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『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』でブレイクした安東みきえさんの初期作品、その文庫化です。カバーの絵が酒井駒子さん、解説が梨木香歩さんという豪華版。いえ、なによりその中身が色あせてなく、読んで心地よい作品です。いいなあ、こういうの。とつくづく思いました。小学五年生ミオと妹ヒナコを軸に、ミオの視点での短編集です。文庫化にあたり、ヒナコ視点の数年後の姉妹の物語が書き下ろしで加わっています。
どの短編もいいのですが、「ひとしずくの海」の鮮烈な印象と、浮遊感がたまりません。
このシリーズは、児童文学作家さんの作品を次々に文庫化しています。季節風の大先輩である越水利江子さんの『忍剣花百姫伝』シリーズ(活劇ファンタジー)、濱野京子さんの『トーキョークロスロード』(坪田穣治賞受賞作)、村山早紀さんの『コンビニたそがれ堂』シリーズ、大島真寿美さんの『空はきんいろ』も好きな作品です。文庫になることで、一般書の棚に並んで大人の方が手にする機会が増えたらいいなとも思います。