズウェル財団』の文字が読み取れた。

 敷島:「KR団の構成員か。ここで何かあったのか、それともどこかで殺された死体を誰かがここに捨てて行ったのか……」
 ミク:「たかおさん、これ見てください!」

 ミクが裏庭の奥に何かを見つけた。
 それは地下室に通じる階段。
 その手前は鉄柵で仕切られていたが、その手前に1人の死体がうつ伏せで倒れていた。
 もちろん、これも白骨死体だ。
 だがこの死体、右手に何かを持っていた。
 それは鍵。
 鉄柵も錆びていたが、元々この柵は南京錠で施錠されていたようで、この死体はそれを開けようとしていたのだろうか。

 敷島:「この下に何かあるみたいだな。エミリー、出番だぞ」
 エミリー:「はい!」

 錆びてボロボロになった鉄柵。
 エミリーは簡単にそれを外した。

 敷島:「行ってみよう。もしかしたら、この下にマルチタイプ試作機が保管されていたりしてな」
 エミリー:「それを見つけたとしても、平賀博士を無事に見つけないといけませんよ」
 敷島:「ああ、分かってる。平賀博士を罠に掛けて拉致ったのは、一体誰なんだろうなぁ……?KR団の人間……じゃないよなぁ……?」

 階段を下りた先には重厚な鉄扉があった。
 だがこのドアも、どういうわけだかエミリーがドアノブに触っただけで、いとも簡単に解錠されたのである。
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“Gynoid Multitype Sisters” 「敷島調査団」

2017-06-21 12:35:38 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月6日13:00.天候:曇 北海道オホーツク総合振興局東部 廃屋]

 エミリーが触ったら、何故か鍵が開いた洋館のドア。
 しかし、敷島達は気づいていない。
 それにしても、ビームは撃って来なかったが、作動する気はあった仕掛けといい、このドアといい、廃屋同然の状態ではあっても、システムは生きているらしい。

 敷島:「こりゃまたベタな法則ですな」

 エントランスホールの中は2階吹き抜けの構造になっており、中央にはT字型の階段があった。

 平賀:「外観に反して、中は広そうですね。さて、どこから探したものか……」

 するとエミリーが右手をレーザーガンに変形させて、左側のドアに向けた。

 敷島:「何だ?」

 そのドアを開けて、エントランスから出てくる者達がいた。
 バージョン4.0が2機である。

 エミリー:「止まれ!」
 4.0A:「オ待チクダサイ。私達ハ敵デハアリマセン」
 4.0B:「皆様ノゴ案内ヲサセテ頂キニ参リマシタ」
 敷島:「何だって?」
 平賀:「そうか、分かった。なら聞こう。ここは何だ?」
 4.0A:「ケイン・ローズウェル財団北海道支部デス」
 平賀:「やはりそうか。ということは、ここに人間の構成員がいる。……いや、いたという過去形の方がいいのか?……それとも、本当に今、ここには自分と敷島さん以外の人間がいるのか?」
 4.0B:「イマセン」

 4.0達が語った、ここが放棄された時期はKR団崩壊1ヶ月前だった。
 恐らく、組織の崩壊を見越したここの関係者が施設を放棄して逃亡したのだろう。
 1ヶ月前なら、まだ国外逃亡はできたかもしれない。
 警察がどれだけ構成員を把握していたかにもよるが。

 4.0A:「コチラヘドウゾ」

 この2体のロボットが出て来た部屋へと通される。

 敷島:「ここは……!?」

 これまた2階吹き抜けの食堂があった。
 大きなテーブルには、2人分の豪華な料理が並んでいた。

 4.0A:「オ客様方、昼食ガマダデショウ?御用意サセテ頂キマシタノデ、ドウゾゴユックリオ召シ上ガリクダサイ」
 敷島:「随分と用意がいいな?この前の北海道戦では、変な料理を提供されたものだが……」

 食用油の代わりに機械油で揚げられたフライ、恐らくはオニオンスープのつもりだったのだろうが、タマネギではなく、ネジが入っていたもの……。
 パンの形をした発砲スチロール、酒はエンジンオイル。
 まるで、ロボットが人間の食事をしようとするとああなるみたいな感じだった。

 敷島:「ここではどうなのかな?エミリー、スキャンしろ。もし毒成分だの、食用が明らかに不適なものが検出されたら……分かってるんだろうな?」

 エミリーは皿に盛り付けられた料理をスキャンした。

 エミリー:「……毒物や金属、その他危険と思われる成分は検出されませんでした」
 敷島:「そうなのか?」

 敷島は試しにコーンスープを口にした。

 敷島:「……美味い!これはイケる!」
 平賀:「食べ過ぎたら、豚になる成分が入ってたりして」
 敷島:「ブッ!どこのジブリアニメですか!」
 4.0A:「初音ミクサン、是非私ノボディニサインヲ!」
 4.0B:「私ニモ!」
 初音ミク:「はあ……」

 ミクがペンでサインをした。
 ボーカロイドは人間のみならず、ロボット達にも大人気なのである。
 その時、エミリーが大食堂の片隅に置かれているピアノを見つけた。

 エミリー:「あのピアノ、弾いてもいいか?」
 4.0A:「ア、ハイ!」
 4.0B:「ドウゾドウゾ!」

 エミリーはピアノの鍵盤の蓋を開けた。

 エミリー:「初音ミク。『オホーツク旅情歌』を歌え」
 ミク:「あ、はい」

 エミリーがピアノの伴奏を弾く。
 それに合わせて、ミクが歌を歌った。

 敷島:「ん?」

 ミクが歌い終わると、何か物音がした。
 具体的には何か重い物を引きずる音。

 平賀:「ダンジョンで、どこかの扉が開く音に聞こえましたね」
 敷島:「なるほど。どこかの仕掛けが開いたということか。でかした!」
 エミリー:「どこの仕掛けが作動した?」
 4.0A:「ワーイ!ワーイ!サインモロター!」
 4.0B:「安心シテ死ンデイイデスヨー」

 Bが敷島達に右手を変形させたマシンガンを向ける。

 エミリー:「やはりか!」

 エミリーが左手から有線ロケットパンチを繰り出すのと、バージョン4.0Bが敷島達にマシンガンを放つのは同時だった。

 敷島:「平賀先生!」
 平賀:「わっ!」

 敷島はすぐに平賀と共に、テーブルの下に伏せた。
 テーブルやその上の料理がメチャメチャになる。

 エミリー:「キサマら!」

 Aも感応したのか、右手をマグナムに変形させたが、エミリーはそれを使われる前にAとBを秒殺した。

 敷島:「あー、びっくりした……」
 平賀:「くそっ、油断した。やっぱり、所詮はテロロボットだったか……」
 敷島:「先生、お怪我は?」
 平賀:「いや、大丈夫です」
 敷島:「ここで『初音ミクの消失』とか歌ったら、もっと凄いことになったりして」
 ミク:「歌いますか?」
 敷島:「そうだな……」

 敷島はピアノを見たが、見るも無残に壊れていた。

 エミリー:「申し訳ありません。戦いの最中に……」
 敷島:「まあ、しょうがない。取りあえず、どこかの仕掛けを作動させることができたんだからな。そこへ行ってみよう」
 平賀:「向こうから音がしましたね」
 敷島:「行ってみましょう」

 それは先ほどのエントランスホール。
 途中で銃器が手に入るかどうかは不明だが、エミリーは一応、破壊した4.0達からマシンガンの弾とマグナムの弾を持って行った。

 敷島:「んん?」

 エントランスホールに戻ったが、特に何かが変わった様子は無い。

 敷島:「確か、ここから聞こえて来た気がしましたが……?」
 平賀:「変わった様子と言えば、照明が点灯しましたね」
 敷島:「あっ、そうか!」

 吹き抜け天井から吊るされたシャンデリアは、ローソク型の電球が灯り、その他にも壁の灯具などが点灯していた。
 しかし、通電しただけであんな重厚な音がしたとは思えない。

 平賀:「このホール内限定で、手分けして探してみましょうか。幸い、このホール内には敵の気配はしませんし」
 敷島:「そうですね。ヤバそうな仕掛けがあったら、触らず、近寄らず、そこはエミリーに調べてもらいましょう。私は2階を探して来ます」
 平賀:「じゃあ、自分は階段の後ろを探して来ます。エミリーはここに控えて、ミクの護衛だ」
 エミリー:「分かりました」

 敷島は赤絨毯の引かれた階段を駆け登った。

 敷島:「ドリフのコントみたいに、これが滑り台みたいになったら面白いんだけどな」

 もちろんそんなこと、あるわけが無かった。
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“Gynoid Multitype Sisters” 「宇登呂と沙留の間に旅人が来たよ」

2017-06-20 23:26:04 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月6日12:30.天候:曇 北海道オホーツク総合振興局東部付近]

 初音ミクが持ち歌の1つである『オホーツク旅情歌』を歌った。
 だが、何も起こらない。

 敷島:「くっ!……もっと近くで歌わないとダメか?」
 平賀:「いや、もっとピンポイントに歌う場所が決まっているのかもしれませんね」
 エミリー:「そうなると、あの屋敷に入ることになりますが……」
 敷島:「エミリー、シンディからの返信は?」
 エミリー:「まだありません。返信を急がせますか?」
 敷島:「井辺君が忙しいのかもしれない」
 平賀:「ミクは表向き、オーバーホール中ということになってますからね。その誤魔化しと、他のボーカロイド達の調整で忙しいのかもしれません」
 敷島:「しょうがない。入ってしまうか」
 平賀:「ええっ?」
 敷島:「不法侵入になるって?……念の為、小切手を持ってきた。もし家主から訴えられたら、これで示談にしちゃおう」
 平賀:「さすがですねぇ……」

 敷島達は正門らしき場所に近づいた。
 だが当然のごとく、閂には頑丈なチェーンが掛けられていた。

 敷島:「どこか、抜け道となるような場所は……」
 エミリー:「……っ!!」

 バキィン!(エミリーがスチール製のチェーンを引きちぎった)

 平賀:「……チェーンは、後で自分が弁償します」
 敷島:「エミリー、お前……」
 エミリー:「お役に立てましたでしょうか?」
 敷島:「今回は許す。早く門を開けろ」
 エミリー:「はい」

 エミリーは観音開きの門を押し開けた。

 バキッ!……バーン!(蝶番が腐っていたせいでそこから門扉が外れ、地面に落ちた)

 敷島:「……ここまで来ると、次の台風シーズンや雪のシーズンでブッ壊れてたんじゃないか?」
 平賀:「そういうことにしておきましょう」

 正門から中庭に入り、正面エントランスまでの石畳の上を進む。

 エミリー:「私が囮になりますので、後からついてきてください」
 敷島:「何が!?」
 エミリー:「あのガーゴイルや外灯、こちらに向かってビームライフルが放たれる仕組みになっているようです」
 敷島:「何だって!?」
 エミリー:「もっとも、どれほどの殺傷能力があるかどうかは不明ですが……」
 平賀:「だが、もう朽ちた屋敷だぞ?仮にそんなシステムがあるとして、今も稼働してるかな?」
 エミリー:「とにかく、私が行ってみます」

 エミリーはクラウチングスタートの体勢を取った。
 ロングスカートだが、スリットが深い為に、そこから白いおみ足が覗く。
 一気にダッシュした。

 平賀:「待て待て待て、エミリー!」

 平賀が何かに気づいたのか、急いで制止を求めた。
 だが、エミリーは急には止まれない。
 ビームライフルを放つ仕掛けは、どうやら生きているようだ。
 だが、エミリーには放ってこなかった。
 ただ、センサー自体は感知するせいか、それで一瞬、赤いランプが光る。

 平賀:「やっぱりな……」
 敷島:「何ですか?」
 平賀:「生体反応タイプだと思ったんです。だから、エミリーがセンサーに感知しても作動しなかったんですよ」
 敷島:「何ですって!?……エミリー、お前、役に立ってないぞ!早く戻ってこい!」
 エミリー:「

 エミリー、イラッとした顔になると、右手を光線銃に変形させた。
 そして、次々とガーゴイル像や外灯に偽装されたビームライフル発射装置を破壊した。

 エミリー:「……これでもう安心です。どうぞ、こちらへ」
 敷島:「お前なぁ……」
 平賀:「お前も気の短い性格になったなぁ」

 敷島達、エントランスへ向かう。

 敷島:「あれ、弁償しようとすると、いくら掛かるでしょうか?」
 平賀:「もうこの際、いいんじゃないんですか?本当の廃墟かもしれませんよ。管理者は元より、所有者すら不明の」
 敷島:「だからといって、勝手に破壊するわけにはいかないでしょう」
 平賀:「それは正論ですが、エミリーが更に先走ってしまったことがある」
 敷島:「何ですか?」
 平賀:「本当に今の仕掛けが作動するのか、一回試してみたかったんですよ」
 敷島:「わざとトラップに引っ掛かれと?それは危険じゃないですか?」
 平賀:「いや、あれも防犯装置の一環のつもりであるなら、必ず点検モードがあるはずなんです。それに切り替えることによって、安全を確保した上で手動で作動させることができるはずです」
 敷島:「なるほど。……だ、そうだ。エミリー」
 エミリー:「申し訳、ございません」

 エミリーは頭を下げたが、憮然とした顔だった。

 敷島:「どうしたんだ?今日は随分と空回りしてるじゃないか?」
 エミリー:「私、今回の旅行であまりお役に立っていないんです」
 敷島:「そうかぁ?ボーカロイド達の護衛や俺達の護衛、上手くやってたじゃないか」
 平賀:「そうそう。ていうか、今お前を連れて来てるのもそれが目的だぞ?」
 エミリー:「私はアンドロイドマスターたる敷島社長のお役に立ちたいのです。今回、それができていないのが心苦しい……です」
 敷島:「エミリー、現時点におけるお前の立場は俺専用の秘書でもなければ護衛でもメイドでもない。あくまで、ここにいる全員の護衛役だ。いいか?これは俺からの命令だぞ?これに従って上手くできたら……頭撫でてやるよ」
 エミリー:「かしこまりました。そういうことでしたら、御命令お受けします」
 平賀:(命令を受ける代わりに、軽いスキンシップとはいえ、報酬を求めるロイド……マルチタイプか。こいつら、どんどん進化しているということ……だな)
 敷島:「それじゃ、早速中に入りましょう。エミリー、ピンポンやってくれ」
 エミリー:「はい」

 エミリーはドア横のインターホンを鳴らした。
 だが、そもそも鳴っているのかさえ不明だ。

 平賀:「当初の七海は同じ命令を出すと、卓球のラケットと球を用意したものです」
 敷島:「で、平賀先生が、『誰がピンポンやれっつった!!』とお怒りになる」
 平賀:「そうですそうです。で、エミリーが『ドクター平賀・ですよ』と、冷静に突っ込んで来たものです」

 当初のエミリーは自分の秘めたる思いを隠し、『仮面』を羽織って、マルチタイプながらあたかもロボットのように振る舞っていた。

 敷島:「……何の反応も無いな」
 平賀:「鍵が掛かってるでしょうね。しまった。こういう時、萌がいた方がピッキングできるんだよなぁ……」
 敷島:「井辺君から借りて来るべきでしたね。どうしましょう?」
 エミリー:「私がこじ開けます」
 敷島:「まあ、そうなるよな」

 さすがにここまで来ると、敷島達はエミリーの強硬的行動を止めることはしなかった。
 エミリーがドアノブに手を掛け、思いっ切り力を込めようとした時だった。

 ……カチャ。

 エミリー:「!!!」

 内側から鍵が開けられた。
 エミリーは慌ててドアノブから手を放した。

 ……カチッ。

 エミリー:「!?」

 今度は鍵が掛かった。
 再び手を掛けると鍵が開き、放すと鍵が掛かった。

 平賀:「何やってるんだ?早く開けろ」
 エミリー:「……はい」

 エミリーは普通にドアノブを回してドアを開けた。

 敷島:「何だ、鍵開いてるじゃん」
 平賀:「外側のセキュリティがしっかりしているつもりなので、ここまでは施錠しなかったのかもですね」
 エミリー:「あ、あの……」
 敷島:「エミリー、お前が先だ。外側にビームライフルのトラップが仕掛けられてるってことは、中も似たようなトラップがあるんだろう。先に進んで、トラップの有無と状態を確認してくれ」
 エミリー:「かしこまりました。(このドアの仕掛けについては、いいかしら……)」

 とにかく敷島達は、屋敷の中へと潜入した。
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“Gynoid Multitype Sisters” 「宇登呂と沙留の間」

2017-06-18 19:20:42 | アンドロイドマスターシリーズ
[5月6日10:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区 DCJロボット未来科学館]

 敷島達が北海道に行っている間、ロボット未来科学館は通常営業していた。
 館長以下、館員達が慰安旅行中に誘拐されたことなどウソのようだ。

 Pepper改:「こんにちは。御見学ですか?」

 総合受付にやってきたのは、50代半ば頃と思しき男性だった。
 スーツ姿であった。

 男性:「いえ。実はこちらの館員さんに、面会したい人がいるんですが……」
 Pepper改:「御面会の方ですか?……本日の予定にございませんが?」
 男性:「ああ、申し訳ないが、実は約束はしていない。何とか、会えないだろうか?」
 Pepper改:「当館はお約束の無い方とは面会……」
 アリス:「コラーッ!展示室エリアでヲタ芸やるなって何回言わせんの!!」
 マリオ:「北海道ボカロフェス、行きたかったなぁ……」
 ルイージ:「初音ミクさんと握手……」
 アリス:「アタシの護衛をしなきゃ行けないんだから、しょうがないでしょ!」
 男性:「あの……ちょっといいですか?」
 アリス:「なに!?」
 男性:「アリス・フォレストさん……ですよね?」
 アリス:「そうですけど?」
 男性:「ちょっと、お話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」
 アリス:「はい?」

[同日10:32.天候:雨 JR遠軽駅]

 4両編成の気動車特急が駅のホームに滑り込む。
 ここで列車はスイッチバックするとの放送が流れたが、敷島達にとっては下車駅なので関係無い。
 昔はここから名寄本線という鉄道線が出ていたのだが廃止になり、石北本線のスイッチバック駅となった。

 敷島:「ここからは車だな。レンタカー屋があるから、そこで借りて来よう」
 平賀:「はい」

 エミリーは駅近くのレンタカー会社で敷島達が車を借りる手続きをしている間、信号を送ってみた。
 宇登呂と沙留から内陸に向かって線を伸ばし、そこが交差する辺り。
 当初は沙留から真南、宇登呂から真西に向かって線を伸ばすものだと思われた。
 南と西は合っているのだが、少しズレていた。
 もっとも、初音ミクの原型機が見つかったのだって、オホーツク海に向かって真っすぐに2つの線が交差した所というわけでも無かったので、別にそこは大きな問題では無い。

 敷島:「よし。乗ってくれ」
 エミリー:「はい」
 ミク:「はい」

 ハイブリットカーを借りてきて、ロイド達も車に乗り込んだ。

 平賀:「取りあえず、西へ向かってください。遠軽駅ですと、東にズレているので」
 敷島:「分かりました」

 方向的には来た道を戻ることになる。
 実は特急が通過するような駅で降りた方が近かったのかもしれない。
 もちろん大都市圏のように特急が各駅停車と都合良く接続しているわけでもないし、そんな最寄り駅だって、実際そこから結局は車でないとアクセスできないわけだから、やっぱりレンタカー屋がある所で降りた方が良い。

[同日12:00.天候:曇 北海道某所]

 車で1時間以上も走った所だろうか。
 最後には農道のような所を走っていた敷島達だったが、その道の舗装が無くなった所を更に走っていると、ついに道が無くなった。
 具体的には、道のど真ん中に大きな木が立っていて、それが道を塞いでいたのだ。

 エミリー:「撤去しますか?」
 敷島:「いや、いい。ここから歩いて行こう」

 敷島達は車を降りた。

 平賀:「驚きましたね。自分はつい、何も無い原野のような場所を想像していたんですが、実際は森の中のようです」
 敷島:「そうですね。よし、ここで準備しよう」

 それまでミクは白いブラウスに紺色のベスト、エメラルドグリーンのネクタイに紺色のミニのプリーツスカートという恰好をしていた。
 敷島と平賀は車を降りて、ミクは車内に残り、そこでステージ衣装に着替えた。
 といっても、宣材写真(クリプトン公式イラスト)の衣装であるが。

 ミク:「お待たせしました」
 敷島:「よし。……じゃあ、行くぞ」

 ここからは道なき道を進むことになる。
 ……はずなのだが。

 敷島:「あれ?何だろう?」

 敷島は首を傾げた。
 森の部分は最初だけで、あとは家が見えて来た。

 敷島:「平賀先生?」
 平賀:「方向は合ってます。え?家なんか建ってる?」

 もっとも、遠くから見た感じでは、廃墟のように見えた。
 グーグルマップを見ても、家が建っているような感じには見えない。
 普通に、森のようになっているだけだった。

 敷島:「最近、中国人が北海道の無人の土地を買い漁って問題になっていますからねぇ……。それ絡みだったりして」
 平賀:「それにしては、随分と古そうな建物ですよ。それも洋館だ」
 敷島:「この前の廃ペンションを思い出すなぁ……。なるべく近くまで行って、それからミクの歌をノック代わりにしましょう」
 平賀:「そうですね」
 エミリー:「あの……」
 敷島:「何だ?」
 エミリー:「試作機はKR団が持ち込んだのですよね?」
 敷島:「そう思われるって話だ」
 エミリー:「KR団がアジト用に建てた可能性は無いでしょうか?表向きは、個人の別荘とかということにして」
 敷島:「なるほど。それは考えられるな」
 平賀:「KR団は表向き崩壊しましたが、まだあの中に残党がいたり、或いはロボットがまだ稼働している恐れがありますね」
 敷島:「よし。それじゃ、ここで一旦鷲田警視に連絡を……あれ?『圏外』になってる!?」
 平賀:「自分のもです。今時、物理的に電波の入らないような場所以外で圏外になるなんて……」
 敷島:「エミリーの通信はどうだ?衛星通信を使えば大丈夫だろう?」
 エミリー:「……はい、それなら大丈夫です」
 敷島:「シンディに、この位置と現況を送信しておいてくれ。シンディから井辺君に、井辺君から鷲田警視達に連絡してくれればいい」
 エミリー:「かしこまりました」
 敷島:「エミリーが送信したら、ミク、『オホーツク旅情歌』を歌ってみてくれ。これで何かしら反応があるかもしれない」
 ミク:「分かりました」
コメント
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