新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカを支配する階層

2016-03-28 13:20:58 | コラム
ワシントンDCから大手企業に転身しさらに環境庁長官として復帰:

昨日アメリカでは政府高官が実業界に転身するとの例で、FBI副長官がW社に転身したと述べました。これは、実は12年9月10日の「頂門の一針」第2722号に詳細に採り上げていたWilliam (Bill) Ruckelshaus(ウイリアム・ラッケルスハウス)のことでした。以下にその記事を引用してみます。

>引用開始
1973年にNixon大統領のWatergate問題が厳しく追及されていた際に、初代環境庁長官で当時のFBIの長官代理だったWilliam Ruckelshausは当時では有名になった“Saturday Night Massacre”(=土曜日の晩の虐殺)の人事でニクソン大統領の反撃にあって解任されました。

ラッケルスハウスはPrinceton大学からHarvardの法科大学院に進んだ弁護士。彼は解任されて間もなくWeyerhaeuserにスカウトされて法務担当上席副社長に就任し、数年後に環境庁長官としてワシントンDCに復帰していました。
>引用終わる

インデイアナ州出身のラッケルスハウス(1932年生まれだとか)は環境庁長官を退任後は、シアトルに再度弁護士事務所を開業したとか風の便りに聞いております。

以上は、アメリカではほんの一部も者たちが富を握っていると言いますが、実はアメリカを支配する階層ではほんの一部の連中が政府・経済界・法曹界の重要な地位も占めていることを示す格好の例かと思うのです。私はそのことが良いとか羨ましいというのではなく、単なる文化の違いであると片付けたいのです。だが、そこに辿り着く為には、家柄や資産の状況(Ivy League等の大学に子弟を送り込める富裕層を指す)に大きく左右されているのは間違いないことでしょう。

これを別な角度から見れば、我が国のように何処の地方の如何なる家柄の出身者であろうと、努力次第では政・官・財界で主要な地位を占める事が可能である国との大きな違いでしょう。私は我が国の方がアメリカよりも遙かに平等で民主的だと思うのです。それにアメリカに見られるような途方もない「格差」はないのです。それにも拘わらず、何かというと「格差が拡大」とほざく野党は余りにも視野狭窄でしょう。