髭あたる泡の甘やか目借り時 梅沢富美男
題:美容院
1位 犬山紙子(特待生昇格) 菜の花を切って美容院に電話
2位 大久保佳代子(オアシズ) 春セーター息を潜めて白髪染め
添削 白髪染めクロスの下の春セーター
3位 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2) 初虹や隣で見てた夢の道
添削1 美容師の夢を叶えて春の虹
添削2 美容師の夢を見守り春の虹
4位 藤本隆宏 けふ母に梳かし洗うは春の虹
添削 けふ母の髪を洗はん春の虹
名人現状維持 ◆ミッツ・マングローブ
付け睫毛のやや剝がれたる春更けし
添削 春更くや剥がれかけたる付け睫毛
名人1つ前進 ◆村上健志(フルーツポンチ)
春の色絵本の並ぶ美容院
永世名人掲載決定 ◆梅沢富美男
髭あたる泡の甘やか目借り時
毎週全国紙4紙に掲載される俳句は本当に様々だ
選者により傾向は違うが、
何百、何千句の中から選ばれるにはそこにフレッシュさが必要だろう
手垢の付いた類想類句は却下される
今回の句をみてみると、どれも自分の身近なものを詠んでいて好ましい
ただ、村上健志の句はあるある俳句だ
「週刊誌積み上げ晩夏の美容院」 中村和子
「アネモネやタンゴ流るる理髪店」 梅田圭一郎
等もあるし
美容院でなくても、レストランとか喫茶店とかにも置き換えられる
村上でなくても詠める句で、ちょっと物足りないナ
犬山紙子の「菜の花を切って美容院に電話」は斬新な句だ
さすが小説家の脳だなと思う
但し、破調は技術の無さを物語っている
5・7・5の定型で作って欲しいものだ