思ってもみないこと
仙台には日差しが無い。日本全体が暑いらしい。しかし、仙台は未だ梅雨の季節にとどまっているように、日差しもなく、気温もあまりあがらない日々が続いている。涼しくていいじゃなあい・・・・そっかもしれないけど。何年か前の冷夏で米ができなかった頃を思い出してしまう。大丈夫かなあ・・・。
思いもかけず仕事をすることになって、一ヶ月になる。帰国の時期から考えてみると、あれよあれよと、時間が過ぎていった。朝の通勤なんて、何年ぶりだろう・・・。
バスと地下鉄で、仙台市ダウンタウンに向かう。
駅の構内は、整備されていて、地下鉄から駅ビルを経由して、職場に向かうことになる。
昨日朝の出来事。
私は登りのエスカレーターに乗っていた。傾斜が結構急で、狭いのが特徴のエレベーターだ。登り始めてちょっとすると、上の方から、声が聞こえる。
あっ・・・・・！！
みると、女性と、海外旅行でも行くのか、彼女のでっかいキャスター付きの堅そうなスーツケースが目に入る。そして、私は目を疑った。そのスーツケースは、エスカレータの上部から私をめがけて落ちてくる。
え？ とっさに、身を端に寄せるが、そもそも狭いエスカレーターで、スーツケースはその幅に丸ごと収まって、つまり一部の隙間もないように、ぴったりサイズで落ちてくる。逃げ場がない。
逃げ場がない。私は、自分が足を折ることを覚悟した。でも、9月に仙台市民マラソンにでるんだし・・・こんなところで、足を折るわけにはいかない。
エスカレーターは動いている。両方のベルトに手をかけ、落ちてくるまるで落石のようなスーツケースから目を話さず、自分の足元に来たタイミングに、ジャンプした。両方の手で体を支えているから、結構足は高く上げられた。あん馬のような格好だったと思う。足にスーツケースがあたることもなく、かばんはそのまま下に落ちていった。そして、大きな音を立てた。
その大きな音に、気がついた店員さんが、エスカレーターを止めてくれた。でも、私は上まで到達していた。下をみて、ぞっとした。
もし、私の後ろに誰かいたら・・・・いえ、もしこの場にいた人が、お年寄りだったり、子供さんを連れた人だったりしたら、間違いなく惨事が起きていたに違いない。
私は、自分でも加害者になる場合があるのではないかと思ったし、相手の女性もかわいそうだったから、そのまま立ち去った。でも、すこし歩くとその怖さから、足が震えてきた。スタバに入り、モカを飲みながら気持ちを鎮めて、職場に向かった。
しかし、考えてみると、それは怪我が無かったことが幸いではあるが、二度とあってはいけない事故なので、きちんと報告して原因をつきとめておく必要があるように感じた。
仙台駅に電話したが、これまたいまどき、駅の電話番号も部署が詳細に分かれすぎていて、どこに電話をしていいのやら・・・・。
お客様相談窓口にことの仔細を報告しておいた。
ともあれ、色々なことが起こりすぎた、ここ一ヶ月だった。
