新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

私が嫌う国語を乱すカタカナ語と造語 #3

2014-06-13 15:35:40 | コラム
和製英語=造語 その2

*イメージチェンジ  makeover、
解説)主語と動詞の順序が入れ替わっているのが特徴で、良くある「単語を並べた形」だ。上手い表現だとは思うが、「誰に対して何を変えるのか」を言わないと。

*ヒーローインタビュー   interviewing the hero、
解説)すでに述べてある。これも単語を日本語の感覚で並べただけという感が深い。主語と目的語を言わないと通じないのが英語だ。

オーヴァードライヴ   outdrive、
解説)これも単語を並べている。ゴルフの言葉である。自分たちの単語帳的感覚だけで作り上げたと解る言葉だ。「オーバーに打った」という意味だろうが「打ち過ぎ」とも取れるのではないか。参考までに "outgrow" と言うと「もうその次元(段階)を卒業した」となる。

*ヴァージンロード   aisle where a bride walks or aisle of the church、
解説)もうここまで来ると発想の凄さに感心する。如何にもそれらしく作ってある。この造語をハーヴァード出身という漫才師・パックンがテレビで取り上げていたのが面白かった。彼は唯一言”aisle”=「通路」以外無いと。飛行機で通路側を”aisle seat”と言うではないか!

*アフターサーヴィス   service after the sales or after sales service、
解説)これも語順が違う。だが、意味を上手く表してあり、日本人同士ならば直ぐに解るところが凄いと思う。

*ナイスショット   good shot or excellent shot or beautiful (golf) shot、
解説)上手く言えないが、こういう場合に使う言葉ではない気がする。"nice" には「心地良い」とか「楽しい」という意味の方が強いだろう。故に "good shot" で良いと思うし、そう言われた、1974年に。

*ガソリンスタンド   gas station or filling station、
解説)何故stationの代わりに "stand" を使ったのだろう?新聞の売店を newsstand というから、それを真似たのか?

*モーニングコール   wake-up call、
解説)朝の電話と聞けば如何にもそれらしいのだが?外国のホテルでこう言って通じないことはないと思うが「???」となることの方が多くはないか。良く出来た日本語だと思う。

*ランニングマシン   treadmill、解説)ランニング用のマシンという意味か?だが、これでは「マシンが走っていること」になりはしないか?ランニングスローと同じくらいにおかしい造語だ。だが、これが日本語で戸籍を得ているので、「トレッドミル」と言って解る人もおられる程度の普及率だ。

*ロスタイム   extra time or injury time、
解説)散々言ってきたことだが、lossを形容詞で使ったのだろうが、それならばlostと過去分詞にした方が良かった。だが、それでも英語とは違ってしまう。

*カットソー   cut and sewn、解説)これなどは初めて見た時には何か新たな編み方の固有名詞かと思った。andを省かれてしまったので、私には何のことか想像できなかった。「縫う」は "sew"というのだ。因みに「カットアンドソーン」である。

*ヴァイキング   Smorgasbord or buffet、
解説)ヴァイキングまたはバイキングは既に日本語になっていると思うが、北欧風の料理の意味でもあるようだ。しかし、Oxfordにはその意味を取り上げられていない。"buffet"を「ビュッフェ」とするのはフランス語だろう。

*ワンコイン         one coin、
解説)全く意味も体も成していないというか、何ものも特定しない一見英語風だ。だが、テレビではほぼ間違いなく「レストラン等で、500円で食べられる食事、特に昼食」を意味すると、視聴者の90%が認識すると疑っている、というか戸籍を得ている悪い例だろう。
何がいけないかと言って、我が国に流通するはコインが1円、10円、50円、100円、500円がある。それなのに「ワンコイン」とだけ言ったのでは、それらの何れに当たるかを特定しない。しかし、有無相通じる腹芸がある我が国では「500円」と思って貰える。英語というしつこく理屈っぽい言語で重要な点は「言わなくとも解ってくれるだろう」は通用しないのだ。
何度も言ってきたことで、「それで通用しているからそれで良いじゃないか」説は尊重する。しかし、繰り返しだが、「それは英語ではないこと」と「英語にはそういう思考体系がないこと」を覚えておいて貰えれば、これを書いた意図は達成出来るのだ。

*オーダーメード       custom or tailor made、
解説)誂えの服などのことをいうようだが、如何にも英語っぽい造語である。注文生産をそのまま英語にしてみたのだろう。"Made-to-order"という言い方もあるし、"tailor made" という「特別のお好みに合わせて」等という表現もある。

*オッケー OK
解説)「オーケー」が何故「オッケー」になったか不思議だ。しかも、この方が多用されている。"OK" の語源は“oll korrect”だとの説と“all correct”の誤記だとの意見と二つある。以外にも余り上品な表現ではなく、私は万人に勧めない表現だ。何としても使いたければ "all right" と言えと教えられた記憶もある。アメリカ人は "OK" を動詞に使って"OK’d" 等とすることがある。即ち"~ has been OK’d." という具合だ。

*ハイヒール         high-heeled shoes、解説)この英語の表現は「こうすれば良いかな」と思っただけで、本当に欧米人が使っているかどうかは保証の限りではない。(失礼)ハイヒールと聞けば誰でも「ハイヒール」を思い浮かべるだろう。しかし、"high heel" だけでは意味を成さないと思う。

*フロントガラス windshield、
解説)見事な造語である。「前にあるガラス」と単語を並べたのだ。自動車の用語も野球用語度と同様に99%は英語ではないのだ。故に採り上げていけば切りがないので、典型的なものを幾つか挙げておくにとどめる。

*ハンドル      steering wheel、
解説)steerとは操縦するとの意味で、そのための輪であり自動車にはハンドルは使わない。自転車ならばハンドルで良いようだが。なお、"steering committee"と言えば運営委員会になる。

*バックミラー rearview mirror、
解説)「後ろ(バック)を見らー」と語呂合わせになっている辺りに、先人の限りない知恵を見出し尊敬する。リヤカーも同工異曲で、あれは "bicycle trailer" か"bicycle-drawn cart" 等と言うらしいが。

*ベビーカー baby carriage (アメリカ式)、baby buggy (英国式)、
解説)何でも "car" にすれば良いってもんじゃない。乳母車という古来の日本語は何処に行ったのだろう。

*ブレークする       もしかしてbreakthrough、
解説)嘗て故岡田眞澄がテレビ出演中に、誰かが「大躍進」ないしは「劇的に売れて流行した」と言う意味で「ブレークした」と言ったのを聞いて、「何でそんな言葉を使うの。それは壊れるという意味だよ」と言ったのが忘れられない。
その頃だったか、当方は光栄にも当マンションの有志のご意向を受けて「高級な英会話」とでも言いたい講座を続けていた。その受講者の一人でシニア会(=老人クラブ)の副会長の奥方が「ブレークする」に疑問を呈されたので、「強いて言えばbreakthroughに『躍進』か『進展』や『突破』という意味があるが」と答えた。すると彼女は「それ、頂きで、そのまま“breakする”になっているではないか」と言われて、一同大爆笑で終わったものだった。

*インフル   influenza、
解説)大流行している時に使われるのが昔は「流行性感冒」であり、略して「流感」だったと思う。私には最も気に入らない和製語である。それが何時のことか何のことか直ぐには解らない「インフル」にされてしまった。編集面では4文字に短縮されるのだが。実は英語の略語は"flu"であり、カタカナにすれば「フルー」の3文字である。因みに、普通の風邪は"common cold"とも言う。

*サラ  Sara または Sarah、
解説)近頃花盛りの「キラキラネーム」の中でも「サラ」は多いのでは。ソチ冬季五輪のジャンプで4位に終わった高梨も「沙羅」。近頃の親御さんたちは英語の"Sara"ないしは"Sarah"を素直にローマ字式に読んで「サラ」か「沙羅」のような当て字にしたと推察する。だが、"Sara"はカタカナ語にするのが困難な発音で、「セアラ」か「セァラ」か「セーラ」を混合したような発音になり、最も原語に近いのがもしかして「セィァラ」だろう。これは、"a"と"r"の発音のカタカナ表記は容易ではないことを示している。
因みに、故人であるタレントにSarah Lowellという人がいた。この女性の名前のカタカナ表記は「セーラ」だった。更にこの方の父親はアメリカ人だと聞いている。故に自分たちの発音に近いカタカナ表記を採ったのではないか。高梨沙羅はインターナショナルスクールに通っているそうだから、もしかして"Sara"を「沙羅」とする矛盾に何となく気が付いているのかな、などとおもっている。もしかして「沙羅双樹」から採ったのか。

*リモコン       remote control device、
解説)遠隔操作をする器具のこと。"remote control"だけでは「遠隔操作」に止まってしまう。後ろに器具を意味する何らかの言葉がいるだろう。現実には「リモコン」と言えばテレビ等の器具を指すようになった。面白いことはOxfordには"remote"とは"far away from places where people live"が最初に出てくる。だが、リモコンでは直ぐそこの機器を操作する。

*バイク         bike、
解説)広辞苑にはモーター・バイクが先に出てくるが、普通は自転車を意味すると思う。Oxfordには"bicycle"=自転車となっている。だから「バイクで高速を50キロで突っ走った」と英語で言えば「???」となってしまうだろう。

この項終わり。

続く)


海外での危険性に如何に対処するか

2014-06-13 08:32:36 | コラム
海外での危険性は我が国で生まれ育った人には被害を受けて初めて解ることだろう:

サッカーのW杯が日本時間の13日(金)から始まった。遺憾ながら、あれほど危険性を警告されてきたにも拘わらず、ブラジルでは既に各種の被害を受けた同胞がいると報じられている。私が見る限りでは、我が同胞は外国でも我が国と同様の安全性があるとしか認識していないのだ。経験からも言えるのだが(1985年10月にシアトルで交通事故の被害者になり廃人の直ぐそこまで行かされてしまった事を言う)、「危なかったことは、被害を受けて初めて知る」のだ。ここで学んだことは「アメリカでの運転技術と認識は我が国とは違っているようだ」だった。

シアトルのように、1990年代初期には日中は家内を一人で街中を歩かせることが出来たような安全と思われている都市でも、絶対に必要なことは常に四方八方に気を配り、見渡し、警戒していなければ我が身に何時何が起こるか解らないと認識していた方が無難だ。まして、ニューヨークだの、サンフランシスコだの、シカゴ等の大都市では先ず表通りを離れないことで、裏通りに英語も解らずに踏み込まないことだ。

しかし、地図を片手に交通信号でキチンと止まってキョロキョロでもしていれば、その道の者どもに「カモ来る」と寄ってこられる危険があると思っていなければならない。即ち、何人かの仲間が一緒でも「ここは外国。危険なところ」と思っている方が無難だ。それで何事も我が身に起きないいと「何だ。大丈夫だったじゃないか」などとは間違っても甘く見ないことだ。

それでは、何故我が国の人が狙われるのかだ。確かに標的にされやすいウエストポーチとかいう代物を腰に巻いている方は多い。現金を持ち歩くなとの警告を「まさか」と思っておられる方もまた多いようだ。まして、買い物の際に現金を全部出して見せてしまうのは論外だ。

私はそれ以外に重要な点として「衣服」を挙げたい。その問題点は幾つかある。先ずは外国旅行だということで着飾っておられこと。狙われやすい。考えてみれば解るが、その辺までコーラでも買いに行くときにこれでもかと着飾るかということ。

次は普段着というか寛いだ服装(ナリ)が出来ていない方が多いこと。しかもほとんどの方は日本で買った我が国独特の色彩とデザインの服を着ておられること。これは目立つのだ。「日本人ここにあり」と言っているのと同じだ。私もYM氏も危険地帯とされているLAのファッション・ディストリクトで危険と聞かされても怖れずに入ってこられた邦人を一目で見分けて声をかけて「何故解ったのか」と驚かせた。服装だった。失礼を顧みずにいえば「着飾りすぎ(overdressed)で野暮ったい」のだ。

その時のYM氏の服装は着古したコーデュロイのパンツにそこで以前に買った4枚で10ドルのTシャツ。SM氏は革ジャンパー。私はシアトルで以前にセールで買ったBrooks Brothersのジャケット(=ジャンパー)だった。この辺りがミソで、全員が現地人の着る現地で買える製品を着用していたことだ。言うまでもないことで、アメリカのブランドは我が国でいくらでも買えるのだ。今ではイタリア、スペイン、スエーデンのブランドの女性服だって買える。

次は集団で行動されているし、目が落ち着いていないことを挙げたい。だが、最大の問題点は「危険だ」と現地に住む同胞、ないしは外務省が警告されている場所、ガイドや添乗員が言うことを聞いて、それに従うことだろう。私はイタリアのフィレンツエでは路上で迫ってきて新聞紙を広げた子供の集団に大声で日本語で怒鳴って退散させた。現地の言葉を知らなければ日本語で十分だ。