fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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戦後70年~団地ともお

2015年08月15日 | 日記
 先日、NHKで朝ドラ終了後(今年のこの番組は特に観てはいないのですが、たまたまつけていたのです)、アニメの「団地ともお」が始まりました。夏休みなので子ども向けのアニメをやるんだろうなと思いつつ、ぼんやり観ていたら、テーマが戦争だったのです。
 これが、よかった!
 ともおは、団地に住む小学生。とにかく能天気な子どもの典型です。というか、おばかな子ども。その家族、同級生、姉の友人達、近所の住民、それぞれがそれぞれの立場で戦争というものを考える、というと大げさなのですが、感じていくという一編でした。

 たとえば、ともおは、教室で先生に「終戦記念日って、喜んだらいいんですか? 悲しんだらいいんですか?」と先生に質問します。「戦争が終わったから喜んだらいいのか、たくさんの人が死んだから悲しんだらいいのか」ときいて、先生がうろたえる。
 
 たとえば、近所のおじさんに戦争の話を聞いていて、「なんだか負けた話ばっかりでつまんないな」と言って、激怒される。「戦争の悲惨さを知らずに、ふざけるな」的に怒られて、ともおは泣きながら(といってもともおらしく、憤慨しながら)「タイムマシンでもないとわからない」と叫びながら駆け出します。

 簡単にわかった顔をしないところが、よかったです。とにかく。
 簡単に、「うん、戦争ってダメだ」としたり顔をしないのが、よかった。
 
 戦争のことを書く宿題の最後に、「この悲惨な戦争を、二度とくしかえしてはいけない」と書いた友人の話に、ともおは簡単に納得しません。

 まあ、最後はともおなりに、「昔ぼくみたいな頭の悪い子孫のために、必死になっていた人たちのためにも、二学期は少しは成績がよくなるようにがんばります」なんて怒られたおじいさんに言って、大笑いされるのですが。

 戦争って、国境があるから起こると思ってよ。 と、世界地図を見ながらつぶやくともお。
 公園をどっちが使うかでもめた男子と女子。ともおが、サッカーボールを投げつけようとすると、「木下くんみたいにすぐ暴力に訴えようとする人がいるから、戦争がおこるのよ」という女子。

 こういう番組は、作る側の意識が現れるわけなので、感心しました。

  数日前の夕方
 
 俳句の友人Mさんにも、終戦の日のことをうかがいましたが、長野に家族で疎開していて、学校の校庭に集められ、終戦のラジオを聴いたとのことでした。疎開先の学校ではいじめられたので、終戦後も長くそこにとどまっていたそうですが、同窓会のお知らせをいただいても一度も行っていないそうです。カボチャばかり食べていたので、カボチャがきらい。そんな小さなことなど、やはりこちらが訊かないと向こうからは話してくれません。これからも、少しずつ聞いていきたいなと思いました。

*ともおの台詞は、記憶で書いているので、実際のものとは若干違いがあります。ニュアンスだけは、とらえていると思うのですが。