会社へ行くと、
私のデスクの上に、
「ジュース代 1,900円」と
記したと見られる領収書が
置かれていた。
どんだけジュース飲んでんだよ!そう疑問に思ったが、
この暑さじゃ、無理も無いか!と納得して、
店名を確認すると、作業服専門店の領収書だった。
作業服専門店にイートインがあるのか?ここが穴場なのか?と考えながら、
封筒に「〇〇殿 ジュース代 1,900円」と書いて、
カウンターに置いた。
〇〇殿が出社した時、カウンターの上の封筒に入ったお金を
受け取るというシステムなのだが、
寸でのところで気づいた社長が、
「惜しいーなぁ。惜しい!」と言っている。
その時、私は、ボーっとする事に集中していたから、
社長がなんか言ってるけど、それは聞こえてるけど、
無視を続けざるを得なかった。
「惜しいんよな~、実に惜しい」
私の、無視が続く。
「惜しいんだよ、ねえ、おかっぱちゃん?おかっぱちゃん?」
私は、名前が呼ばれた事で、ようやく首が動いた。
「これね、ジュース代じゃないの。シューズ代なの。惜しい!」
私は、シューズとジュースを読み間違えたという訳でした。
私ってば、見るとこ、ズレてんだよな~惜しい!
おはようございます。
そんな我が家のおじさんも、ちょっとズレてたりするのだ。
基本、仏のように優しい。
言葉使いも、とても丁寧だが・・・
ある日、体重を計っているおじさんに、
あれ?ちょっと痩せたじゃない?と言ってみると、
おじさんは、
「そうなんです。痩せちゃったんです、ここで」とほほ笑んだ。
どういう意味?
嫌味?
別のある日も、こけそうになった私を支えるおじさんに、
ごめんね、重い?と気遣ってみると、
おじさんは、
「全然、平気ですよ。耐えてます」とほほ笑んだ。
耐えてんの?
重いって事だな?
そうかと思うと、ある日、おじさんは、
よねが食べ終わった皿を舐める、あやを眺めながら、
「あやちゃんって、本当に可愛いよね」とほほ笑みながら、
近付いていき、
「ねぇ、あやちゃん?あなたは、どうして、そんなに意地汚いの?」
と更に、微笑んだ。
言ってやるなよ!
きくのお部屋で、寝てしまった私へは、
「おかっぱちゃん?」と声を掛けてくれる。
その声に薄っすら意識を取り戻した私に、
おじさんは、めくれた服を直しながら、言う。
「こんな所で寝ちゃってるの?こんな可笑しな顔で」と。
さらに、
「きくちゃんも、困っちゃうよね。イビキがうるさくて」と。
ムカつくが、今、起きる勇気が持てんわ!
そもそも、ツッコむ所、ズレてるわ!
顔じゃなくて、上がっちゃってる片手の事を言え!
で、そのまま立ち去るなーーー!
そして、おたまも、なんだか、ズレてる訳だ。
おい、おたま!
なにをしているんだ?
おたま?
おたま「オモチャを見てるだよ」
まーた、オレンジさんを風呂に落としてんのか。
おたま「ふふふ、楽しい~ふふふふ」
何が楽しいの?
ねぇ、何が楽しいの?