バス見えてバス停の毛布を畳む 千原ジュニア
題:観光バス
才能アリ1位72点 森迫永依
冬晴の小樽ことりっぷの折り目
才能アリ2位70点 勝村政信
雪道にLINEスタンプバスの跡
添削 雪道のLINEスタンプバスの跡
才能ナシ3位36点 鈴木絢音(乃木坂46)
音もない銀世界の停留所
添削1 音もないぽつんと雪の停留所
添削2 ふるさとやぽつんと雪の停留所
添削3 失恋やぽつんと雪の停留所
才能ナシ4位35点 畠中悠(オズワルド)
寒窓に浮く子どもの絵帰路のバス
添削 窓に子の落書き冬の帰路のバス
特待生
2級で現状維持 ◆篠田麻里子(元AKB48)
ズワイガニ無音の宴50分
添削 ずわい蟹食む音のみの50分
名人戦
1つ前進 ◆千原ジュニア
バス見えてバス停の毛布を畳む
永世名人掲載決定 ◆村上健志(フルーツポンチ)
補助席に場札と蜜柑バスの旅
観光バスという題からいくと、村上健志の句が断トツにいい
その次が4位の畠中だろう
写真を見ないで字面だけ見た場合、観光のためのバスが浮かび上がる
篠田の句は、ズワイガニを黙々と食べているという句なので、
題と離れすぎだ、特定生としては物足りない
千原ジュニアの句は、いつもローカルでいいなぁと思う
今は、車社会でバスに乗る機会が無い
ましてや、これはローカル線だ
どこにでもあるある場面ではない
懐かしい、故郷を田舎を思い出させるいい句だと思う
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先日のある句会の兼題は「煤払い」だった
囲炉裏のあった昔は、天井に煤が溜り、
一年に一回、竹箒などで煤払いをした
しかし、今では神社などでしか見かけない
絶滅季語になりつつある
だが、自分が何処に住んでいるのかを忘れていた
ここは、十分田舎で煤払いは現役なのだ
投句には「我が家の作法」があったり、旧家を守っている人が居たり
姉さん被りや割烹着が生きているのだ
ある句会では、先生が言っていた、
皆さんは、とてもいいところに住んでいるんですよって…
都会には都会の、田舎には田舎の句があるのだと痛感する