とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2014東北登山「2日目:奥入瀬渓流&籐七温泉」

2014-08-13 00:06:53 | 山登り
2日目は、八甲田山に登る計画であったが昨夜から雨風が酷くなり、とても山に登れるような状況ではなかった。ついに台風11号の影響が東北にも及んできていたのだ。酸ヶ湯温泉から最短のコースで八甲田山の最高峰大岳に登るにしても4~5時間はかかる。この日の天気は、まったく山に登れるような状況ではなく、八甲田山を手前にして泣く泣く断念せざるを得なかった。

山を諦めるにしても、待機している余裕はない。次の山に向かうため、車に荷物を積み込んで宿を出る事にした。


とりあえず、酸ヶ湯温泉玄関前で記念撮影。


雨でも、楽しめる場所を考えて奥入瀬渓流、十和田湖方面に向かう事にした。奥入瀬渓流には、遊歩道が渓流沿いに整備されており十和田湖まで2時間40分ほどで歩いていくことが出来る。車があるので、石ノ戸から雲井の滝までの約45分のコースを歩くことにした。雨具着用の上、傘を持って完全防備で出発だ。


雨は相変わらず降り続いていたが、渓谷なので風はほとんど吹いてこない。


雨で水量が増し水は濁っている。それでも、緑の森の中を清流が流れている様は、写真で見た奥入瀬渓流そのままだ。








渓流沿いには、コブコブだらけのこんな不思議な樹もある。


「馬門岩前」を通過する。


「阿修羅の流れ」という流れが激しい場所。岩と流れが激しくぶつかり合って白濁している。








「千筋の滝」。小さな流れが、筋のようになって流れ落ちている滝だ。




「雲井の滝」で、車を運んでくれた仲間と合流し、「銚子大滝」には車に乗って全員で移動する。奥入瀬渓流では、最大の滝だという。




激しい雨の中で「銚子大滝」を見たあと、再び車に乗って十和田神社に向かった。


苔むした石段を登って拝殿に向かう。


十和田神社には日本武尊と湖の主・南祖坊が祀られている。参道から拝殿までは清々しいエネルギーが満ち溢れた神秘的な空間だ。最近、密かなパワースポットとして注目を浴びているそうだ。


拝殿前には、参拝の作法が日本語と英語で記されていた。


十和田神社から、十和田湖畔に歩いていく。雨も小降りとなり湖面も静かになっていた。ところがこの数分後、地震があって湖面がしばらく揺らいでいた。青森県沖で震度5弱の地震があったらしい。この辺りでも震度3だったようだ。


十和田湖畔には、詩人にして彫刻家の高村光太郎の「乙女の像」がある。十和田湖の文字どおりのシンボルとなる像だ。




お土産屋の前にも、こんな「乙女の像」が…。


十和田湖を後にして、2日目の宿泊場所になる八幡平の籐七温泉に向かった。藤七温泉は、海抜1400mの東北最高峰の山の宿で、子宝温泉としても有名だという。内湯の入り口には金勢様が4体(あるいは4本)置かれており、女性が入浴すると子宝に恵まれるらしい。


露天風呂はまったく囲いがなく、開放感は抜群である。一番上の露天風呂から下に降りて行くに従って湯の温度がぬるめになっていく。囲いがない露天風呂は、すべて混浴ではあるが女性だけ専用の入浴時間が決められている。




一番上の露天風呂では、底のほうから泡がブクブク浮き上がっている。


我々グループの女性陣も、女性専用タイムに露天風呂を満喫し、泥パックをしたりして遊んできたようだ。

さて、天気のほうはといえば、相変わらず雨は降り続き、夜中には強風と共に部屋の中で雨漏りが発生する。果たして、翌日の天気はどうなるものかと不安と期待が入り混じりながら一晩を過ごした。

2014東北登山「3日目:八幡平」に続く。

2014東北登山「1日目:岩木山」

2014-08-12 16:54:05 | 山登り
夏休みの一番の楽しみだった東北登山に出かけてきた。三日間で一気に三つの百名山に登ろうという贅沢なスケジュールである。おりしも台風11号の進行方向に重なり、気がかりな天気の状態で出発せざるを得なかった。今回の参加者は全部で8名となり、馴染みのメンバーばかりで何が起きても楽しめそうだった。

金曜日の夜行バスで東京駅に着いたあと、東京前泊の仲間とも合流し東北新幹線ホームに集まったところだ。


始発の東北新幹線「はやぶさ」がホームに入ってきた。初めて乗る新幹線なので、前まで回って見に行った。「はやぶさ」は、東北新幹線のフラグシップとして最速の列車であり、全席指定となっている。グリーンの車体と長い鼻がカッコいい。


午前10時前に、新青森駅に到着する。東京からたった3時間20分しかかかっていない。


新青森駅でレンタカーを借り、岩木山を目指す。山麓付近に来ると、津軽富士とも呼ばれる岩木山の姿が良く見えてきた。


岩木山神社に立ち寄る。この神社は農漁業の守護神として親しまれ、神社の参道は岩木山の登山道の1つとなっている。本来なら、この岩木山神社から歩いていきたいところだ。鳥居の向こうには、奥宮が祀られている岩木山の山頂が見える。


青森では、名物らしい「チリンチリンアイス」を買ってみた。おばさん(あるいはおじさん)が軽トラで小さな鐘をチリンチリンと鳴らしながら町内をまわってくることから、このように呼ばれているそうだ。


「チリンチリンアイス」は、アイスクリームとシャーベットの中間のような不思議な味だ。


岩木山神社から岩木山スカイラインのジグザグ道を車で上がり、8合目駐車場まで一気に行ってしまう。今回は、時間的余裕がないので一番楽ちんな登山である。また、天気も心配なので、8合目からは登山用のリフトに乗車する。




リフトを降りると、9合目に到着する。


9合目には、鳥ノ海噴火口があり標高は1470mだ。


目の前に見えるのが、岩木山の山頂である。標高差150mほどを30分で登る事になる。


雲の向こうには、日本海が見えている。


大館鳳鳴高校の遭難事故の翌年に建てられたという鳳鳴ヒュッテの横を上がっていく。


岩場の登山道がずっと続く。足元をよく見ながら登っていく。


岩木山神社奥宮に到着だ。


拝殿の前には、立派な鳥居が建てられている。


岩木山(いわきさん)山頂についた。標高は1,625 mあり、青森県の最高峰であるとともに本州最北端の百名山でもある。私にとっては、76座めの百名山だ。




山頂には、「四方八方の千万の山を見下ろして心にかかる雲もなきかな」と、酒と青森の風物をこよなく愛した歌人大町桂月の小さな歌碑が建てられている。


雲海の下には、津軽の街並みが広がっている。台風の影響により雨が心配だったが、意外とまだいい天気だった。


展望を楽しんだ後、岩場の道を下って行く。


下って行くと、鳥ノ海噴火口が良く見える。


下りはリフトに乗らず、8合目駐車場まで樹林帯の中を下って行く。駐車場ははるか下だ。


下山後、山麓から岩木山を眺める。まだ、周りの雲がなくなり岩木山全体が良く見えていた。この日は、何とか天気は持ちそうだ。


午後5時頃、八甲田山麓にある酸ヶ湯温泉に到着する。酸ヶ湯温泉は、八甲田山中の一軒宿で規模は大きく、登山帰りに立ち寄る登山客や豊富な湯量と各種効能から温泉目的の宿泊客が多数訪れる。湯治客も多く、一般客向け以外に湯治用宿泊棟も設けられている。


何といっても、酸ヶ湯温泉に泊まったら名物の「千人風呂」に入らないわけにはいかない。総ヒバ造りの体育館のような巨大な建物に中に、大きな二つの浴槽(熱の湯、四分六分の湯)と打たせ湯(湯滝)がある。脱衣所は男女別だが中は混浴となっているが、浴槽の中央半分に目印があり、そこで男女が区切られている

酸ヶ湯温泉には、「混浴を守る会」があって、混浴におけるマナーを守るよう三つの戒めが掲げられている。見ればまいね、見せればまいね、酸ヶ湯「混浴を守る会」三か条。


「混浴を守る会」三か条にもあるように、浴場内は撮影厳禁となっている。


残念ながら浴場内の生写真はないが、その凄さは酸ヶ湯温泉のパンフレット写真で見てほしい。


千人風呂を堪能した後、夕食である。美味しい料理と生ビールで一日目の疲れがたっぷり癒された。


広間には、小さいねぶたが展示されていた。やはり、これを見ると青森らしい。


宿の柱には、こんな表示があった。まるで日本語とは思えない。
オドサマ、オガサマノタノミッコ 「バゲニナッタハンデ 、アサグオドシャベルオド、サシネグネエヨニノ~」
意味は、おじさん、おばさんからの頼み事で、「晩方になったら、廊下を歩くとき喋ったりしてうるさくしないで欲しい」という事だ。
津軽弁って、本当に難しい。


2014東北登山「2日目:奥入瀬渓流&籐七温泉」に続く。

今月11日は、スーパームーン

2014-08-08 20:30:05 | サイエンス
月の軌道は、楕円形の為、地球と月との距離は時々刻々と変わる。遠くにあるときは小さく見え、近づくと大きく見えるということで、見た目の大きさが変わる。その年で、一番大きく見える月を「スーパームーン」と呼ぶ訳だが、今月は11日午前2時43分に月が最も地球に近づき、その直後の午前3時9分に満月になるので、もっとも大きく見えるという。

今年の場合では、一番小さな満月は1月16日で、地球との距離は40万7000キロだったが、今月11日の満月時には35万7000キロとなり、地球1周分を上回る5万キロも近づくそうだ。その結果、見た目の直径は、一番遠い時の満月に比べて13~14%大きくなり、明るさも3割ほど増すという。ただ、台風も近づいており、満月が見られるかは難しいようだ。もし見えたとしても、今までで一番大きくて明るいかどうかは、日ごろから月の大きさや明るさを意識していないと、認識できない。見ることができたなら、これが「スーパームーン」だと、目にしっかり焼き付けて覚えておきたい。

エレクトリックラン、カラーラン楽しそう!

2014-08-07 23:22:56 | マラソン
最近のランニングブームは、凄い。ちょっと有名な大会は、エントリーするのもパソコン前での時間勝負だ。そして、新しい大会がどんどん登場し、どれも人気ですぐに定員になってしまっている。

そんな中で、ただ走るだけではない楽しい大会が登場している。所謂ファンランというジャンルに入る大会だ。普段スポーツをしていない人でも、スポーツを楽しみ、体を動かすきっかけになればというコンセプトの元、タイム計測や順位をつけることはなく、すべての年齢層の人が楽しめるようにコースが作られた体感型ランニングイベントが誕生している。

まず一つは、千葉県・稲毛海浜公園で行われた夜のファンランイベント「エレクトリックラン」である。このイベントは、5kmのコースが光や音で彩られていて、参加者たちが“光るグッズ”を身に着けて走るというものだ。参加者には光るメガネやリストバンドなどが配られ、ビートに合わせて光る噴水や音楽に合わせて色が変わるネオン・ツリーなどの間を駆け抜ける。ゴール後はDJプレイやレーザーで完走者を祝うパーティーが行われ、まるでお祭りのような雰囲気を楽しめるという。特に、20代の女性を中心に大盛況を博したらしい。

エレクトリックラン
http://electricruninfo.jp/

そして、もう一つは、「地球上でもっともハッピーな5km」というコンセプトのもと、2012年に米国で始まった「カラーラン」である。スタート地点で白いTシャツを着用した参加者が、走りながら色とりどりのカラーパウダーを浴びせられ、ゴール地点では虹色にそまっている……というイベントだ。しかも、ゴール後も見ず知らずの人に 「カラーパウダーをぶつけ合う」というイベントまで用意されてる。子供のころ、泥んこになって遊びまわっているような感覚で童心に戻れるのが、一番いいのかもしれない。

既に日本では2回行われ、3回目は、「The Color Run SHIZUOKA」と題し、富士山のふもとの「スノータウンイエティ」にて、2014年9月6日に開催されるという。雄大な富士山をバックに、タイムを競わず思い思いのペースで走り、童心に戻るなんて結構楽しそうだ。

カラーラン
http://thecolorrun.jp/

今年は、もう予定が詰まってしまっているが、来年は、こんな風にランニングイベントを楽しんでみたいものだ。

「魅惑の十一面観音巡礼」関根俊一さん

2014-08-06 19:25:14 | 社会人大学
昨日は、島田の社会人大学の講演を聞いてきた。講師は、帝塚山大学教授の関根俊一さんだ。奈良国立博物館研究員として日本美術に関する展覧会や「正倉院展」を担当している方で、専門は、日本美術史、日本工芸史だという。

今回のテーマは、「魅惑の十一面観音巡礼」だ。仏像の話となると、正直言ってまったく知らない事ばかりである。お釈迦様、如来、菩薩、権現様とかいろんな仏像がある事は知っているが、それらがどのような位置づけで、どんなふうに区別されているのすら知らない。特に今回は、十一面観音の話ということだったが、最初は、顔が11もある観音様という事ぐらいしかわからず、それがどんな意味なのかも講演を聞いて初めて知ることが出来た。

まず、菩薩(ぼさつ)とは、仏教において一般的に成仏を求める(如来に成ろうとする)修行者のことを指すという。菩薩は、修行中ではあるが、人々と共に歩み、教えに導くということで、庶民の信仰の対象になった。特に 「観音経(かんのんぎよう)」などで説かれる菩薩が観音菩薩で、衆生(しゆじよう)の声を聞き,その求めに応じて救いの手をさしのべる慈悲深い菩薩として多くの信仰を集めたという事になっている。

観音菩薩(かんのんぼさつ)は、人々を常に観ていて救いの声(音)があれば瞬く間に救済する、という意味からこの名が付けられたという。苦しんでいる者を救う時に千手観音や十一面観音などの六観音や三十三観音など、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べるとされており、今回はその中の十一面観音のお話だ。ちなみに般若心経は観音菩薩の功徳を説いたものである。

十一面観音はその深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す菩薩であるとされ、女神のような容姿に造られたものが多い。多くの十一面観音像は右手を垂下して数珠を持ち、左手には蓮華を生けた花瓶を持っている姿であることが多い。そして、本面以外に前三面が菩薩としての慈悲の表情、左三面(向かって右)が怒りの表情、右三面が(向かって左)が牙をむき出す表情、背面に大笑いする表情となるのが正しい十一面観音の姿だそうだ。

仏像の姿には、いろんな意味があるというのがこの講演で少しわかった気がする。他には、東大寺のお水取りの話などもあったが、あまり馴染みがない話なので、すべてを理解することはできなかった。ただ、こういった仏像のことを理解した上で、改めて見に行くと興味が増すのは間違いないだろう。

2014越後駒ヶ岳「2日目」

2014-08-05 22:57:06 | 山登り
前日の夕立が嘘のように、翌日の朝は晴れ上がっていた。午前4時半頃、小屋の外に出てみると東の空がオレンジ色に輝いていた。


小屋の前で待つこと数分。4時44分頃、見事なご来光が上がってきた。やはり、山の上で朝を迎える事は、これがあるから止められない。




前日、山頂まで行ってなかったので、ご来光を見た後、さらなる絶景を見るため上を目指して歩き出した。


小屋から山頂までは、歩いて15分ほどだ。山頂でご来光を眺めた人たちの姿も、見える。


太陽に照らされた雪渓が、キラキラ光っている。前日の夕立で、かなり雪が解けてしまったようだ。


前側の山脈の一番左にあるのが、越後山脈の荒沢岳である。越後の穂高とも呼ばれるカッコいい山だ。そして、その奥にある平たい山が百名山の平ヶ岳。さらに平ヶ岳の後方に3つの山があり、左から燧ヶ岳、日光白根山、至仏山である。この方向からは、4つの百名山がすべて見える。贅沢な展望だ。


ほどなく、越後駒ヶ岳山頂2003mに到着する。後方に見えるピラミダルな山は、越後山脈の中岳だ。


八海山には、影越後駒が映っている。


銀山平の上空には、滝雲が流れていた。時期がよければ、さらに見事な滝雲が見られる事があるらしい。


展望を十分楽しんだ後、小屋に戻っていく。雲一つない青空だ。この日もかなり暑くなりそうな予感がした。




小屋まで、もう少しだ。


小屋で、朝食をゆっくりとった後、小屋番に集合写真を撮ってもらい下山を始める。


小屋直下は、岩場が続き慎重に降りていく。




前を見ると、まだまだ長い尾根が続いている。前日、うだるような暑さで喘ぎながら登ってきた道を再び戻っていく。


1時間半ほどで、小倉山に到着する。登るときは、この倍以上の時間がかかったので下りとなると早いものだ。


小倉山からも、さらに下って行くが、下界に近づくほど暑さが応えてくる。下りとはいえ、後半も休憩を頻繁にとらなくては、体が付いていかない。涼しい時期だったら、快調に下って行ける道だったが、この日は下山もきつかった。

女性は、暑い日これくらい日焼け対策をしないとお肌に良くないようだ。


下山後は、銀山平温泉の「白銀の湯」に入り、さっぱりする。二日間で流れた汗は、かなりのものだ。温泉を出たあとは、キューっと冷たいビールを飲みたいところだったが、この後の長いドライブがあるので、グッと我慢だ。帰り道のソバ屋で、開高健さんが好んだ山菜めしの「開高めし」とソバの定食を食べる。


その後は、関越道の渋滞もあったが、午前様にならずに無事帰宅。いつもと違うメンバーでのパーティとなったが、これもまたいい巡り合いであり楽しい登山となった。

2014越後駒ヶ岳「1日目」

2014-08-04 23:24:56 | 山登り
土日と、新潟県魚沼市にある越後駒ヶ岳に登ってきた。通算75番目の百名山となる。日本百名山一筆書きをやっている田中陽希さんの通過予定がこの日に近かったので、ひょっとして現地で会うことが出来るかと思っていたが、本人の予定が大分遅れていて会う事はなかった。

さて、越後駒ヶ岳は、浜松から480キロもあり車で行くのは、過去最も遠い山となった。かなり長いドライブになると予想していたが、先月末、東名から関越道までが圏央道によって直結開通したこともあって、行きやすくなったのは確かだ。幸い、同行者も交代で運転を代わってくれたので、金曜日の夜出で出発したが、登山口の枝折峠(しおれとうげ)に着いたのは、午前3時くらいだった。

枝折峠の駐車場は、舗装されており40台程度は駐車できる。すでに駐車場は満車状態だったが、ギリギリで駐車スペースを確保し車内で仮眠をして朝を迎えた。現地では、先に到着していた神戸のイノさんも来ており、はるか新潟の地で再会する。


駐車場には、太陽光発電による立派なバイオトイレもあり、さすが百名山の登山口は整備されていると大いに感心する。イノさん、私の車の同行者のN部さん、Kちゃん、モコさん、私の5名で越後駒ヶ岳山頂を目指してこれから出発だ。


午前7時半、登山口を出発して登山道に出たところだ。天気は、問題なさそうであり、まずは出発時の記念撮影をする。この時点では、みんなこれから始まる夏山登山にワクワクしているので元気一杯である。




歩き始めは、比較的緩やかな道が続いている。


後ろを振り返ると、深夜車で走ってきた国道352号がジグザグに通っているのが良く見えた。


登りだして20分ほどの場所に観音様の像が建てられていた。この山の遭難者の慰霊碑らしい。


30分ほどで、明神分岐点に到着する。ここは、江戸時代、銀の採掘で大いに栄えた銀山平から、銀を運ぶために使用されていた「銀の道」との分岐になる。


明神分岐点からしばらく進むと、「十合目大明神」と呼ばれるお堂が見えてくる。お堂の中は、枝折大明神が祀られている。お堂からひと登りしたところが明神峠となるが、かつては、このピークが大明神山だったことから、十合目という名称がついたようだ。


「十合目大明神」から一登りした明神峠1236m。


2時間半ほど歩いたころ、前方に、雪渓が残っている越後駒ヶ岳が見えてきた。手前のピークは小倉山だ。


3時間半ほどで、小倉山1378mに到着する。


まだ、山頂までは半分くらいの距離しか来ていないが、気温がかなり上がっており、荷物も重い事もあってかなりへばってきていた。風もほとんどなく、いつもに増して厳しい登山になっていた。山小屋泊りなので時間は十分あり、標高50m登るごとに休憩しようというイノさんの助言がありがたかった。吹き出る汗をぬぐい、水分を絶え間なく補給するため休憩は欠かせなくなってきていた。


12時50分。「百草の池」に到着する。




14時。開けた場所に出ると雪渓が目の前に広がっていた。かなりへばっていたが、標高が上がったことと、雪渓の涼しい風が吹いてきて少し楽になってきていた。


目の前の雪渓では、雪解け水が轟音を立て滝のように流れている。




15時、無事に「駒の小屋」に到着する。N部さんが先に着いて小屋の雪解け水で冷やしておいてくれたビールでカンパイだ。まさに、この一瞬の為にきつい山を登ったともいえる。冷たいビールが、一気に喉を流れ、疲れを癒してくれた。






小屋の前の広場では、先着組がガスを用意して自炊の準備を始めていた。ここの小屋は、避難小屋で食事がないのですべて自炊だ。今回は、自炊という事もあり荷物が増えていたのだ。ただ、雪渓が近くにあって雪解け水は豊富にあり、美味しくて冷たい水は飲み放題である。


我々も、食事の支度をしようと準備を始めたが、なにやら上空には黒雲が漂ってきていた。雷も聞こえていた。


しばらくすると、雨がポツポツ降り始め、あっという間に大雨となった。幸い小屋の中に避難していたので濡れる事はなく山小屋のありがたさをかみしめる。だが、雨も長続きせず夕立で済んだ。雨が止むと一気に視界が広がり、大きな虹がかかっていた。


虹を見て満足したので、再び小屋に戻り部屋の中で夕食とした。重い思いをしただけあって、みんないろんな食材を持ち寄ってくれていたので、結構お腹が一杯となる。イノさんが持ってきてくれたビールやモコさんが持ってきたワインもあって夕食も楽しめた。




私は、前日からの寝不足もあって、小屋で横になるとあっという間に眠りについた。小屋には、シートくらいしかないと聞いていたが、毛布やマットが十分あり、持ってきたシュラフやマットは必要なかった。また、当日の宿泊者は20名程度で、一人1畳のスペースが確保できたので、山小屋の宿泊は快適だったといえる。

2014越後駒ヶ岳「2日目」に続く。