fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

芸術って……

2014年02月13日 | 日記

 有名な作曲家の作品がゴーストライターが書いたものだったというニュース。やれやれです。NHKのドキュメンタリーを私も見ていて、すごいなあと思っていましたが……。私はCDを買って聴くということをほとんどしないのですが、そのときはこの人の買おうかなと思ったのも覚えています。(結局買っていない)

 その曲をちゃんと聴いていないので、なんとも言えないのですが、もし曲を聴いて、本当にすばらしいと思っていらしたのなら、その方は、作者がちがっていても、「あの曲はすばらしい」と言い続けてほしいです。(高橋大輔さん、えらい!)音楽だけでなく、作者の人生が作品に付加価値を与えるというのはよくあることですが、本当にいいものなら、それがなくてもいいはず。と信じたい。ゴーストライターの方が自分の曲として発表したとしても、ここまで認められなかったということなのでしょう。CDを買って、だまされたと思う方は、それは聴く側の問題としてつきつけられたと捉えては?

 もっとも広島や東北の被災地を、そして障害を持った方を踏み台にしたことは許せません。

 またゴーストライターだった方が、音楽家としてこれからも仕事をして行ってくださるよう願います。(学生たちの署名が集まっているとのこと。この一連のニュースの中で唯一心温まる部分ですね)

 私は絵が好きなのですが、たとえばゴッホが平凡なおじさんだったとしても、あの絵はすごいと思う。ああ、でも普通のおじさんの描ける絵ではないか……。でも基本的に、絵はその絵そのものを観るという気持ちがあります。

 俳句は? 俳句は、半分は純粋に俳句そのものを。あとの半分私の今の日常では、○○さんの俳句として、楽しんでいます。

 そういえば、マンガ家のゴーストライターをやっていたことがあるという方を存じ上げています。(絵はマンガ家。ストーリーはその人。でも、作者として名前は出なかった)売れるかどうかというのが、壁として尺度として私の周辺にもゴロゴロあるわけで、そこは無視して歩いていられる道ではないのが現実。

 でもとにかく、真摯にがんばろう。(が、結論)

  フクちゃんと命名

 ジョウビタキのメスではないか? という情報をいただきました。Yちゃん、Iちゃんありがとう!(10日の下の写真は、モズのオスだそうです。オスのほうがきれいなのですよね)


ブックデザイン

2014年02月12日 | 自作紹介

 

   『だだすこ』(北柳あぶみ)

 図書館の棚(『だだすこ』も並べていただいていました)。借りる方、いるかな……。昔のカード式だと、わかるのですけどね。こうして背表紙並ぶと、やっぱり黒で大きな文字っていうのが、棚にあると目立つということがよくわかりますね。ブックデザイン、奥が深いです。けっこう好きな分野。本を物として、とらえて作る仕事ですよね。『だだすこ』のときも、紙を選んだり、いろいろいろいろ、楽しかった。でもこの背表紙のタイトルの入れ方は、こうしてみると、やはり素人でしたね。埋もれている……。(←一応、美術専攻だったので)

 図書館へは寄贈させていただいたのですが、作ったときに帯にこだわったので、コーティングするとき、よかったら帯をはずさないでくださいませんか? と図々しくお願いしました。ちゃんとやっていただいて、感謝感激です。でも、プロのブックデザイナーさんは、帯をはずしたときも、ちゃんと想定してるんでしょうね。


ありがとうございます。

2014年02月11日 | 日記

 コメント欄を設けていませんが、よく感想メールやメッセージをいただいています。ありがとうございます。

・『すてきな恋がいっぱい5つのお話』台湾版発売について、「おめでとう」メール、ありがとうございます。

・ 以前母が作ったポーチをさしあげた方から、「使ってますよ」というメールが。嬉しいです。母のパッチワークシリーズ、まだ続きます。母が早く施設にはいったことについて、老後のすごしかたとして参考にしてくださっている方も。でも、これは千差万別なので、たまたまいい結果につながっているというだけのことです。自分の家ですごせるうちはすごすというのも、いいですよね。それに東京近辺のホームだと高くてなかなか大変そうです。秋田市というのが、適度に買い物や映画に出たりできる。町中のホームでも、一時金なしで入ることができると、条件的にもよかったのでしょう。

・ハリポタラストにも、共感のメールをいただきました。フェイスブックでご紹介くださったり、「いいね」ボタンが押されているとか(朝のうちに4つも!)嬉しい反応、ありがとうございました。

・そうそう。「ぐりとぐら」の記事のあとには、「あの絵本、外国のだと思ってた。作者日本人だったとは!」というメールも。こういう反応も、大歓迎です。(うん、私たち子どもの本に関係している人間にはあたりまえのことも、そうじゃない場合ありですよね。とくに絵本は作者を意識していない場合が多い) 

・連日のブログ更新すごいです、ともいただきました。(いやいや、自分で楽しんでいるわけで)いつも読んでくださって、ありがとうございます。プチ冬ごもりも、こういうつながりがあるので、やれているのかもしれません。

 こんな感じでたまに紹介させていただきたく、どしどし、メッセージ、メールをくださいませ。お待ちしております。 

   パンダ猫

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 それから……。

 実は、検査でひっかかり、再検査(組織検査)。その検査結果待ち状態でした。でも、昨日《白》と結果が出ました。妄想癖の強い人間なので、気持ち半分以上、手術だなあと思っていました。はあーっと脱力しつつ、ほっとしています。黄色信号なの…とついうっかりもらしてしまい、ご心配をおかけしてしまった人もいます。ごめんなさい! まだ大丈夫のようです。でも、確実にまえとは違い、ガタがきつつあります。皆様もどうぞ、早め早めの検診でやっていきましょう。


バードウォッチング

2014年02月10日 | 日記

 夜8時、勘兵衛が終わったとたん、当選確実が出ていて、え、もう?????

 オリンピックに力を入れる知事さんらしいです。あとは高齢化社会の対応? ぜひ! で、他は? 世界一って、何についての世界一なのか……。雪とオリンピックに埋もれた選挙でしたね。

 さて。

        これと

 これは、違いますよね。

 目の周辺が違うな。下は、図鑑で調べたところ、モズのよう。上、何かわかる方、教えてください。カメラの望遠、野鳥観察にバッチリですね。(下はピンぼけですが、鳥の特徴はわかる)

  モズといえば、鵙のはやにえ。これが、そう! というのを見たことがない。見たいもののひとつです。

 雪のときには、どこにいたんだろうか。

 


東京大雪

2014年02月09日 | 日記

         東ベランダ

 このあと夜には、この倍くらいまで。この家にこんなに降ったのは初めてです。

  除雪車も出動

  近くにはバイパスの坂があります。きっときょうのほうが、大変。雪国はこれが何ヶ月もなわけです。

  午前中は、ちょこちょこ雪掻きしましたが、きりがなく、午後は吹雪に近い状態だったので、あきらめてきょうに持ち越し。


母のパッチワーク4ー小物

2014年02月08日 | 日記

         

 こういう小物、かなり作っていたのですが、知り合いにバンバン差し上げていて、家にはあまり残っていません。また見つかったら、アップします。お世話になっている方に「もらってくださいませんか?」と言うと、割と喜んでいただけます。

 これからも、こういうものを作ってもらおうかな。ペンケースは、私が10代のころの絣の着物から。(一度しか着なかった)スカートも作りました。

  赤が入ると映える。

 赤い生地を見つけて送るといいですね。上のは、なんだろう。壁掛けかちょい置きマットか?

 

 


ハリーポッターのラスト

2014年02月07日 | 日記

 ハリーポッターの作者JKローリングが、ラストが失敗だったと言っているそうな……。ハーマイオニーはロンと結婚するのですが、ハリーと結婚するべきだったとか。ロンと結婚させたのはまったく個人的な事情だとか……。なんだ、それ? 世界中のハリーポッターの読者に失礼だ。そんなことをもし思ったとしても、言うべきじゃない。他の作品で、悔いのないラストを書くべく、進んでほしい。

 物語のラストは、ほんとに難しいです。私は以前、北日本文学賞の最終選考に残った作品で、最後の一行で梯子をはずされた思いがしたと、選考委員の宮本輝さんに言われました。一行で小説が破綻する好例であるとも。小説ってそういうもの。だから最後の最後まで気を抜けない。

 私はハリーポッターは、2巻以降は読んでいなくて、映画で筋を追い、雰囲気を楽しんだだけです。(あ、斜め読みはしたかな?)でもあのラストはがっかりでした。誰と誰を結婚させるかではなく、大人になった彼らを書くべきではなかったと思いました。それは各自が想像すればいい部分なのに、それを書いただけではなく、間違っていたと、今更言うなんて!

 と、これが日本人の作者だったら、言えない。特に知り合いだったら……。(いや、そういう作品があるというわけではなく、児童文学作家さんの知り合いが増えているので、ちょっと思っただけです)← なんか、最初の怒りから、尻すぼみですな。つまり自分を省みれば、強いことは言えないなあとなってしまうわけです。でも他山の石、人のふり見てわがふり直せ。真摯に向き合います。

     福寿草。近所のお宅の庭先

        


無患子(むくろじ)でネックレス

2014年02月06日 | 日記

              私ではありません

 雪が降った前の日のこと。いつもの散歩をしていたら、無患子の実を長い竹で叩いて落として拾っている一団がいました。「どうするのですか?」と尋ねたところ「ネックレスやブレスレッド」を作るとのこと。

 むくろじは、黒いもの。中にうっすら赤みのある玉もあり、そういうのは100個拾って7,8個あるかという貴重なものだそうです。細長い赤いのは、豆(何豆かは聞きそびれました)、白っぽいのが数珠玉、トップにあるのは椎の実。それぞれの間にビーズを入れてありました。

  下の写真は昨年10月にこのブログに載せたものです。この中から真っ黒な実を取り出し、穴を開け、ビーズや数珠玉や豆、そして椎の実などを組み合わせて作ってらっしゃるのですね。いいなあ、私も…と思いかけましたが、ムクロジに穴を開けるのは大変そう。今そんな余裕はないと、あきらめました。ところで、写真の白く反射しているのは、なんなのでしょうか。

      この黄色をむくと黒い実が。

 この日は川縁で、以前お会いしたバードウォッチャーの女性と再会。その直前にまた小さな鳥を見ていたので、こういう鳥…と話したところ、「コゲラ」でしょう。とのこと。ポカポカとした陽気も嬉しい散歩でした。

 


東京の雪/母のパッチワーク3

2014年02月05日 | 日記

 立春のきのうは、東京も雪が降りました。  

           4日16時ころ

   そして、これ     

    

  わかりにくいですが、けっこう手間がかかったものなのです。こういう生地なのではなく、二枚の生地を重ねて、細かくミシンで縫い、その間を鋏で切って、生地自体を作成。それを方向違いでパッチワークし、バッグにしたてています。手提げ部分の水玉が生地の一枚なわけです。

 さすがにこういう細かいことは、もうできないと言っています。


中川李枝子・宮崎駿特別対談(福音館書店主催ー「ぐりとぐら」生誕50周年記念)

2014年02月04日 | 日記

 「今を生きる子どもと親に伝えたいこと」という演題でした。

    当日のパンフレット、おみやげのメモ帳

 1日、千代田区一橋ホールで行われた中川李枝子さんと宮崎駿さんの対談を聴きに行ってきました。中川李枝子さんは、絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『いやいやえん』などの作者。宮崎駿さんは、中川さんのファンで、この対談が実現したということです。「となりのトトロ」のオープニングテーマ曲「さんぽ」の作詞が中川さんだったとは! 

 宮崎さんは、引退宣言後、公の場に出られるのが初めてだったらしく、会場には取材陣がたくさん訪れていました。『ぐりとぐら』が、最初に雑誌「母の友」に登場したのが1963年、50年前なのです。宮崎さんは、まだアニメーターを志望していたわけでもない学生の頃に、『ぐりとぐら』をアニメにしたいと思ったそうで、(ちなみにこれだけの人気の絵本ですが、まだアニメにはなっていません)、また『いやいやえん』について、多くを語っていました。アニメを作るときなど、つい「子どもの成長」などを描いてしまいがちだが、中川さんの本にはそれがなく、そこがすごい! 成長なしでいい、バカなままでいいのだということを、中川さんの作品は教えてくれる、と。

 対して中川さんは、もと保育者でいらしたわけで、とにかく子どもを喜ばせたい、びっくりさせることが好き。それで、当時は高級品だったカステラを、大きい卵で作るという発想だったそうです。

 お二人とも、真っ白な髪がとても美しく、自然な姿がいいなあと思いました。

 ちなみに1963年といえば、私はホントだったらもっとも「ぐりとぐら」などを読む(あるいは読んでもらう)のに適した年齢です。(あ、計算しなくていいです)でも、当時うちにはまったく絵本はなく、出会えなかった。あの幼稚園を止めたいと思っていた私がこういう本に出会っていたら、どんなふうに読んだだろうか、なんて思ってしまいました。幼稚園では、絵本読んでくれたのだろうか? 全く記憶がありません。幼稚園の先生が、地獄のことを話してくれたのだけは覚えている。キリスト教の幼稚園だったのに……。(それが悪いということではなく)

 私が本と出会ったのは、もっとあと。(たぶん)兄のものだった文学全集の『小公子』でした。その後、なぜか学校の図書室の本を借りるということがなく、ひたすら家にある親の本を読みまくり、買ってもらい、それがルパンやホームズ、江戸川乱歩だったというわけで。そこから海外ミステリーへ。徳川家康、吉川英治、松本清張の全集も家にはあり、そういうのをとばし読みしていたのでした。と、なぜか子ども時代の読書経験を思い返すことにつながった対談でもありました。世界文学全集もあったか。ドンキホーテや風と共に去りぬやジェインエアや……。芋づる式に思い出されますね。中川さん宮崎さんは、岩波少年少女文学全集を読まれていたようです。


台湾版『すてきな恋がいっぱい5つのお話(きらきら宝石箱)』

2014年02月03日 | 自作紹介

           右が台湾版(ちょっと大きい)

 一年くらい前に、台湾で発売されると聞いていたのですが、その後全く情報がなかったため、もしかしたら話が流れたのかしら? と思っていました。ところが年明けにMさんが台湾に行かれ、おみやげとして買ってきてくださったのが、これ! 台湾の本屋さんにあったそうです。昨年12月の発売になっていたのでした。

 私の作品「勾玉ミラクル」は、「勾玉奇跡」に。カタカナ、平仮名がないので、名前も漢字になりました。台湾の子どもたちが読んでくれているのかなと思うと、嬉しいです。当たり前だけど、この漢字だけの文章を読めるのですね。

  「わっしょい! わっしょい!」

 「勾玉奇跡」(扇柳智賀)

 お祭りの話なので、御神輿が出てくるのだけど、どんな風にイメージされているのでしょう。「わっしょい、わっしょい」というかけ声が、上の写真のカギ括弧の中。ルビがあるので、それらしい読み方なのかな? 私の話は日本的なものだったので、翻訳の方は苦労されたかもしれません。 でもキーワードの勾玉は、中国でも発掘されているので、きっとわかってもらえるのではと思っています。 「」の次は、子ども御輿がどうたらこうたら…。

 さて、ここで。これって、中国語なんだよなあ。台湾って、中国……。そして私たちが日頃「中国」と言っているのは、正式には「中華人民共和国」……あれ? 実はわたくしめ、世界史にかなりうといです。そこで、確かめました、ふむふむ。二つの中国という社会問題、なるほど、というわけです。(はしょります)

 私が中学生だった頃、秋田は高校受験の科目は3教科(国語、数学、英語)でした。当然、3教科しか勉強しません。高校では、日本史と世界史が選択でどちらかでよかった。で、私は日本史。大学受験も日本史でした。世界史勉強していません。と、社会のせいにしてはいけませんが、やはり若くて細胞が活発なときに何を勉強するかって、すごく大事だと改めて思いました。今回台湾で自分の物語が発売になったこと、そういう意味でも、有り難かったです。


梅が咲いていました

2014年02月02日 | 日記

              

 散歩途中です。左は少し前にアップしたお地蔵様の祠。奥の小屋はずっと使用されていないものですが、たぶん蚕小屋だったのではと思われます。この周辺、のきなみ更地になっています。ここはこのまま残るのでしょうか? 東京に残るこういう景色が、どんどんなくなっていっています。

  浅川沿いの道を歩いていたら、双眼鏡を手にしている女性がいます。その先には、小さな鳥が。鳥が飛んでいくのを待ち、「あれは?」と尋ねました。「たぶん、タヒバリ」とのこと。へえーっと思い、「スズメより小さい鳥がいると、ミソサザイかなと思ったりしてました」「ミソサザイは、この辺にはいない。高尾とかあっち。めったに見られない」「セッカは?」「セッカは、もっと暖かくならないと。独特な鳴き声だからわかる」と、飛び上がるときと、降り立つときの鳴き声の違いを教えてくださいました。でも、きっとまだわからない。

 


「季節風」117号

2014年02月01日 | 日記

 

          

 新年号は、昨年の大会の推薦作が載るので、厚い! わがファンタジー分科会の推薦作「幸せのしっぽ」(後藤耕)も。ホントおもしろい。本になってほしいです。

 他に今号で、おもしろかったのは「インドさんとぼく」(小磯モモコ)という作品でした。なんか今でもじわじわと、いい作品だなと。この作品、他の人はどう読んだんだろうと気になっています。外国人の扮装をしたテレビコマーシャルが先日やり玉にあげられましたが、もしかしたらこのターバンを巻いたインドさん。名前を覚えてもらえず「インドさん」と呼ぶあたりも、インド人をバカにしているなんていう人もいたりして? 本にするとしたら、そのあたりがネックになるのかどうか? 短編連作なので、1編1編がエピソードだけで終わっているともいえる。でも、どれも気持ちが温かくなるエピソードだし、インドさんのおかげで自分が兄を好きだと気づくところもいい。このまま一冊の本にしよう! と出版社が名乗り出てくれたら、ブラボーなのに、(一面識もない作者の作品に勝手に妄想)なんて思ってしまいました。1編1編の絵本にしても、楽しそう。掲載されたというのは、編集委員から支持があったということだし、「季節風」的な作風ではないこの作品が掲載されたことは、私は拍手したいと思ったのです。でも、掲載されただけで終わってほしくないなあと、思った作品でした。(この作品に限らずなのですがね)

 私は、今号では書評として、佐々木ひとみさんの『もののけ温泉ー滝の湯へいらっしゃい』を紹介させていただきました。タイトルは「幸いなるかなーメッセージという屋台骨」です。書評を書くときは、読んでいない方が、これを読んで(この本を読みたいと思う)ような文章というのを第一に心がけています。もちろんすでに読んでいる方も多いわけなので、そういう方は共感をしていただけるといいなと。大先輩の作家さんのお言葉として、「書評は、作者も気づかないその作品の価値を見つけ出して書くくらいの気持ちで」(正確ではないのですが)というところには、まだまだ到達できていないかな……。

 そしてこの号で、あさのあつこ代表を始め、編集委員が「特定秘密保護法」へのきっぱりとした反対表明をされました。この法案は、国政レベルのものだから関係ないのか、都知事選ではあまり言及されていません。でも、私は候補者がどういう考えを持った人なのか? というところで知りたいと思うのですが。政治家としてアマチュアだったと言って辞めた前都知事のあと、立候補している中に、この人だったら! という感触のある人がいない。でも選ばなくてはならない。このジレンマ、

 今のような複雑な時代、一人の人間がトップに立って、政治を行うのが難しいのかと、感じてしまうこのごろです。人はだれも完璧ではない。だから、秘密裏に事を運んではいけない。だって、そうしたらごまかすことができるのだから。