春の虹10周年の腕時計 二階堂高嗣
題:宅配便
1位才能アリ 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2) 春の虹10周年の腕時計
2位凡人 あんり(ぼる塾) 風光る劇場ファンから似顔絵
添削 ファンからの似顔絵風光る劇場
3位凡人 みちょぱ インターホン残る寒さで背を屈め
添削 インターホン残る寒さに屈める背
4位凡人 相田翔子 早春の朝寝間着恥ぢらひ捺すはんこ
添削 早春の朝や寝間着で捺す判子
現状維持 ◆篠田麻里子
祖母のもの日付指定の春ショール
添削 今日届く祖母の形見の春ショール
名人現状維持 ◆千原ジュニア
不登校児に届く卒業証書
添削 不登校児宛に卒業証書の筒
永世名人掲載ボツ ◆東国原英夫
インターホンに春光の顔半分
添削 顔半分占め春光のインタホン
今回は、「お題」について考えてみよう
プレバト俳句の場合は、題と同時にそれに伴う映像が出てくる
作りては、どうしてもそれに引っ張られる傾向がある
例えば、今回はインターホンの句が2句出てきた
又、相田さんは受け渡しの映像で作っている
番組では、この映像を見て作れと言っているのではない
映像を見ないで単なる「宅配便」だけで想像を膨らませて作ったらどうか…
◆小包を解けば新茶のこぼれけり 正岡子規
誰にでも共感を得るような、とっても分かりやすい句だ
篠田麻里子さんの「祖母のもの日付指定の春ショール」は
◆縁側に速達届く梅の花 星野 椿
これは速達を「祖母の宅配」に代えれば分かりやすいが、
理屈を一切排除して、梅の花にすべてを託すというやり方だ
春一番を告げる梅の花を持ってくることによって、
この速達は良い知らせであろうと想像できる、上手い句だ
又、我が郷土の俳人広瀬先生の句にこんなのがある
◆速達の束ねて来たり黄沙降る 廣瀬直人
これは、黄砂降るの季語を使うことにより、
この速達の中身をいろいろ想像できる句になっている
千原ジュニアの不登校児の句も、不登校児と言いたいのを我慢して、
黄砂降るのような季語を上手く使うといいと思うのだが…
あまりに映像に捉われずに、俳句には豊かな発想が大事!
それは作り手にも、又、詠み手にも言えることだけど…