うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

我らの泉

2022年07月02日 | 日記

私は、案外、

優しい人と言われる。

その度、そうだろうか?と心苦しくなるんだ。

 

おはようございます。

そりゃあ、私にだって心に優しさの泉は湧いている。乾くことはない。

ひとたび好きになった人間は、決して嫌いにはならない。

なるものかと意地になる訳ではなく、嫌いになれないのだ。

騙されてるな~っと気付いても、そんな時は知らぬ顔で騙される。

それが、今、その人が望んでいることなら、嘘にも付き合う。

そもそも、私には嫌いだなって思える人がいない。

無類の人間好きなわけでは無い。

どちらかというと、人間は苦手だ。

苦手だけれど、嫌いじゃない。とても好きだ。

俗にいう嫌われ者にも、きらりと輝く魅力がある。

もちろん、わざわざ嫌われ者に近寄らないが、魅力は見逃さない。

 

ただ、優しさの泉が溢れてしまうと、私は危険な人物になる。

後先考えず、猫を拾ってくるのも、傍から見れば危険人物だ。

6匹の飼い猫と暮らすこの狭い部屋に、3匹の子猫を拾って来たこともあった。

あれは、楽しかった。

「なんですか?ここは楽園ですか?」って思ったもんな~。

しかし、6匹や同居する男や、近所の両親は、いい迷惑だ。

実際、母は

「お前、あかん。頭おかしい」と口にしたけれど、

その直後、プニプニの子猫をほいっと手渡したら、

母はすっかりメロメロになったから、何の問題もない。

 

問題だったのは、柴犬を保護した時だ。

迷子かと思いきや、首輪がボロボロできつそうだ。

それ以外にも、その犬には何某かの違和感を感じ、

私は警察に『迷子の犬』と連絡したが、捨てられたかもと思った。

そこで、さすがに猫屋敷の我が家へ連れて行けず、私は迷わず実家へ向かった。

「柴犬を、しばらく、ここに置いてやってください。」

父はすかさず返した。

「なんで?」と。

そりゃそうだ。

唐突に、犬を飼えと言われれば、そうなる。

それでも、私は泣きながら、頭を下げた。

もう、大泣きだった。

「お前は、そういうとこが弱いんだ。

迷子の犬に会っただけだろう?

なんで、お前がそんな泣きながら右往左往するんや?

お前は、そういうとこが、脆い。」

父は、そう言ったが、私は違うっと断言した。

「違うよ、父さん。

私は泣きながら苦しみながらでも、逃げない。

苦しいな~っと思いながらも逃げない。

逃げ腰の父さんの方が、ずっと弱いんだ!」

そう言ったが、強いも弱いもあったものじゃない。

突然、犬を飼えと強制されている人に言う言葉とは思えない。

私の犬を助けんとする優しさの泉の津波によって、父の日常が床上浸水だ。

いわれなき暴挙に他ならない。

私の優しさは、とてもアンバランスで危険だ。

 

ちなみに、柴犬は動物愛護センターで保護してもらい、

その後、譲渡会で見事、新たな家族に出会えた。

3匹の子猫も、今は申し分のない家族と暮らしている。

ここでも、熱心な愛護センターの職員さんと、

3匹一緒に引き取ってくれた里親さんの、

冷静かつ適正な優しさが無ければ、今どうなっていただろうかと、

我ながら、ぞっとする。

 

しかし、我が家のおじさんも、危険なくらい優しい。

上記の一連にも、彼は文句も言わず付き合ってくれた。

おじさんは、いつだって、私の溢れる泉に脱力泳法で、ぷかぷか浮かんでいる。

クラゲのように。微笑みながら。

ただ、この男の優しさも危険だ。

というか、恐ろしいと感じる時がある。

 

私は、マドレーヌが大の好物な訳でない。

なのに、どういう訳か、男はこれでもかってくらい、

毎日毎日、私にマドレーヌを1個買って来た。

毎日マドレーヌ生活だ。

なんの健康法ですか?って思った。

思いながらも2週間食べ続けた結果、マドレーヌを見たくないとさえ思った。

これじゃ、心の健康が害される。

だから思い切って、男に言った。

「あのさ、毎日マドレーヌ1個あるじゃん?あたしさ、別に好きじゃないんだよね。

せっかく買いに行ってるなら、他のも買ってきてくれたらいいじゃん?」

男は、

「そうだったんですね。分かりました。」

と、微笑んで言ったが、その表情は寂しげだった。

そんな男を見て、私の胸はチクリと痛くなったが、ごめんねとは言えなかった。

ごめんって言えばよかった。

 

その日は、ずっと「ごめん」と心の中で連呼し続けた。

しかし、仕事から帰宅してみて「ごめん」が天高くぶっ飛んでいった。

「マドレーヌ、2個に増えとるやないかーーー!」

戦慄が走った。

しかしよく見れば、別の種類のマドレーヌだ。

でもマドレーヌだ。

 

そういうことじゃない!

そういうことじゃない!!

 

私は思わず、2度同じことを叫んだが、

まだ、このことを男には伝えていない。

更に、男の優しさが暴走する気がするからだ。

 

だから、このことも伝えていない・・・。

皆さんは覚えておられるだろうか

 

猫によって壁紙が剥がされた壁に、

おじさんは、こういう優しさを発揮してくれた。

 

この優しさが、今、

不意に見ると、ホラーに感じる状態に仕上がっている。

なんか、怖いよ~

 

べローンとしてて、無意識に見ると

「うわっ!」ってなるよ~。

 

たれ蔵、これは言った方がいいのかな?

 

たれ蔵「大丈夫、残りはボクがやっとくよ~」

君がさらに、剥がしてくれちゃうということだね・・・