とまぴーSTYLE

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今日も豊かな一日になりますように・・・

吉田修一を三冊

2013-03-09 23:55:51 | 




「パレード」

5人の若者達のルームシェアを舞台に、
彼らの共同生活とそのひずみで起きる経過と結末が描かれている。

とウィキペディアに書かれていますが、
それほどヘビィではないように感じました。
今時なのか、しかしどの時代にも存在する若者たちの姿に間違いありません。

「知らないふり」していながら、実は全員が全部「知っている」
それが優しさでありながら、怖さでもあります。

ラストはぐっときました。
この小説の良さはここですね!




「静かな爆弾」

公園で俊平が出会った響子は、耳が聴こえない。

主人公は、仕事の事となると女性の事も忘れ、約束も破り、省みない。
世の男性には、そう言う人も多いことでしょう。

話の内容もさることながら、
私が普段、ふっと思うこと感じることを実にうまく描写している。

例えば、
「電話の一本でもくれたらいいのに」と苛立ったりするじゃない?

それに対して、
「その場の流れでできないこともあるのだ」・・・ふむふむ、なるほどね。

私だってあるよ。
メールひとつ入れたら済むことなのに、
それができない空気の中や、流れの中に居る時が。

極上の恋愛小説・・・かどうかは読み人次第です。
でも、静かな時間の流れは感じます。




「平成猿蟹合戦図」

いやあ、これは面白かったな!
誰が主人公なのかわからない(笑)
でも、これが吉田修一なのであって、最後はきちんとリンクしていく。
読みごたえのある長編でした。




コメント (2)
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