「パレード」
5人の若者達のルームシェアを舞台に、
彼らの共同生活とそのひずみで起きる経過と結末が描かれている。
とウィキペディアに書かれていますが、
それほどヘビィではないように感じました。
今時なのか、しかしどの時代にも存在する若者たちの姿に間違いありません。
「知らないふり」していながら、実は全員が全部「知っている」
それが優しさでありながら、怖さでもあります。
ラストはぐっときました。
この小説の良さはここですね!
「静かな爆弾」
公園で俊平が出会った響子は、耳が聴こえない。
主人公は、仕事の事となると女性の事も忘れ、約束も破り、省みない。
世の男性には、そう言う人も多いことでしょう。
話の内容もさることながら、
私が普段、ふっと思うこと感じることを実にうまく描写している。
例えば、
「電話の一本でもくれたらいいのに」と苛立ったりするじゃない?
それに対して、
「その場の流れでできないこともあるのだ」・・・ふむふむ、なるほどね。
私だってあるよ。
メールひとつ入れたら済むことなのに、
それができない空気の中や、流れの中に居る時が。
極上の恋愛小説・・・かどうかは読み人次第です。
でも、静かな時間の流れは感じます。
「平成猿蟹合戦図」
いやあ、これは面白かったな!
誰が主人公なのかわからない(笑)
でも、これが吉田修一なのであって、最後はきちんとリンクしていく。
読みごたえのある長編でした。