うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

人生初を2つ制覇

2022年07月04日 | 日記

私は、険しく上へ続く山道を見上げた。

息を切らせながら、何度も見上げた。

そして、私は分かったんだ。

 

おはようございます。

どうして、人は山を登るのか。

その答えは、そこに山があるから~!

 

土曜日、愛知の最高峰『茶臼山』へ登ってきた。

標高は、1415メートル。

1415=い~よ!いっちょ、ゴー!だ。

私は、山に登る気など、なかった。

ふもとにある『カエル館』が目的だったからだ。

弊社の隣のデスクの熟女さんは、ツーリストだ。

その熟女さんから

「茶臼山にはカエル館っていう、生きたカエルが展示してあるの。」

という情報を得た。

 

私は、カエル好きだ。

カエルが好き過ぎて、でも触れないから、ぬいぐるみを買って、

毎日抱きしめているくらい、好きなんだ。

でも触れない。

生のカエルは、観るのが丁度いい距離感だ。

 

「そのカエル館と周辺は、パワースポットとしても知られているの。

いわゆるゼロ磁場だそうなのよ。」

「パパパパパっパワースポットなんですね?

い~よ~、いっちょゴーだ。

パワースポットで運気を爆上げして、サマージャンボを買います!」

この時、私はカエルそっちのけで、

まるで虫に食い付くカエルのごとく、凄まじい速度でパワースポットに食い付いた。

行く目的が、秒速ですり替わった瞬間だ。

「いやあのね、おかっぱちゃん?

ゼロ磁場は、そういうとこじゃないから。

体の不調を整えるとか、そういう効果があるとかじゃない?

そんな運気が上がるなら、あの界隈の住民、みんな億万長者になってるでしょ?!」

そんな冷静な熟女さんの言葉を聞いて、私は思った。

 

なってる!

きっと、みんな億万長者になってるに違いない!

 

信じ込んだ私は、この暑い最中、

己の出不精をも忘れて、とっとと行って来た。

午前9時、街中は既に、34度。

東へ愛車を走らせ、東へ東へ、さらに東へ・・・・

「もういやだー!帰りたーい!!」

とぐずり始める助手席の私をしり目に、おじさんは東へアクセルを踏み続けた。

到着した頃には、気温27度。

「涼しい~!」

私のご機嫌が治った。

 

真っ先にカエル館へ入館した。

大人は400円で入れる。

小さな館だ。

その中に幾つかの水槽があり、その中にカエルが暮らしている訳だが、

「どこ?これ?これなのか?」

と、水草にひっそり隠れるカエル達を、1匹たりとも見つけえられない。

館長らしき男性が、

「ここ、立ってみて。足からピリピリくるよ。」

と館内のパワーを強く感じる場所を案内してくれる。

おじさんは、

「あぁぁ、なんか違いますね。」

とパワーを感じているらしいが、私は何も来ない。

ビクともピリとも来ない。一切来ない。

 

あたし・・・こんなんじゃ運気上がらない。

 

軽い絶望感のせいで、

死にかけのカエルみたいな目をした私に、館長らしき男性は焦ったのかもしれない。

「あっ、こっちのカエルは触れるよ。」

「はい?」

「抱き上げて写真撮っていいよ。ほら、こっちこっち、このカエル触って。」

 

いやです!

即座に、そう叫びたかった。

私は、カエルは好きだが、触るのは怖いって昔から言っているじゃないか!

ほんと、昔から口癖みたいに、そう言っているが、

初対面の人が知るはずがない。

姿も見えない水槽に

「どこかしら?良い子ちゃんね~良い子ちゃんね~」

と話し掛けている私の、触れない事情など知る由もない。

 

「ほら、触って!」

館長は無垢の微笑みで、追い込んでくる。

私は蛇に睨まれた蛙みたいな気分になった。

ということで、

やってやりました!

このサイズのカエルを人生初、抱いちゃいました。

 

こんな、しょぼい顔で・・・。

ありがとう、ヒキガエルさん。

我が憧れのヒキガエル、本当に可愛かった。

※カエルは体温が低いので、流水で充分に手を冷やしてから、

カエルに触るのも、ごく短い時間におさめ、すぐ離してあげてください。

 

「これでもう、思い残すことはありません。

ありがとうございました。」

私は半べそのまま、館長らしき男性に深々と頭を下げた。

よし帰ろう。もう帰ろう。

そう思ったが、我が家のおじさんが、

「えっ?茶臼山には、登らないの?」

と発言したせいで、館長らしき男性は

「このすぐ横の道、これ行って~。

30分で登れるから行ってきて~。」

と案内してくれた。

私にとって、この男性は蛇だ。

蛇が言うなら行ってきますのノリで登った。

 

途中、あたし、死ぬのかもって思った。

けれど、山は続く。

下山する人々は、すれ違いざま声を掛け合う。

「こんにちは~。頑張って~。」

「はい、ありがとうございます。」

山ガールならぬ、山の女神みたいな女性たちも、

「もう少しよ~、頑張って。

下りもきついからね~、うふふふふふ~」

と、もはや這いつくばったカエルみたいな恰好で

必死に傾斜にしがみ付く私を、大いに励ましてくれた。

 

そうして、45分

茶臼山、登頂!

人生初の登山、やってやりました。

ちなみに、この茶臼山、登山レベル1です。

体力、テクニックとも、レベル1です。

 

とにもかくにも、

土曜日はいい日だった。

パワースポットのパワーは、一切感じ取れなかったが、

図らずも人生初を2つも経験できて、まったく愉快な旅でした。

 

あれ?

我が家にも、なにやら御利益ありそうな姿が?

なんか、珍しい生き物みたいだけど

 

こういうウミウシ、海にいそう・・・

よし、次は海に行ってみようか。