とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2022第3回信越トレイル:セクション9

2022-08-10 21:22:19 | 信越トレイル
セクション9は、秘境秋山郷の集落を結ぶ山旅だ。秋山郷の入り口に当たる結東温泉「かたくりの宿」からスタートする。


すぐに出てくるのが、「見倉の吊り橋」への案内看板だ。“ゆれる”とわざわざ書いてあるのが吊り橋への興味をそそる。


看板前で記念写真。


いざ、「見倉の吊り橋」に向けて出発だ。


木立の中をグングン下っていく。


木立の間から中津川渓谷とエメラルドグリーンの中津川の流れが見えてきた。


吊り橋の入り口に着いた。


確かに、この吊り橋は揺れそうだ。この橋、実はオダギリジョー、香川照之、真木よう子といった今をときめく俳優が出演した西川美和監督の映画『ゆれる』や、NHK大河ファンタジー『精霊の守り人』のロケ地にもなったことで有名な橋なのだ。


間隔を空けて恐る恐る橋を渡り始める。下を見ると流れは美しいが、やはりそこそこ揺れて怖い。


映画「ゆれる」では、橋の中ほどで真木よう子が転落するシーンがあり、それを思い出すと尚更怖い。一緒にいた香川照之がわざと落としたのか、事故だったのかが焦点となり、映画の重要なポイントとなった場所なのだ。


吊り橋を渡りきると、急な山道を登り返す。登り終えると見倉集落に出た。わずか4軒の庭先には小さな田んぼと畑があり、自然と共生した循環型の暮らしが営まれているという。


見倉集落の中を通り、先に進むと栃の森だ。栃の実は大事な食料源になるそうだ。


風穴の前まで来た。風穴というからには大きな穴でもあるのかと思っていたが、草に覆われそれらしき穴はよくわからないが、やけに涼しい場所だった。


草むらを掻き分けてみると、小さな穴が所々にあり、そこから冷たい風が出ていた。まるで冷蔵庫の入り口にいるかのような心地よい場所だった。


見倉トンネルの前に出る。どうやら我々はトンネルの上を歩いてきたらしい。


その後は、舗装路を歩き大赤沢の集落までやってきた。山源木工さんの手前から「蛇渕の滝」の看板を見て、滝見物に向かう。


蛇淵の滝。その名前の由来は、その昔秋山郷の熊取名人がこの付近に熊を追ってきて、川にかけられた丸太を渡り終え、ふと後ろを振り向いたところ、それは丸太ではなく大蛇であった。恐ろしさのあまり一目散に山道を逃げ去ったということで、以来この滝を「蛇淵の滝」と呼ぶようになったと言われているそうだ。


大赤沢の集落を出ると、再び山道に入る。「牧之の道」と呼ばれる道で、今から250年程前に、越後の魚沼郡塩沢村(現・南魚沼市)に生まれた鈴木牧之が、歩いた道とされている・


鈴木牧之は、江戸をはじめ、しばしば各地に旅をしていた。文政11年(1828) 59歳の時、初めて秋山郷を訪れた。彼が書いた「秋山記行」は、この地の珍しい風俗や習慣などを絵と文章で克明に綴った大変貴重な記録で、秋山郷を全国に知らしめたとされていることから彼が歩いた道が現在もしっかり整備されているのだ。


「牧之の道」で見かけたキノコ。


甘酒村跡に到着する。江戸時代、鈴木牧之が訪れた時には2軒の家があったと書かれているが、その後、甘酒村は天保の飢饉(1833〜1839)において住人が餓死し、廃村となったと言われている。現在は、記念碑と石造物がならび、村が存在したことを今に伝えている。


現在も誰かが管理している水田が広がっており、集落の面影が残っている。


甘酒集落跡を出てグングン下っていくと苗場神社だ。苗場神社で、信越トレイルの完歩を祈る。


鳥居を抜ければ、セクション9のゴールだ。


ゴールとなる小赤沢の秋山郷総合センター「とねんぼ」に到着する。


「とねんぼ」には到着したのは、まだお昼前だが、朝が早かったので2階のテラスでランチ休憩をする。


この日は、お迎えが来るまで時間が十分にあったので、「とねんぼ」から数分先にある「保存民家」を見に行く。今から230年ほど前に作られた茅葺き、中門造の民家で1975年に修復し、保存展示している。秋山郷を襲った飢餓の歴史の紹介や、江戸時代後期の住まいの様子が伺える。


13時半頃お迎えが到着し、無事戸狩温泉に戻り帰路についた。第4回は、10月上旬に苗場山登山をして信越トレイルの最終回とする予定だ。

参考1.信越トレイル・セクション9の高低図&コースタイム


参考2.信越トレイル・セクション9のコースマップ