影のような野良犬に桜ながし 立川志らく
題:ハプニング
◆1位 立川志らく
影のような野良犬に桜ながし
2位 森口瑤子
馬の子に弄られてゐるアナウンサー
添削 馬の子になつかれ過ぎてアナウンサー
3位 村上健志(フルーツポンチ)
光風や控え選手のペンの減り
添削 風光る控え選手のペンの減り
添削 春風や控え選手のペンの減り
4位 横尾渉(Kis-My-Ft2)
日曜の空港ホテル雪の果
添削 春雪に閉ざされ空港ホテルの夜
添削 春雪に閉ざされ空港ホテルの朝
5位 馬場典子
青き日も苦き日もあり青慈姑
添削 青慈姑ころん若き日とは苦
添削 青慈姑ほくり若き日とは苦し
6位 藤本敏史(FUJIWARA)
子供等の後ろの蜂のホバリング
添削 子供等の後ろを蜂の防衛軍
7位 梅沢富美男
長閑なり細くたなびく湯の放屁
添削 長閑なり湯にたなびける放屁の泡
8位 北山宏光(Kis-My-Ft2)
刀折損続ける殺陣や花吹雪
添削 花らんまん折れて続ける殺陣シーン
9位 千原ジュニア
迫る電柱顔面5mmの春
添削 顔面潰る電柱スローモーに春
10位 東国原英夫
カンガルー泊めて2DK朧
添削 カンガルー預かってゐる朧かな
2022年の春光戦を制したのは立川志らくだった
ハプニングと言う題は、エピソードが無数にあるらしく、
多彩な句が並んだ
自ら経験したことを詠んでいるので、類想類句が無く、
発想はとても面白い
その句をどのように詠むのか…
それが今回の順位の別れめだった
要するに、自分の言いたいことを句にするには
何を削って何を入れ、
上句、中七、下句の順番をどう持って行くか…
今回は、上級者の句が揃っているので、
それを学ぶ良い機会だと思う
原句と添削句を並べてあるので、夏井先生の添削をしっかり勉強したい
優勝の「桜ながし」はまだ季語として定着していないらしい
季語には、絶滅季語として無くなっていくもの、
そしてこれから定着していくもの悲喜交々だ
因みに季語では無いが「白線ながし」と言う春の伝統行事がある
「白線ながし」は、岐阜県にある高校で行われている行事で、
これはドラマにもなった
≪岐阜県の斐太高校に長く伝わる卒業式の日の伝統行事で、
卒業生たちが学帽の白線とセーラー服を一本に結びつけ、学校前の大八賀川に流し
この「白線ながし」で永遠の友情を誓い、そして高校時代の様々な思いを込める≫
凄くドラマチックな伝統行事だ
白線ながし
桜ながし
どちらも季語になってもおかしくないと思うし
魅力がある…