私の職場はビルの8階。
そんな大きな建物ではないし、複数の、不特定の企業が入っているビルではないので、どちらかといえばこじんまりしている。
朝の出勤時、お山の上に登るバスはローカルであり、乗る人たちもいつのまにか、なんとはなく顔見知りになるものである。ところが、この宮城という県は、なんとも無愛想な県民性がある。何度あっても、にこりともせず、無視を続ける。あいさつなどしてくれるのは、小学生だけであって、大人同士がすることはないという、なんとも大人になれない県民性なのだ。
今や、その県民性にどっぶりつかった感のある私。毎日会う女性がどうにも苦手なのだ。
何がってしゃべったこともない相手なのだが、表情かな。にこりともしない、陰湿な感じがある。その人と同じエレベータに乗るのは最悪で、空気さえも凍り固まる感じがする。
なーんちゃって(*_*) でも、されど、苦手で・・・・。
30分に1本のバスなので、タイミングは避けられない。そこで、バス亭からエレベータまでの距離を、早く歩いてみたり、ゆっくり歩いてみたりと、どうにかかち合わないタイミングをはかっていた。
そして、さらに、同乗しないためには、エレベーターで、階を押すより先に、ドアを閉めると、早く発車することもつきとめた。とにかく、同乗しないために、あらゆる努力を図ってきたのだ。
今朝も、いるいる。やっぱりいる。
入口へのアプローチも北からと南から向かう。南の彼女のいる位置を計りながら、北から歩を進める。先に行くべきが遅く行くべきか・・・・
すると、南からアプローチの彼女の先に、若い先生が見えた。マスクをしてるけど、間違いない。お互いに遠くから会釈をする。さわやかである。
さて、入口にさしかかり、エレベーターまで、すぐ後ろに彼女がいる。若い先生は先にエレベーターのところに進んでいるらしい。エレベータが到着し、ドアが開く音が聞こえた。
これで、若い先生は先発するに違いない。すると、次のエレベーターに私が乗り込み、そしてそれに後からあの苦手な女性が乗り込んでくることになる・・・・仕方ない、それなら階段で登ろう と気持ちを決めた。
と・・・・なんと、若い先生が、荷物を抱えながら、手でエレベーターのドアをとめている。笑顔だ。さわやかな笑顔で私を待っていてくれた。
どうも、すいません と・・・大きな声でお礼を言う私。
そこへ、あの彼女も滑りこんでくる。すいません ・・・と、蚊でも聞こえないような、空気の振動だけの声がした。
なんか・・・・教えらた!!。
若い先生のさわやかな行動に、自分が恥ずかしいと思った。
そして、なんといっても、さわやかなのだ。若いっていいな~と思った。
私にだってできるはずだよね、もういい歳なんだからさ。